良ゲー。『ペルソナ5 スクランブル ザ ファントム ストライカーズ』レビュー!

アトラス
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始めに

始めに

『ペルソナ5 スクランブル ザ ファントム ストライカーズ』についてレビューを書いていきます。

独創性完成度快適さボリュームフィクションその他判定
884682優(36)
  • 原作ファンならマストバイなクオリティのシナリオ
  • 完成度が高い戦闘
  • 後半のリソースがカツカツ
  • デッキビルドの自由度が低い

ゲームフィクションについて

あらすじ

 5(R)で主人公が東京を去って約半年後の夏休み。「心の怪盗団」の面々は純喫茶「ルブラン」に集まります。その最中、見知らぬ異世界「ジェイル」に迷い込みます。そこではジェイルの支配者たる「王(キング)」の命令で、シャドウの群れが迷い込んだ人間のネガイを奪っていました。
 時を同じくして、日本各地で謎の怪事件が発生します。警察は心の怪盗団による「悪人達の改心騒動」との類似性から、怪盗団が関係していると判断し、怪盗団を極秘裏に追跡しており、警視庁公安部の警部補・長谷川善吉が、怪盗団に接触します。
 心の怪盗団は潔白を証明するため、パレス内で出会った謎のAIプログラム・ソフィーと、渋谷・仙台・札幌・京都・沖縄・大阪……といった日本各地のジェイルを周ります。

5より4にちかいシナリオ

 本作の前作にあたるP5(R)に関する記事でも書いたのですが、P5(R)はシナリオ上、モヤモヤが残る内容でした。というのも、認知行動療法のメタファーとして主人公たちとボスシャドウの戦いを解釈できたP4(G)と違って、P5(R)は基本的に悪人のシャドウとの対決という展開であって、主人公たちが闘いを通じてキャラクターの行動や信念に変容を促したときに、当人の自由や主体性、幸福に配慮されているように見えず、よってただ洗脳しているように見えるという欠点を抱えていました。

 作り手もそれを感じていたのか、本作は舞台をパレスからジェイルに移し、ジェイルの主はP5(R)の双葉のような感じで悪人ではないけれどトラウマから認知の歪みを抱えていて、それを主人公たちがジェイルに干渉してシャドウと対話し、ジェイルの主は自分が向き合うべきだった、また本当は向き合いたかった過去と向き合い、前進していきます。これによってモヤモヤがなくなり、P4(G)のような爽やかでちょっとほろ苦い青春ドラマになっています。

スピンオフというより続編

 シナリオに関していうと、P5(R)のスピンオフというよりはもういっそ続編のような充実した内容になっています。『ファイアーエムブレム無双 風花雪月』『ゼルダ無双 厄災の黙示録』のような本編ifではなくて、本編の後を描く内容です。

 アドベンチャー要素に関しては流石にP5(R)よりはずっと希薄になっており、カレンダー制も実質廃止されているものの、それでも街のグラフィックは作り込まれています。ただ例によって後半はやっぱり尻すぼみな感じもあり、ステージの作り込みもいい加減になってはいきます。

ゲームメカニクスについて

無双というよりはコマンド式RPG+リアルタイムアクションのARPG

 本作品は無双シリーズで知られるオメガフォースの開発ということで「ペルソナ無双」とも呼ばれていますが、遊ぶと実際一騎当千のアクションゲームという点では共通性はあるものの、SPを消費してターンにコマンド入力するスキルによる攻撃と、リアルタイムのアクションによる攻撃を組み合わせたデザインで、聖剣伝説3TOMと近いです。ゼルダ無双(ハイDX)から快進撃を続ける無双コラボシリーズですが、随分本家から遠いところへ来た感じです。

 聖剣3TOMと違う要素として、本作はシリーズのプレスターン方式をうまくアクションゲームに落とし込んでいます。ターン制オーダーによるコマンド入力などで弱点をついたりすると敵をダウンさせることができ、ダウン中に一斉攻撃という形で強力なアクションを発動できます。雑魚ユニットなら一撃でダウンできますが、ボスユニットは弱点を何度もついたりしてダウンゲージを削り切らないと一斉攻撃を発動できません。また状態異常の付与されたユニットに適切な行動をすると弱点属性同様のテクニカルヒットになります。この辺りのデザインはゼルダ無双(ハイDX)のウィークポイントゲージ、『真・三國無双7』(with 猛将伝DX)の気迫ゲージと共通です。

 ただTOAにも似て、ボスに対して有効なアプローチが少ない印象も受け、ボスは結構硬いし単調になります。それでも本作は最高難易度でもユニットのアビリティを容易に底上げできるので、結構ゴリゴリ体力を減らせはしますが、鍛えないと厳しいです。

デッキビルド

ペルソナ合体

 ペルソナ合体についてはシリーズ恒例です。本作は裏技があるため、容易に合体で任意のペルソナの能力を99にでき、よってデッキビルドの際には好きなペルソナを使えます。

 ただ、ペルソナの総数が少ないです。このため本家シリーズと違ってデッキビルドのバリエーションが少ないです。周回するとき、自由度の少なさが飽きを早めます。

パーティデザイン

 パーティメンバーはジョーカー含めて九人で、そのうちから四人を一度に戦闘に参加させるパーティ制です。FE無双みたいな感じで、操作ユニットは任意のタイミングで切り替えられ、それぞれ固有のアクションや属性攻撃、耐性を持っています。

総評

基本アクションとシナリオに優れる佳作

 基本アクションとシナリオに優れ、自由度は低いもののカジュアルな遊び心地です。

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・『アストラルチェイン』:ジョジョシリーズフォロワー。

・『すばらしきこのせかい』シリーズ(1[FR].2):ヒップホップ、ティーン。

 

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