物語は魅力的だが。『ライフ イズ ストレンジ』レビュー

スクエニ
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始めに

始めに

今日は『ライフイズストレンジ』についてレビューを書いていきます。シリーズ(1.2.3)の1です。

独創性完成度快適さボリュームフィクションその他判定
774673良(34)
  • シナリオと世界観
  • グラフィックもそこそこ
  • ゲームとしては微妙
  • 分岐のなさ

ゲームフィクションについて

あらすじ

 アメリカ・オレゴン州の架空の田舎街「アルカディア・ベイ」を舞台に、時間を巻き戻せる能力が発現した女子学生・マックスの周辺で起こる事件を描きます。マックスと幼馴染のクロエの友情が中心となっているドラマです。

SFミステリー、タイムトラベルSF

 本作品は映画『バタフライ=エフェクト』シリーズが下敷きになっているようで、ジャンルとしては同様のSFミステリー、タイムトラベルSFになっています。ジュヴナイル、ヤングアダルト作品にはSF作品は多いですが、例えば細田守監督『時をかける少女』や『十三機兵防衛圏』のような、エモーショナルでノスタルジックな青春SFになっています。

心的外傷を乗り越えるSF

 本作品のエンディングは二パターンありどちらもマックスにとっては辛い結末になっていますが、どっちがトゥルーエンディングなのかは内容を見ると明らかになっています。

 つまるところ本作品は心的外傷をめぐるSFでその点『電脳コイル』、『輪るピングドラム』、ヴォネガット『スローターハウス5』、村上春樹『羊をめぐる冒険』などと似た、苦い青春物語になっています。

ゲームメカニクスについて

アドベンチャー要素で時間巻き戻し能力

 本作品ではマックスが時間を巻き戻せる能力を手に入れており、TPSのアドベンチャーパートでもその能力を活かすことができます。これがなかなか楽しいです。例えばNPCとの会話などでナラティブチョイスによる結果が思わしくない時、やり直すことができます。また時間を巻き戻してもマックスの今いる場所が変わらないため、これを利用して鍵のかかった場所に侵入できたりと、アドベンチャーのアプローチが広がって面白いギミックです。

一本道

 本作の最大の欠陥は、分岐の少なさです。このせいで時間巻き戻しという面白い仕掛けがあまり活かせていません。

 ナラティブチョイスの成否で影響するのはほぼ本筋とは関係ないNPCとの関係や状態などで、どれだけそれが成功していてもエンディング分岐は終盤の選択一つで決まってしまうため、かなり物足りない印象です。『デトロイト ビカム ヒューマン』のように、本筋にインタラクティブ性があって欲しかったところではあります。

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