人を選ぶ神ゲー。『デビルメイクライ5』レビュー!

カプコン
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始めに

始めに

今日は『デビルメイクライ5』についてレビューを書いていきます。

独創性完成度快適さボリュームフィクションその他判定
994872優(39)

ゲームフィクションについて

あらすじ

DMC4』より数年。「悪魔の右腕」を持つ青年ネロ故郷フォルトゥナで便利屋を営んでいました。恋人のキリエや悪友ニコと穏やかな日々を過ごしていたところ、謎の男ユリゼンに襲撃され、全身の魔力と右腕もろとも魔具の閻魔刀を奪われます。

 5月3日、伝説のデビルハンターのダンテはフォルトゥナから離れた都市で何でも屋「Devil May Cry」を営んでいました。事務所に、情報屋のモリソンが大仕事を持ちかけます。依頼人である謎の男Vは、ダンテに強大な悪魔の復活を告げ、ダンテは迷わずその依頼を引き受けます。

 5月16日、地方都市レッドグレイブに突如出現していた魔界樹クリフォトのもとに、腕を奪われたネロやユリゼンと因縁を持つダンテ、V、そしてダンテのパートナーであるレディとトリッシュがユリゼン討伐のためにレッドグレイブへ向かいます。しかしその圧倒的力を前に敗北、ダンテはネロとVを逃すために身代わりになります。どうにか逃げ切ったネロは、共に生還したVに新たな力を身につけろ助言を受けます。ネロは「新たな力」を求めフォルトゥナへ、Vはレッドグレイブの人々を救うために残ります。

 6月15日、奪われた右腕の代わりに義手型兵装を新たな力として身に着けたネロは相棒ニコと共にレッドグレイブへと舞い戻ります。

スタイリッシュ

 本シリーズ(1.2.3.4.5)はスタイリッシュアクションと言われ、全体的にジョン=ウー(『フェイス/オフ』)の香港ノワールや広江礼威作品からの影響が顕著で、スローモーションや二丁拳銃による演出が見えます。

 ダサカッコいいというか、キッチュな外連みで魅せてくれます。

演出やシナリオは失敗

 本作品は新キャラクターであるVなどは魅力ある存在ではありますが、シナリオが全然ダメです。

 その全然ダメというのが、ベタでダメというのではなく、映画でいうとブライアン=デパルマ監督作品、『デッドプール』(2016)みたいな感じで、フラッシュバックによる演出とか無駄に捻って凝っているのだけれど、ただ話がわかりにくくなっているだけで全く効果的ではなく、しかもプロットの作りもベタで意外性がなく退屈です。よく映画研究会とかでヌーヴェルバーグなど芸術映画にかぶれた人の作品がこうなるんですけれど、技巧が無駄にうるさいのだけれど変に捻くれているからベタな盛り上がりもなく、しかも斬新なことをやっているつもりで存外ベタ、みたいな残念なところへ着地しています。

 シナリオに関しては『ベヨネッタ2』に全然劣ります。

ゲームメカニクスについて

戦闘

シリーズの変遷

 DMCシリーズ(1.2.3.4.5)といえば(3からは特に)、社会人がたまの休みにやるには絶対に無理のある圧倒的に複雑な操作をハイスピードでこなし、高速で動き回る画面内のあらゆるエネミーやオブジェクトに気を配りミスなく立ち回ることが強いられるため、ある程度キャラクターを動かせるようになるまでには相当時間のかかる作品として知られています。

 ただ本シリーズ(1.2.3.4.5)はクリアするだけならソウルシリーズ(1.2.3)などよりずっと簡単で、なぜかというと低難易度やオート操作やゴールドオーブなど、初心者向けの救済処置が充実しているからで、初心者がガチャプレイで楽しみたかったらそれで遊んでね、でもそれだとまだ全然キャラクターを操作できるようにはなってないからね、みたいなデザインです。兄弟のような作品である『ベヨネッタ』シリーズ(1.2.3)の方がずっとカジュアル操作で間口が広いので余計に敷居の高い印象が我々ヌルゲーマーにはあります。

 3でスタイルが取り入れられ、いよいよダンテ操作が複雑になったのを踏まえ、DMC4では新たにネロというキャラクターが登場。コンボを決めなくても一発の威力が高く、ダンテよりも立ち回りが忙しくないため、相対的に初心者向けのキャラクターとして登場しました。上級者は圧倒的な手数の多さのダンテでも楽しめつつ、初心者はお手軽操作でガンガン戦えるネロで楽しめる、みたいなバランスのW主人公でした。

