始めに
始めに
今日は『メタルギアソリッド2』についてレビューを書いていきます。MGSシリーズ(1.2.3.4.5)の2です。
独創性 | 完成度 | 快適さ | ボリューム | フィクション | その他 | 判定 |
7 | 8 | 4 | 7 | 6 | 2 | 良(34) |
- ゲームとしては完成度が高い
- マップも作り込みがすごい
- シナリオがグダグダ
- 謎の主人公チェンジ
ゲームフィクションについて
あらすじ
プロローグに当たるマンハッタン沖タンカー沈没事件から2年後の2009年。マンハッタン沖に建設された巨大海上除染施設「ビッグ・シェル」が、「サンズ・オブ・リバティ」を名乗るテロリスト集団に占拠されます。アメリカ大統領等を人質に取り、現金300億ドルを要求します。FOXHOUNDの新人隊員である雷電は、ビッグ・シェルへ潜入します。
ミームの専制に対する自由意志
この作品は、システムの進化、文化進化の基礎単位ミームが権力によって独占的に支配され、ミームの専制が展開される中、それに抗う自由意志を描きます。伊藤計劃『虐殺器官』と近いテーマと言えるでしょうか。
ミームの専制の中で、エージェントは認識を歪められ、自由が侵害されています。主人公・雷電はそうした苦境にあって、どう自己を確立するのでしょうか。MGSシリーズでは遺伝子の定める宿命に争ってあくまで一個の個人として戦うソリッド=スネークの姿を描きますが、雷電もそれと重なる孤独な戦いを展開します。遺伝子の論理とミームの専制に争う三人目のスネークと雷電の戦いが見どころです。
また黒沢清監督『CURE』のような、一人称的視点の不確かさをめぐるホラーになっています。
どんでん返しのバーゲンセール
この作品のテーマは面白いですが、脚本の水準は低いです。なぜかというと、とにかくどんでん返しのバーゲンセール状態です。『龍が如く5 夢、叶えし者』と近いんですが、伏線とかあんまりなく真相だけが二転三転して黒幕のまた黒幕のそのまた黒幕の….みたいな展開が続くので胃もたれします。一応テーマの設定とそれが矛盾するわけではないのですが、とはいえ大味です。
キャラクターの弱さ。主人公変更の意味
この作品は全体的にキャラクターが弱く、主人公・雷電も魅力に乏しく、後のシリーズでも若干不遇な印象です。というか特に登場させる必要性も感じないというか、シリーズの中で浮いてます。
ゲームメカニクスについて
ステルス、FPS要素、ホールドアップ、引きずる、ロッカー…
基本的に前作のシステムを踏襲しています。敵のモーションを見極め死角に潜り込み、キルや戦闘を避けるステルスアクションTPSです。今回は、一人称視点による銃の構え、ホールドアップ、敵の体を引きずって隠すなど、新しいアクションが追加されましたが、遊び心地としては前作とほとんど変わりません。あとロッカーに敵を隠したり、自分を隠せるようになりました。
格別新しい挑戦があるわけではないものの、自由度が増して遊びやすくなっています。
敵AIの強化
今回は、敵のAIが大幅に強化し、かなり人間臭くバリエーションに富んだモーションをするようになりました。敵の挙動や反応が本当にバリエーションに富んでいて面白いため、その行動パターンを観察しているだけでも楽しいです。
総評
関連作品、関連おすすめ作品
・『ヒットマン』リブートシリーズ(1.2.3):ステルスゲーム。