良作。『JUDGE EYES:死神の遺言』(ジャッジアイズ)レビュー

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始めに

始めに

『JUDGE EYES:死神の遺言』についてレビューを書いていきます。

独創性完成度快適さボリュームフィクションその他判定
74881優(35)

ゲームフィクションについて

あらすじ

 2015年。神室町の源田法律事務所に所属する弁護士の八神隆之は、ある殺人事件の容疑者・大久保新平の刑事弁護を担当。その裁判で、八神は見事に無罪判決を勝ち取り、敏腕弁護士として一躍時の人となります。ところが大久保が、釈放直後に同棲中の恋人・寺澤絵美を惨殺し、住んでいたアパートに放火します。大久保は再逮捕され、裁判で死刑判決が言い渡されます。この一件で、世間からの八神への評価は一転。それ以降、八神が法廷に立つのをやめます。

 3年後の2018年12月。八神は弁護士を辞めて神室町で探偵事務所を開業し、元極道の海藤正治と共に、探偵兼便利屋として生活していました。神室町では、東城会の三次団体「松金組」と関西から進出してきた「共礼会」の抗争が始まっていました。そんな中、共礼会の組員3名が相次いで殺害される事件が発生。被害者は皆両眼を抉られていました。

リーガルサスペンス

『HERO』シリーズでお馴染みのキムタクが主演を務める本作品は、一応リーガルサスペンス風味ですが、『龍が如く』シリーズとの差別化はあまりうまくいっておらず、よくも悪くも『龍が如く』な本作です。

 個人的な印象としては、桐生一馬という主人公に既におよそ葛藤がなくなっていたこと、また規制の都合からヤクザ主人公は危ういことなどから、『龍が如く4』から主人公交代の構想が現れつつも6まで桐生が続投され、からの秋山駿をベースに作られたややスタイリッシュなトラブルシューターものの路線が本作、の品田辰雄をベースに作られた人情活劇が以降の春日一番の物語だと思っています。

超展開は目立ちつつ、熱く切ないシナリオ

 弁護士+探偵+格闘技と設定を盛りまくりな本作の八神ですが、法廷ものというにはあんまり話がとんでもない感じで、あくまでも法廷要素は味付け程度で、いつもの『龍が如く』シリーズ(0,1[].2[極2].3.4.5.6.7.見参.維新)風の無国籍活劇です。その意味では魅力的なキャラクターに彩られた熱く切ないシナリオに仕上がっています。

 ロストジャッジでは法廷要素というか「弁護士として八神がどう生きるか、戦うか」という主題はさらに希薄になって、探偵ものとしての色彩が強くなります。

ゲームメカニクスについて

スタイルチェンジ復活

 戦闘は『龍が如く 極2』のさらなるマイナーチェンジで、一閃(タイマン向け)、円舞(集団戦向け)というスタイルチェンジによるバリアブルアクションがでなくなって以来、久しぶりに戻ってきました。

 維新のような例外をはらみつつ、スタイル間のバランスが悪い(では壊し屋最強、は堂島の龍最強)ことで知られる『龍が如く』シリーズ(0,1[].2[極2].3.4.5.6.7.見参.維新)のスタイルチェンジですが、本作も実際バランスが悪く、一閃が強すぎる一方、円舞はガードクラッシュ性能が低く、集団戦でもほとんどガードされてモーション中断させられるため、使う場面が少ないです。

 それでも極2よりは有効なアプローチが増えて戦闘は楽しくなっています。また本作のマイナーチェンジ版のロストジャッジは維新くらいスタイル間の調整に優れています。

探索要素が縮小

 本作品はシリーズ(0,1[].2[極2].3.4.5.6.7.見参.維新)伝統の箱庭探索要素のボリュームが大幅に縮小しています。まず『北斗が如く』以来のエリアが一つ(神室町)のみです。ナンバリングではエリア一つの作品は初代(も)、くらいで、外伝作品では手抜きのOTEはともかくとして、見参、維新などは一から丁寧にマップを作っていたので仕方ないですが、極2から流用する方法があったにもかかわらずエリア一つなので寂しいです。もマップは一つとはいえ4人の主人公という新しい挑戦がありましたが、本作は主人公のバリエーションをチェンジしただけで、アグレッシブな挑戦には乏しいです。

 サブイベントの質と量はいつも通り安定しています。

全体的に探偵要素、法廷要素をアドベンチャー要素、ミニゲームにうまく落とし込めていない

 本作品は八神の探偵設定にちなんで尾行、変装、ピッキング、サムターン、チェイス、鍵合わせなどのミニゲームやギミックが加わりましたが、いずれも出来が悪いです。尾行は一応ステルスですが、ただ物陰に隠れつつ視界に入らないようにするだけで、「待ち」の時間が長く、プレイヤーが能動的なアプローチをなんらできないためイライラします。変装はたまにフラグのためにコスチュームを変更させられるという本当にそれだけです。またドアを開ける時にいちいち挟まるピッキングはアナログスティックで特定の場所へ針を操作するイライラ棒を強いられる内容で、失敗すると最初からやり直しなうえ、判定がシビアです。サムターンも似たようなアナログスティックで特定の場所へカーソルを運ぶルールでシビアです。『龍が如く3』から加わり毎度不評なチェイスはただ障害物を避けながら駆け抜けるだけです。鍵合わせは神経衰弱みたいな感じで、鍵穴にあったキーホルダーの中のキーをちゃんと覚えておいていちいち選ぶのをなぜかミニゲームにした内容です。

 あと探偵、法廷パートでナラティブチョイスで適切な問いや証拠品を突きつける劣化『逆転裁判』シリーズ(1.2.3)(123)みたいな要素がありますが、なんのペナルティもないためほぼ形骸化しています。ロストジャッジでは成功すると経験値ボーナスが入るようになり、若干嬉しい調整となりました。

その他悪質な要素(京浜同盟、ドローンレース)

 極のどこでも真島をさらにひどくしたような京浜同盟という敵が登場しました。ざっくりいうと、かなりの頻度でボスキャラクターが探索エリアに登場し、しかものカツアゲくんや極のどこでも真島と違って倒してもほぼリターンはなく、倒さないとメールで嫌味を言われるという劣悪なデザインです。

 おまけに本作はボスの危険攻撃など、一部の攻撃が「致命傷」扱いで、受けたダメージが特定の場所でしか入手できないアイテムなどでしか回復できず、そのためそれがさらに京浜同盟を厄介な存在にしています。

 ドローンレースが追加され、これは上下左右前方と自由に動かせるドローンを操るレースゲームで、モーションの完成度は高いものの、ステージのデザインが異様に緻密な操作を強いてくる、対戦相手が強い、などの理由でかなり難易度の高く遊びづらいミニゲームになっています。

 ちなみにロストジャッジでは両方改善されます。

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