始めに
始めに
今日は『テイルズオブベルセリア』についてレビューを書いていきます。ゼスティリアの続編です。
独創性 | 完成度 | 快適さ | ボリューム | フィクション | その他 | 判定 |
7 | 7 | 3 | 7 | 8 | 5 | 優(37) |
- シリーズ最高のシナリオ
- アクションも安定
- キャラゲーとしての魅力
- 安っぽい絵作りと癖の強いキャラデザイン
- マップのクオリティ
ゲームフィクションについて
あらすじ
ミッドガンド聖導王国の辺境の村アバルにベルベット・クラウという少女が暮らしていました。彼女は義兄・アルトリウスと弟・ライフィセットと平和に暮らしていました。
しかし赤い月が上ったある夜、この村を魔物が襲います。それをしかけたのは義兄・アルトリウスでした。ベルベットは弟を失い、左腕は業魔を喰う魔の手となり、監獄島タイタニアに囚われます。
それから3年。ベルベットは聖隷シアリーズの協力を得てロクロウ、マギルゥと共に脱獄します。義兄への復讐心に駆り立てられたベルベットの物語が始まります。
シリーズ最高のシナリオ
本作は間違いなく、テイルズシリーズでトップクラスのシナリオです。その完成度は本当に圧倒的で、最後までやめ時を失いました。特にアバル帰郷からのエピソードは秀逸で、大変引き込まれました。テイルズシリーズというと、本作の(時系列的な続編で)前作にあたるゼスティリアなど、変に捻った衝撃作っぽい設定や厨二設定が滑っていて倫理的に薄気味悪くかつ陳腐なシナリオになってしまうことも(ゼスティリアはそのワーストですが)多く、また後半失速することもしばしばありますが、本作のシナリオは素晴らしいです。
伊藤計劃『ハーモニー』にも似た、不正義な秩序に抗う個人の物語で、とにかく一人一人のキャラクターが魅力的でドラマと厚みがあり、キャラゲーとしての完成度が随一です。ジョージ秋山や鬼頭莫宏(『ぼくらの』)的な、ヘビーなエンタメの最高峰です。
演出はアライズに劣る。キャラデザも賛否分かれそう
演出面は流石にアライズと比べると見劣りしますが、時期的、ハード的制約を考えると致し方ないところです。ただそれにしても絵作りがちょっと安っぽい印象を受けてしまいます。
あとベルベットの服装も露出狂のようで、ちょっと痛くて恥ずかしいです。全体的にキャラデザはクセが強いかもです。
ゲームメカニクスについて
戦闘
基本
本作はマップが三次元的な傾向を強め、これまでのライン上の動きがなくなり、普通の操作がフリーランになりました。シンフォニアから導入された3Dフィールドでしたが、アビスでフリーランが導入されて3次元の移動が可能になり、本作から普通の3Dフィールドになった感じです。
ソウルとブラスト
今作のシステムではソウルとブラストゲージを消費して行動を取れます。ソウルは敵をスタンさせる、倒す、状態異常付加、ジャスト回避成功などで相手から奪うことができます。ソウルを消費して術技を連携させられるほか、ブレイクソウルを発動して相手にソウルを付与しつつ強力な攻撃を使うことができます。ブレイクソウルを通じてブラストゲージを蓄積させられます。ブラストゲージの消費で秘奥義や、スイッチブラスト(戦闘中に控えメンバーとチェンジ)を発動できます。
本作で求められる立ち回りは、ソウルを0にならないように術技を連携させながらスタンやバステ付与したりジャスト回避したりしつつ、ブレイクソウルで相手を倒しBGを貯めて秘奥義を発動する、といったものです。DMC5のV操作のような、戦略的なゲージ管理が肝要です。ソウルがアクションリソースで、これを効率よく相手から奪うためにはソウルを0にしないことが肝要ということです。
アライズと比べると、雑魚狩りはアライズの方が楽しいけれどボス戦はこちらの方がヴェスペリアなどのように能動的に攻められて楽しいかもです。
総評
ストーリーは文句なしに最高傑作、システムも最高峰
ストーリーは文句なしにシリーズ最高です。システムも最高峰でアライズにも劣りません。おすすめ。