最高傑作。『龍が如く0 誓いの場所』レビュー!

セガ
この記事は約16分で読めます。

始めに

1.始めに

 『龍が如く』のナンバリング8作目まで、あと一年となりました。今回は龍が如くシリーズ(0,1[].2[極2].3.4.5.6.7.8.見参.維新)を代表する傑作『龍が如く0』についてレビューを書いていきたいと思います。

独創性完成度快適さボリュームフィクションその他判定
784893優(39)

ゲームフィクション

あらすじ

 『龍が如く』開始より17年前の1988年の神室町。主人公・桐生一馬は堂島組のメンバーでした。もう一人の主人公・真島吾郎は組に逆らったことで、近江連合の佐川組の監視のもと、キャバレー「グランド」をしのぎとしていました。このころ、極道社会は土地開発利権を握っていた堂島組が、どうしても開発に不可欠な「カラの一坪」という土地の所有権のために手を焼いていました。この土地を巡る極道社会の争乱に、二人の主人公は巻き込まれます。

理想的なエピソードゼロ

 この作品はシリーズ(0,1[].2[極2].3.4.5.6.7.8.見参.維新)の前日譚として非常によく構築されています。この作品がシリーズファンにとってまず嬉しいのは、錦山彰という主人公のライバル枠のキャラクターと、桐生の絆がしっかり描かれていたことでした。『龍が如く』()に主人公の敵として登場する錦山彰は、魅力的なキャラクターでありつつ、桐生一馬との関係など、描写不足も目立つキャラクターでした。また世羅勝、柏木修など、これまで出番の少なかったサブキャラクターも掘り下げられることとなりました。彼らの活躍を描きつつ、シリーズ本編へと繋がる激動のドラマが展開されます。

 MGS3のような、理想のエピソード0です。

真島吾郎が狂犬に戻るまでのドラマ

  この作品についてしばしばある批判として「0の虚無的な真島が0での出来事を経たからといって、シリーズ(0,1[].2[極2].3.4.5.6.7.8.見参.維新)本編のような享楽的な性格になるのは不自然」というものがあります。しかし、よくこのシリーズを観察してみると『龍が如く4』で『龍が如く0』より以前を描く回想では、真島吾朗は剽軽で享楽的な性格をしています。また真島の過去をよく知る冴島大河が長い時を経て真島と再会した時、その振る舞いに違和感を持っていません。つまり『龍が如く0』で真島が纏うダルでニヒルなペルソナは、上野誠和会襲撃事件で冴島が逮捕され真島が制裁を受けてから『龍が如く0』のエピローグまでのものなのです。おそらくは真島は冴島大河への負い目から、本来の自分を見失っていたのだと思います。そして本作品において最高の男たちと戦ったことで、本来の自分を取り戻したのだと思います。

BGM

 湘南乃風が『クロヒョウ2』に引き続いてテーマを担当。パワーポップ風のレゲエミュージックが熱い男たちのドラマを盛り上げます。楽曲は水準が高いです。

ゲームメカニクスについて

箱庭探索ゲーム

 このシリーズ(0,1[].2[極2].3.4.5.6.7.8.見参.維新)の特徴として、神室町という作り込まれた箱庭(施設の外はシームレスにつながった空間)の中での探索要素が肝となっています。隅々まで作り込まれたゲーム内の空間に多くのイベントがあり、それをこなしていくことがプレイヤーキャラクターの成長につながっていきます。

ヒートアクション、スタイルチェンジ

 このシリーズ(0,1[].2[極2].3.4.5.6.7.8.見参.維新)はヒートアクションが特徴です。これは特定のアクションの成功などで蓄積するヒートゲージを消費することで強力な技を発動できるというものです。またヒートゲージの蓄積はキャラのバフ効果を生みます。

 今回はそれに加えて維新から続投してスタイルチェンジの要素が加わりました(見参にもありますがナンバリングタイトルでは本作が初)。桐生には壊し屋、ラッシュ、チンピラ、堂島の龍が、真島にはダンサー、喧嘩師、スラッガーがあり、それぞれのバリアブルアクションを状況により使い分けます。…のはずですが桐生は壊し屋が強すぎてバランス崩壊しています。ラッシュは弱く使いづらい(『龍が如く 極』ではラッシュは使いやすくなった代わりに壊し屋は弱くなりすぎました)です。真島は三つとも強いです。

サイドストーリーのキャバクラ(ワーカープレイスメント)、不動産(ワーカープレイスメント、エリアコントロール)

 このゲームにはサイドストーリーと呼ばれる一連のイベントがあり、真島吾朗ではキャバクラ経営、桐生一馬では不動産経営が用意されています。キャバクラではミニゲームが用意されていて、時間経過にともなって客が登場し、そのリクエストにあったキャバ嬢のユニットを配分します。また割り振られたキャバ嬢ユニットが助けをしばしば要求するので、ナラティブチョイスで適切なアンサーを選びます。よくできていると思います。

 一方、不動産経営は金策に便利なものの、金を稼ぎつつエリアや従業員ユニットを購入して増やし、割り当てていくだけなので遊びに乏しいです。

成長要素は失敗

 このゲームはバブルという時代背景もあって、現金を消費して能力を上げるのですが、これは失敗です。なぜならカツアゲくん、地上げというバランスブレイカーな金策のためのツールがあるせいで、さしてイベントをこなさなくてもだけで容易にレベルが上がってしまうため、アドベンチャーの楽しみを削いでしまっているからです。アンバランスな成長要素は『龍が如く 維新!』(ありえないほど戦闘をこなさないと強くなれない)、『龍が如く 極』(どこでも真島)などにもあるのですが、いずれも勿体無いところです。

遊びづらいミニゲーム(ポケサー、キャットファイト、シューティング)が複数

 ミニゲームは時代を反映していて演出はいいのですが、遊びづらいものも目立ちます。ポケサーはミニ四駆のようなおもちゃで、環境にあったパラメーターをパーツユニットのデッキビルドでデザインするのですが、難易度が高すぎます。とにかくちょっとでもデザインに失敗すると完走すらままならないです。キャットファイトはじゃんけんによる勝負でトーナメントを進めるのですが、1プレイが長くかつ運要素が強いためイライラします。に両方継承されるのですが、ポケサーは改善せず、一方でキャットファイトは遊びやすくなりました。

 また今回は無印に倣ってシューティングゲームが本編終盤にあるのですが、例によってカスみたいな演出とレベルデザインで、最高難易度ではありえないくらい難しく鬼門となります。

総評

シリーズ最高のシナリオ

 極上のVシネマのような重厚なストーリーが楽しめるアドベンチャーゲームです。シリーズファンにはおすすめです

こんな人におすすめ

・箱庭探索ゲームが好き

・ストーリー性の強いゲームが好き

・Vシネマが好き

・錦山、真島、柏木といったサブキャラクターが好き

関連おすすめ作品

・『バイオハザード0』:シリーズのエピソード0

・『テイルズ オブ ヴェスペリア』:真島のように、過去のトラウマで冷徹なペルソナを纏ったキャラクターが登場。

・馬場監督『バブルへGO!! タイムマシンはドラム式』、乾くるみ『イニシエーション・ラブ』:バブルを描く作品

参考文献

コメント

タイトルとURLをコピーしました