3ユニットの特徴

 本作はVという更なる新キャラクターが登場し、主人公は三人になりました。印象としては、本作のVは一見すると癖が強いものの、やることやできることが少なくDTにあたるナイトメアの火力も高いため、かなり初心者向けのキャラクターとしてデザインされています。仲間NPCを操作して戦うのですが、(回避性能の高さも相まって)画面の中で気を配るべき情報量と作業量が明白にダンテ、ネロより少ないです。

 反面、今作はネロがやや上級者向けのキャラクターになり、前作の「バスター」に代わる(?)「デビルブレイカー」という義手装備がどれもクセが強い性能で使い捨てなので使うタイミングを見極めなくてはならず、まずその時点で初心者にはとっつきにくいです。しかも今作は遠近武器のチャージなどネロにおいてやらなくてはいけない作業が増えているため、単純にダンテとそう変わらない忙しいキャラクターになっています。オールラウンダーでクセが少ないし火力も高いが、ダンテやVのような切り札には欠いている上、フューリーのように苦手な敵もいて隙がないわけでもない優等生的ユニットになりました。

 ダンテは3から相変わらずの複雑操作で、複数の武器とスタイルによるバリアブルアクションを使い分けて臨機応変に立ち回ります。一番使っていて楽しいです。

Vへの不満

 本作のVは強いですが、使っていて楽しくはないです。というかすぐにアクションを極められてしまうくらい、アクションのバリエーションが少ないです。それとDTにあたるナイトメアというユニットが超火力である反面、これ以外のアクションの火力が全体的に低く、そのためナイトメアに依存したゲージ管理メインの単調な立ち回りを強いられます。回避にシャドウとグリフィンという仲間NPCが有用なのですが、これがダウンしてもDTを引くと復活するため、DTゲージを常に発動可能な3以上に保つのがセオリーで、ちょっとTOBに似ています。

 それと4のネロはダンテ操作の複雑化へのフォローでしたが、本作のVはなにかそういう必要性を感じさせません。ボリュームのかさ増しのために、別の要素が入っている感じです。

ステージデザイン

敵ユニット

 ボス戦は総じてハイスピードで、洗練されたモーションにデザインされていて、dmdでも本当に楽しいです。下手な私でもオーブ復活縛りでクリアできる絶妙な死にゲーです。

 一方でこのシリーズの傾向として、雑魚は高難易度だと、攻撃性能はモーションのザルさなどから低いものの、やたら硬いうえに、遅延や飛び道具やノックバック耐性など、乱戦になると嫌らしい立ち回りをするエネミーが多いです。これによって画面に敵を入れないようにする戦略性が生まれているのですが、戦っていてあまり楽しくはないです。こいつと戦いたい、みたいな雑魚敵ユニットがいないです。

難易度にかんして

 このシリーズ通しての調整の傾向ですが、高難易度は調整不足も目立ちます。

 今回はダンマスは全然遊べますが、ヘルヘルは、ロイヤルガードの産廃化が相まって、ファウストによる遠距離ハメ技を使わないとSランクは人間には難しいです。

総評

シリーズ最高傑作だが…

 本作品は3や4のようなクソさのないエネミーデザイン、アクションの完成度、ステージデザインなど文句なしにシリーズ最高傑作ではあります。ただそもそも本シリーズは人を選ぶゲームではあります

 フロムのソウルシリーズ(1.2.3)や他のソウルライクにしてもそうですが、もうグローバルアサインとしてアクションゲームの方向性は、たとえ高難易度作品でも操作はシンプルかつ直感的で覚えることはなるべく少なくなっています。ソウルシリーズ(1.2.3)も結局はローリングといった回避アクションとパリィのタイミングさえ掴めば良いので、操作自体は直感的でシンプルです。

 そもそも操作できるようになるまでじっくり腰を据えなくてはならず、昔からのゲーム小僧向けという点では、本作は反時代的で人を選ぶ内容ではあります(ただ諸々の救済措置によって、初心者のガチャプレイにも対応していますが)。

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・『アストラルチェイン』:豊富な戦闘のスタイル、アプローチ。

 

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