クソゲーとは言わないがファンサが滑り気味。『龍が如く 極』レビュー!!

セガ
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始めに

始めに

『龍が如く 極』レビューを書いていきます。リメイクとしての完成度は低いです。

独創性完成度快適さボリュームフィクションその他判定
664660良(28)

ゲームフィクションについて

あらすじ

 親友・錦山彰と由美のために親殺し(組長殺し)の罪をかぶり、刑期を終えて神室町に戻ってきた桐生一馬は母を捜す少女、遥と出会います。彼女は、桐生が所属していた関東最大の広域暴力団「東城会」の行方知らずの100億円の鍵を握るといわれ、様々なヤクザ勢力に狙われていました…。

蛇足気味な新シナリオと滑り気味なファンサービス

 本作は『龍が如く』(05)のリメイクです。シナリオは原作に準拠しますが、新たに親友・錦山彰の変節のプロセスが描かれるようになりました。しかしこのエピソードは完全に蛇足で、既存キャラクター(風間、柏木)の株を下げるだけのものになっています。

 そもそも『龍が如く』シリーズ(0,1[].2[極2].3.4.5.6.7.8.見参.維新.北斗.7外伝)は、1作目は監修が馳星周(『不夜城』)であるなど、フレンチ・香港ノワールの影響が顕著でした。ウォン=カーウァイ(『恋する惑星』)のような香港ノワールがフレンチノワールから継承するウェットな男の裏切りのドラマを馳星周も受け継ぎ、そうしたエッセンスは初代『龍が如く』にもあります。けれども、規制の都合もあるため、あんまりインモラルな世界や主人公は描けないことから、桐生一馬はノワールよりも東映任侠映画のような、理想主義的なアウトローで正義感の強い男として当初から設定されました。そこから次第にシリーズの路線も(特に3あたりから)Vシネマ、チャンピオン不良マンガ(『クローズ』)のような、相対的には明快な心理的合理性に主人公たちがドライブされて行動する、勧善懲悪の活劇になりました。

 一作目はフレンチノワールのモードに従うので、錦山の変節も各自が行間を読めばよかったのですが、当初からそれは説明不足とも批判され、0で錦山が描かれたこともあって、本作で錦山の過去が描かれました。しかしこの新エピソードは、風間新太郎や柏木が組長殺しの真犯人が誰であるかを前提としたところで行動しない(伊達さんですら桐生は犯人ではないと気づいているのに)ため、錦山の心情を捉え損なって転落させてしまうという内容になっていて、単に胸糞悪いだけです。

真島のバーゲンセール

 本作は全体的にファンサービスが滑っているのですが、その最たるものが真島吾朗の扱いです。真島はシリーズで1.2を争う人気キャラクターで、3で正義漢としての設定が定まるまでは我が道を行く狂気のトリックスターのようなデザインでした。本作における真島にまつわる新旧のエピソードは、3以降の真島と1作目の狂人風の真島が混同していて、キャラに一貫性がありません。しかも新エピソードを踏まえて旧エピソードを修正していないため、新エピソードでさっき会ったのに「久しぶり」と旧エピソードでは言ってくるなど、いい加減な部分が目立ちます。

 真島は人気で魅力的なキャラクターとはいえ、こういうゴリ推しのような描かれ方をしていると、ファンもゲンナリすると思います。

ゲームメカニクスについて

スタイルチェンジのバリアブルアクション

 本作は0から取り入れられたスタイルチェンジによるバリアブルアクションがあります。バリエーションはラッシュ、チンピラ、壊し屋、堂島の龍です。0で猛威を振るった異様な強さの壊し屋(パワータイプ)が大幅に弱体化し、今度は型にハマれば強いくらいで格下相手の無双もできず、ほとんど使い所がなくなりました。

 一方でラッシュ(スピードタイプ)は手数が増えてガードでモーションキャンセルされにくくなり、乱戦も捌けるようになりました。しかしボスが異様に硬いデザインになっているため、ボス戦では使いにくく、チンピラ(バランスタイプ)か堂島の龍(バランスタイプ)を使うことになります。チンピラは0から安定の使いやすさです。堂島の龍は最初は弱いのですが、鍛えるとタイマンでは最強になります。

シリーズワーストクラスの戦闘と育成のバランス

 本作の戦闘は6にも引けを取らないくらいバランスが悪いです。まず第一にボスが異常に固く、AIもめちゃくちゃ優秀です。避けまくるし、当たっても全然ダメージが入りません。まるで『ダークソウル』シリーズ(1.2.3)のように、ちょこまか攻撃を避けながらチクチクボスを殴る桐生にシュールな笑いが生まれます。

 その割に今作は「堂島の龍」限定アクションのカウンター技「虎落とし」があり得ないレベルの攻撃力になっていて、スタイルを鍛えると序盤のボスなら一撃で倒せるくらいになります。壊し屋の産廃化、敵の異常な強化によって、本作はプレイヤーのボスへの有効なアプローチが「虎落とし」一択になり、維新ロストジャッジのようなバリアブルアクションにおける豊富なアプローチを楽しめる魅力が皆無になっています。

 また、本作は「どこでも真島」というアドベンチャー要素が追加され、フィールドを歩いていたり特定場所に到達すると真島との戦闘になったりします。そして真島とのイベントをこなし好感度を上げていくと「堂島の龍」の強化制限が解けていくというデザインになっています。これが曲者で、まずこの真島イベントでは異常な量の経験値が入るため、レベル上げはこれの利用一択で、アドベンチャーのリターンによる楽しさを殺す点で0のカツアゲくんと似ています。また、桐生を鍛え終わっても「どこでも真島」という一連のサブイベントは一度始まると最後まで終わらないので、『ジャッジアイズ』の京浜同盟のようなフィールド探索を阻害する要因になっています。

アドベンチャー要素は小規模

 本作はアドベンチャー要素だけは「どこでも真島」を除くとほとんど箱庭探索要素のボリュームにオリジナルから変化がないです。なので5以降の大ボリュームの『龍が如く』を期待するとがっかりします。

0から一部ミニゲームを継承し、キャットファイト(じゃんけん)は『メスキング』というものになって遊びやすくなっていて演出も楽しい一方、ポケサーは難しく遊びにくいままです。0からマイナーチェンジに成功しているのがキャットファイトだけなのは笑えます

総評

0のマイナーチェンジで無印リメイクのはずが…

 0のリソースを使い回しそのマイナーチェンジで無印をリメイクしている感じですが、0から悪くなっている点が多く、リメイクとしてあまり評価できません。

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