始めに
始めに
今日はMGS3リメイク発表を記念して『メタルギアソリッド4』についてレビューを書いていきたいと思っています。
独創性 | 完成度 | 快適さ | ボリューム | フィクション | その他 | 判定 |
7 | 7 | 3 | 5 | 6 | 4 | 良(32) |
- シリーズを完結させた
- 基本アクションがさらに完成
- 無理のあるシナリオ
- ムービーばかりでボリュームスカスカ
ゲームフィクションについて
あらすじ
オタコン、雷電と共にオルガの娘の捜索、愛国者達の調査を行っていたソリッド・スネークですが、ビッグ・ボスの遺伝子コピーにより生まれた影響で急激な老化が進んでいました。そのことからオールド・スネークと呼ばれていました。
2のビッグ・シェル占拠事件から5年後の2014年。スネークのもとに国連職員となった元FOXHOUND司令官ロイ・キャンベルが訪れます。そして「OUTER HEAVEN」を統率し、大規模な軍事蹶起を目論むリキッド・オセロットの暗殺を非公式に依頼します。
遂に完結するソリッド=スネークのドラマ。しかし…
これまで毎度のように無線で黒幕の存在を匂わせるなどして伏線回収が先送りになってきた本作ですが、とうとうソリッド=スネークを巡る因縁に終止符が打たれ、ソリッドの物語はここに完結します。完成度はともかく、一応伏線をあらかた回収してくれたことには感謝します。
けれどもここへきて一気に情報を詰め込みすぎた感じがひどいです。あと、3のメインキャラクターが事件の黒幕的な立ち位置として次々登場するのですが、設定矛盾も目立ち、無理やりな感じです。また、一個の作品としての物語の魅力がシリーズの伏線回収という目的のために犠牲になり、新キャラクターのボスたちはほとんど掘り下げもないまま死んでいきます。
美麗だがあまりにも多すぎるムービー
本作品は、ほとんどがムービーで、プレイアブルシーンは6~10時間くらいのボリュームです。ムービーの間に申し訳程度にゲームが挟まっている印象です。とにかくここへきて情報を詰め込みすぎたため、いろいろがアンバランスになっています。
ムービーやグラフィックはPS3のスペックを最大限生かした最高品質のものですが、そうはいっても退屈です。
新規お断り
また、本作は完全にシリーズ既プレイが前提で、そうでないと意味不明の内容です。意味不明のムービーをずっとみながら時々ゲームで遊べます。
ゲームメカニクスについて
ステルス、オクトカム
プレイヤーのモーションに関してはシリーズ(1.2.3.4.5)集大成で、アプローチに富み洗練されたデザインになっています。全体的なモーションのマイナーチェンジの他、オクトカムという、3のカムフラージュを強化したものが登場し、これがステルス難易度を大幅に下げています。
そうした基本的な部分のデザインは秀でていても、マップデザインの劣悪さ、ボリューム不足などで評価をさげているのは5と似ています。とにかく本編のボリュームが少なく、アクションを楽しめません。
ショップによるサバイバル要素の低下
今回はDPを消費してアイテムを購入できるようになり、サプレッサーも実質無制限につかえるようになり、従来の潜入サバイバル要素が激減しました。しかもこのショップはボスとの戦闘中も使えます。
総評
PS3のスペックを総動員しシリーズを完結させるために他の全てを犠牲にした作品
とにかくもう2,3作かけて完結すべき内容だったのを急にまとめたため、無理のある展開が多く、情報を詰め込みすぎな印象です。
関連作品、関連おすすめ作品
・『ヒットマン』リブートシリーズ(1.2.3):ステルスゲーム。
・伊藤計劃『メタルギア ソリッド ガンズ オブ ザ パトリオット』:本作のノベライズ