クソゲーではないものの、微妙。『人喰いの大鷲トリコ』レビュー!!

ソニー
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始めに

 今回は『人喰いの大鷲トリコ』についてレビューを書いていきます。『ICO』や『ワンダと巨像』の上田文人が監督・ゲームデザインを担当したアドベンチャーゲームです。

独創性完成度快適さボリュームフィクションその他判定
64680良(32)

ゲームフィクション

あらすじ

 物語はオールドマンという賢人が語る、自身が少年時代に体験した出来事の顛末です。

 「少年」が目を覚ますと、見知らぬ洞窟にいました。少年の体には知らぬ間に紋様が描かれている上に、目の前には「トリコ」と呼ばれる「人喰いの大鷲」(現実世界の鷲とは似ていない、獣のようなフォルム)が鎖に繋がれています。戸惑いを覚えた少年ですが、トリコの怪我に気づき、介抱してやることにします。

焦点化される「少年」を通じて断片的な情報の提示

 この作品では焦点化がされる「少年」が見聞きしたことが物語られ、物語世界内の事実についてその全容を把握するために十全な情報が与えられるわけではありません。ロケーションとなる塔やタルの中身の正体について、その考察はプレイヤーに委ねられています。

独特な世界観とグラフィック

 犬と鳥を合わせたような「大鷲」の存在など、世界観は謎めいた雰囲気になっています。また独特の温かみのあるCGが魅力的です。またジョルジュ=デ=キリコのシュルレアリスム絵画のような、どこか不穏な空気を湛えたムードはなかなか惹かれる部分があります。

ゲームメカニクスについて

TPSアドベンチャー、不確実な挙動をするパートナー・トリコ

 この作品は『ICO』『ワンダと巨像』のようなTPSのアドベンチャーゲームになっています。そしてパートナーとなるNPCユニットとしてトリコという「大鷲」がいます。この「大鷲」のモーションやデザインは本当によく作り込まれていて、毛並みの鮮やかさもそうですし、本当にまるで生き物のような挙動をします。指示を出しても一様な挙動をせず、そうした不確実性がトリコの生物らしさを演出しています。

致命的に噛み合わない一本道のADVとトリコの不確実な挙動

 けれども、このゲームはアドベンチャーゲームとしては致命的な欠陥を抱えています。本作は完全に一本道なのですが、『Horizon Zero Dawn』にも似て、アイコンやグラフィック上でそれとわかる行き先のアフォーダンスのデザインが不十分で、それゆえ導線が洗練されていないのですが、それとトリコの不確実な挙動が合わさることで、プレイ中は終始イライラさせられます。「ここへは行けるのかいけないのかわからないけど、とりあえずトリコを誘導しよう」→「トリコが特に反応しないからいけないのか」→「実は行ける」みたいな経験が多いです。

 つまるところこのゲームの最大の欠陥は、トリコの不確実な挙動が一本道のADVの遊びと噛み合っておらず、むしろアドベンチャーゲームとしての遊びづらさを助長するだけなことです。たとえば『ドラゴンズドグマ』シリーズ(1{DA}.2)のようにオープンワールドとかだったら、癖の強いAIから遊びが派生したでしょうが、いかんせんリニアなADVと相性が悪いです。

 ゲームメカニクスとしてのデザインは失敗と評価しています。

総評

雰囲気ゲー。遊びの完成度は低い

 雰囲気ゲーといったところで、ムードやグラフィックはともかく、ゲームメカニクスのデザインとしての完成度、遊びの深さはイマイチです。

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