始めに
始めに
今日は『Fallout4』についてレビューを書いていきます。
独創性 | 完成度 | 快適さ | ボリューム | フィクション | その他 | 判定 |
7 | 7 | 3 | 9 | 7 | 2 | 優(35) |
- 基本的な部分はマイナーチェンジ成功
- クラフトがひどい。新要素は不発気味。
- クラフトのゲームバランスブレイカー具合
ゲームフィクションについて
あらすじ
2077年10月23日、ボストンのサンクチュアリ・ヒルズに住む若いエンジニア夫婦の元にVault-Tec社からの使者が現れます。付近に設置された地下シェルターVault 111への入居が一家全員に認められたという通知でした。その直後、アメリカ本土への核攻撃のニュースが流れ、夫婦は赤子を連れVault111に避難します。Vault-Tecのスタッフから身体検査という名目でそれぞれにカプセルへ入るよう指示を受け、赤子は主人公ではないパートナーとカプセルに入ります。カプセルは冷凍装置で、そこで意識を失います。
ある日、外部からの操作によって一時的に冷凍冬眠が解除されます。謎の男が率いる一団は主人公のパートナーと共にいる赤子を奪おうとし、それに抵抗したパートナーを銃殺します。赤子は奪われ、再び冷凍冬眠に入ります。
2287年10月23日、冷凍冬眠装置のエラーで主人公はカプセルから脱出します。パートナーに仇討ちと赤子を救うことを誓います。
レトロフューチャー
本作もシリーズの特徴とするレトロフューチャーな世界観で『バイオショック』シリーズ(1.2.in)と共通します。ハードが移り、グラフィックもより美麗になりましたが、ややマンネリの感じがあり、ゲームフィクション部分だけでなく、ゲームメカニクスのデザインに関してもそんな印象を受けます。マイナーチェンジには成功しつつ、革新的な変化を遂げられないでいるもどかしさを感じます。
主人公の設定について
本作は主人公のデフォルトの設定が希薄で、プレイヤーの選択によってその性格や信念に陰影が与えられていくという感じですが、今回は先述の通り、主人公に割とかっちりした設定とモチベーションがあります。この辺に関しては賛否が分かれるところでしょうか。
ゲームメカニクスについて
FPS,TPS,VATSシステム、コンパニオン
本作も3同様のシューターとなっており、前作から導入された「V.A.T.S」が再び導入されています。これは『戦場のヴァルキリア』シリーズ(1.2.3.4)にも似た秀逸なデザインのメカニクスで、リアルタイムアクションのシューターとコマンド式RPGを合わせたものでした。リアルタイムアクションとコマンド式ターン制RPGの併せというと7リメイク、LRなどを連想とさせますが、それとも重なります。
「V.A.T.S」はリアルタイムのシューターに加えて、APを消費して行うコマンド式アクションが設定されています。V.A.T.Sを展開するとユニットの時間がスローになり、この時APを消費して、相手の特定の部位を選択して攻撃できます。部位にはそれぞれ命中率と推定ダメージが表示されます。これによってエイムが苦手な人でも楽しめるようになっていますし、得意な人はバリバリシューターとして楽しむことができます。本作もこのシステムの面白さは健在です。
また仲間NPCを追従させて戦闘に参加させられます。
クラフト
本作は主な追加要素として、クラフトが加わりました。これは『マインクラフト』や『ドラゴンクエスト ビルダーズ』シリーズ(1.2)のようなサンドボックスゲームで、クラフト、エコノミー、ワーカープレイスメント要素が肝となります。このクラフトの完成度が非常に低く、効率プレイを志向すると各拠点に貯水施設を大量に設置するのが最適解となり、満足度など多くの指標が形骸化しているのみならず、クラフトのUIも洗練されておらず遊びづらいため、一般的なサンドボックスゲームのような自由度がありません。ちゃんと遊びたければMODを使えという意図なのかもしれませんが、とにかくクラフトは大味です。
オープンワールドがマンネリとなるので新規な挑戦としてクラフトを取り入れたと思うのですが、とにかくクラフト要素は浮いていて、オープンワールドと有機的に噛み合っていないです。MGS5と近いですが、基礎的な土台のマイナーチェンジにはシリーズの積み上げが見えても、新しい挑戦には滑っています。『Starfield』ではだいぶ改善されてます。
総評
佳作だがマンネリ。新要素は失敗
佳作で前作からのマイナーチェンジに成功している部分もありますが、新要素は失敗してます。正直ベセスダはスカイリム(SP)、FO3がピークであの感動と新鮮さをずっと超えられずにいます。
関連作品、関連おすすめ作品
・『マスエフェクト』シリーズ(1.2.3)、『バルダーズ=ゲート3』:インタラクティブ性の強いストーリー
・『RoboCop: Rogue City』:ゴア表現。レトロフューチャー。
・『テラリア』『ドラゴンクエスト ビルダーズ』シリーズ(1.2):サンドボックスゲーム