始めに
始めに
最近、シリーズの新作が話題になっていますね。ここで今回は名作『ペルソナ4』についてレビューを書いていきたいと思います
独創性 | 完成度 | 快適さ | ボリューム | フィクション | その他 | 判定 |
7 | 8 | 4 | 7 | 9 | 2 | 優(37) |
- ハイクオリティなBGM
- 優れたグラフィック周りの演出
- ダンジョンが相変わらず
ゲームフィクション
あらすじ
2011年4月11日。両親の出張で日本に残された主人公は、1年間だけ八十稲羽にある、母方の叔父である捜査課の刑事・堂島遼太郎とその娘・奈々子の家に居候します。転入した高校ではマヨナカテレビの噂が流れていました。雨の日の深夜0時、一人で消えたテレビを見つめると『自分の運命の人』が見える、というものです。
シュルレアリスム風味のサスペンス、『ツインピークス』『ケイゾク』『羊たちの沈黙』
この作品は、ユング心理学をテーマにするSFであるという点では『ペルソナ5』(R)と同じです。けれども若干設定が異なります。また都市伝説がテーマになっており、『ペルソナ2』を連想させます。シュルレアリスムを絡めたサスペンスに仕上がっていて、リンチ監督『ツインピークス』『ブルーベルベット』、『ケイゾク』、デミ監督『羊たちの沈黙』、LISシリーズ(1.2)、『アランウェイク』シリーズ(1[re].2)を思わせるサイコホラー風のムードです。
ミステリー的な要素はそこまででもないですが、なかなか引き込まれるドラマです。
大衆社会論
シュルレアリスムという芸術運動は既成芸術、ブルジョワ社会への異議申しだてとしてありましたが、この作品もそうしたモードを汲み、大衆社会がテーマになっています。「見たいものだけを見たいように見る」という大衆心理に争い、真理を追求しようと奮闘する主人公たちが描かれます。『ペルソナ5』(R)にも似たようなところがあり、自由を奪うことで実現する大衆のまやかしの幸福に対して、主人公は闘いを挑みます。
また敵として現れる重要人物も、大衆社会の権化のような、ただ承認欲求を拗らせ社会を憎むだけの人物です。ジョジョ四部の吉良吉影のような、俗っぽい小悪党ですが、生々しく印象的なキャラクターです。
鄙びた田舎とヒップホップ
この作品では寂れた田舎町を舞台にし、ヒップホップ系の楽曲が取り入れられています。『ペルソナ3』(P)がディスコ、『ペルソナ5』(R)がアシッドジャズなので差別化が図られ、独特のムードを演出します。入江悠監督『SR サイタマノラッパー』を連想します。
ロックカルチャーとしてはジョジョシリーズ(1.2.3.4.5.6.7.8)からの影響が顕著です。
追加シナリオ
Gでは新規に「道化師」「永劫」のコミュが追加。それに伴い、新キャラクター「マリー」が登場し、永劫コミュを担います。道化師コミュは足立透が担当し、掘り下げられています。
また3学期が追加されていて、ボリュームが増しています。
ゲームメカニクスについて
時間制限付きのアドベンチャー要素、ギャルゲー要素
『ペルソナ5 ザ=ロイヤル』の記事とカレンダー制によるアドベンチャー要素は共通です。しかし本作は天候の要素があり、天候に応じて日付の中で可能な行動やNPCの行動が変化します。
プレスターン、デッキビルド
『ペルソナ5 ザ=ロイヤル』と同様プレスターン制で、アルカナレベルをアドベンチャー要素で上げつつペルソナ合体でペルソナユニットのデッキビルドを行うのは共通です。
またP4ではペルソナ合体で継承できるスキルがランダムでしたが、本作はスキルカードで任意のスキルを継承できるようになり、遊びやすくなりました。
総評
P3のマイナーチェンジ。革新的な追加要素には欠く
前作P3(P)のマイナーチェンジでゲームメカニクスに革新性はないものの、ゲームフィクション部分は豊かな内容です。
関連作品、関連おすすめ作品
・『アストラルチェイン』:ジョジョシリーズフォロワー。
・『すばらしきこのせかい』シリーズ(1[FR].2):ヒップホップ、ティーン。