意味不明な『キングダムハーツ3』レビュー!

スクエニ
この記事は約9分で読めます。

始めに

始めに

『キングダムハーツ3』についてレビューを書いていきます。

独創性完成度快適さボリュームフィクションその他判定
674772良(33)

  • カジュアル操作で楽しい演出
  • 素晴らしいロケーション
  • 意味不明なシナリオ
  • 広く浅くなアクション

ゲームフィクションについて

あらすじ

 前作までの「キングダムハーツ」をめぐる戦いが、キーブレード戦争を引き起こそうと目論むマスターゼアノートの思惑通りだと知ったソラたち。闇の勢力に対抗すべく、目覚めの力を取り戻すための旅に出ます。一方、王様(ミッキー)とリクは歴戦のキーブレード使いの居場所を探します。

意味不明なシナリオ

 本作品のシナリオは致命的なまでに意味不明です。難解さの路線としてはFF13シリーズ(1.2.3)と近く、独自の用語が何の説明もなく次々と飛び出し、会話もみんなそれを知っている設定で展開されるので、徹頭徹尾新規を置き去りにします

 このシリーズはナンバリングタイトル以外も実質ナンバリングタイトルで、それらを全部消化していかないと理解できないように設定され、また全部消化していないで「意味不明」と言うとファンからお叱りを受けるのですが、そもそもシリーズ全作品のプレイを当たり前のように前提とするドラマになっている方が普通におかしいです。

 例えば映画で言ったら『アベンジャーズ』シリーズとか、かなりの数のアメコミ映画、漫画を消費していないとキャッチアップし楽しむのが難しい作品もありますが、ゲームと映画では一作の消化にかかる時間と労力が段違いなのに、10作前後の作品を遊んでいないと理解できないシナリオは無理がありすぎます。ぶっちゃけ7リバースが神ゲーなのに爆死したのは、売る側がここを弁えていないからだと思います。

グラフィックは素晴らしいが、ディズニーファンのニーズに応えられていない

 このシリーズのよくわからないところは、ゲームメカニクスのデザイン、UIなどのインターフェースがシンプルでどう考えても普段ゲームにあまり親しまない、あるいは経験値の少ないディズニーファンの女性、低年齢層向けにデザインされているのにも関わらず、そうしたカジュアルなゲームプレイを阻害するような形で異常に複雑なストーリーが展開されているところで、こんなゲームは他にありません。MGSシリーズ(1.2.3.4.5)も近いところはありますが、あれはもともとゲーマー向けの作品です。

 たらればの話ですが、もっとストーリーがシンプルで、ただディズニーの世界を巡っていくだけだったら、圧倒的なロケーションの完成度で、ディズニー世界をプレイヤーの身体の延長、鏡像としての主人公を操作して動き回れるという快楽を、多くのディズニーファンが享受できたでしょう。

ダークシーカー編完結

 そんな複雑なストーリーは実際これまではシリーズ全作履修済みのファンからも批判されてきており、もう少しシンプルなストーリーで新規の間口を広げてほしいというニーズはいよいよ増してきていました。そんな中、本作品は「ダークシーカー編」完結を謳い、そもそも「ダークシーカー編」と銘打った作品がないためそれが何のことなのかは誰にもわからない中、主人公ソラの物語に一旦区切りが付けられて、シンプルな物語シリーズとしてリブートするのではないかという淡い期待を多くのファンが抱いていました。しかし蓋を開けてみると、本作で決着したのはゼアノートというキャラクターの物語が終わったくらいのことでした。

 今後もシリーズはこの路線で行くのかと不安で仕方ありません。

ゲームメカニクスについて

リアルタイムアクション(シュートロック、シチュエーションコマンド、キーブレード変形)

 本作品もシリーズ作品同様、カジュアル操作で派手な完成度の高い演出を楽しむことができます。たたかう、まほう、アイテム、リンク(召喚)というリアルタイムでのシンプルなコマンド入力でアクションを発動できるのはいつも通りです。

 本作はロックオンから派生するシュートロックというアクションが追加されました。シュートロックによる攻撃を「シュートフロー」と呼び、他にロック先に移動するシステムを「アスレチックフロー」と呼びます。また、シチュエーションコマンドという、連続攻撃などに成功して蓄積するゲージを消費して発動する強力なコマンドがあります。

 
 本作ではまた各キーブレード(装備)毎にフォームが用意されています。大半のキーブレードは変形機能を有しており、シチュエーションコマンドとして発動します。パワー型、スピード型、遠距離型、広範囲攻撃型などバリエーションが豊富で飽きさせません。

 ただシリーズ恒例ですが、アクション部分は広く浅くなデザインで、深い遊びはありません。龍が如くシリーズ(0,1[].2[極2].3.4.5.6.7.見参.維新)の戦闘に似て、カジュアルにマイルドな難易度で洗練された演出を楽しむタイプのデザインです。

関連作品、関連おすすめ作品

・『すばらしきこのせかい』シリーズ(1[FR].2):ノムリッシュ(?)

 

You cannot copy content of this page

タイトルとURLをコピーしました