始めに
始めに
『バイオハザード リベレーションズ』についてレビューを書いていきます。
独創性 | 完成度 | 快適さ | ボリューム | フィクション | その他 | 判定 |
6 | 8 | 4 | 9 | 6 | 2 | 優(35) |
- ハクスラのクオリティ
- そこそこのクオリティのキャンペーン
- 周回するとノイズになる要素
- サスペンスっぽいストーリーでバイオらしさが微妙
ゲームフィクションについて
あらすじ
世界的製薬企業『アンブレラ』の崩壊から1年後の2004年。最先端の技術を結集して建造された地中海の海上都市「テラグリジア」で、大規模なバイオテロが発生しました。テラグリジアの開発に反対していたテロ組織「ヴェルトロ」が、ウイルステロを起こしたのでした。アメリカの対バイオテロ部隊「FBC」がNGO団体「BSAA」のサポートを受けて対処にあたり、FBC長官のモルガン・ランズディールは、BSAA代表のクライヴ・R・オブライエンの反対を押し切り、太陽光集積システム「レギア・ソリス」を兵器に転用して都市もろとも感染を焼き払う滅菌作戦を決行。この作戦によりテラグリジアは崩壊します。後にFBCによってヴェルトロの掃討作戦が行われ、事態は終息します。この一連の事件は、人々から「テラグリジア・パニック」と呼ばれました。
2005年。ヴェルトロが復活しているとの情報がBSAAにもたらされ、BSAA隊員のクリス・レッドフィールドとジェシカ・シェラワットが調査のため、ヴェルトロの拠点があるという北欧の雪山に向かいます。同じころ、ジル・バレンタインは、同僚のパーカー・ルチアーニと上司のオブライエンと共に、海岸で謎の漂着物の調査を行っていました。オブライエンに連絡が入り、ヴェルトロの調査に向かったクリスとジェシカからの通信が途絶えた旨を知ります。オブライエンはジルとパーカーに、クリス達を捜索するよう指示を出します。
ハリウッド映画、海外ドラマ的演出
本作はハリウッド映画、海外ドラマ風の演出が取り入れられ、チャプターをまたぐごとに次回予告、前回のあらすじが入ります。シナリオに関しては『バイオハザード6』にも似て、複数の主人公を焦点化することによって、断片的な情報をプレイヤーが繋ぎ合わせ構造化していくデザインになっていて、MGSシリーズ(1.2.3.4.5)にも似た複雑なプロットが見どころです。
伏線はしっかりしていますが、ただ『バイオハザード』シリーズ(1{リメイク[HD]}.2[RE2].3[RE3].4[RE4].5.6.7.8.リベ[アンべ].リベ2.0)に期待しているものとはちょっと違うような気がしなくもないです。
豪華客船を主な舞台にするゴシックホラー、海洋生物
『バイオハザード5』がロケーションが明るく怖くなかったこともあってか、本作は閉鎖的な豪華客船が舞台になっていて、怖いパートもあります。けれども『バイオハザード5』のような、明るいロケーションでのB級映画風の展開は結構多いので、全編がゴシックホラー的ムードなわけではないです。この点は続編の『バイオハザード リベレーションズ2』の方が好きです。
本作は海洋生物がクリーチャーのモチーフで、ラブクラフト作品を連想します。この路線は『バイオハザード6』にも踏襲されます。
ゲームメカニクスについて
TPSアドベンチャー、ビルド
本作も『バイオハザード4』(『RE:4』のオリジナル版)以降の、プレイヤーキャラクターの背後が死角になるTPSになっています。4以降迷走が長いシリーズ(1{リメイク[HD]}.2[RE2].3[RE3].4[RE4].5.6.7.8.リベ[アンべ].リベ2.0)ですが、本作はその中でも完成度は比較的に高いです。
まずキャンペーンもレイドモードも武器のカスタマイズによるデッキビルドの自由度が高く、アプローチが豊富です。『バイオハザード6』ではスキル制という最悪のシステムが導入され、カスタマイズの自由度が皆無でしたが、本作は色々なチューニングによってやり込みを楽しめます。
体術は『バイオハザード4』に近いですが、敵は怯みにくいのでなかなか体術を決めづらいです。あとジャスト入力による緊急回避が導入されています。これは『バイオハザード3』(『RE:3』の原作)からあったもので、リベレーションズ2にも継承されますが、そちらでは任意のタイミングで回避アクションが使えます。
クリーチャーもリベレーションズ2のグラスプのような凶悪なクリーチャーはおらず、安定しています。
レイドモード
本作の最良の部分はやはりレイドモードでしょう。従来のマーセナリーズのようなミニゲームですが、こちらは育成要素、ハクスラ要素、デッキビルド要素が強く、ボリュームが圧倒的です。『ボーダーランズ』シリーズ(1.2.3)、『ディビジョン』シリーズ(1.2)、『レムナント』シリーズ(1.2)に近いですが、シューターとハクスラ、デッキビルドを合わせた感じです。
各ステージには『ディアブロ』シリーズ(1.2.3[EC].4)のようにランダム配置のアイテムがあり、それを組み合わせてプレイヤーは任意のデッキを構築できます。複数いるプレイアブルキャラクターにそれぞれバリアブルアクションがあって、深い遊びが楽しめます。ステージも質、量ともに優れています。リベレーションズ2はこのモードが劣化しているので、やや評価を落としました。
関連作品、関連おすすめ作品
・『仁王』シリーズ(1.2)、『ボーダーランズ』シリーズ(1.2.3):ハクスラの良作。