始めに
始めに
『Marvel’s Guardians of the Galaxy』についてレビューを書いていきます。なかなか良作です。
独創性 | 完成度 | 快適さ | ボリューム | フィクション | その他 | 判定 |
7 | 8 | 4 | 7 | 9 | 2 | 優(37) |
- シナリオとキャラゲーとしての完成度
- リソースのボリューム
- 周回には適さないので、やり込みなどには乏しい
ゲームフィクション
あらすじ
主人公ピーター=クイルはガーディアンズオブギャラクシーのリーダーですが、ガモーラ、ロケット、グルート、ドラックスといった癖の強いメンバーをまとめきれずにいます。
ピーターには幼い頃、トラウマがありました。母を宇宙人に目の前で殺され、自分の無力さを嘆き絶望を味わったのでした。
ゲームオリジナルストーリー
本作品はオリジナルのストーリーとなっていて、その点『Marvel’s Spider-Man』と共通しています。サノスと決着し、ガーディアンズを結成した後のドラマとなっています。個人的にはかなり好印象で、アダム=ウォーロックとその半神メイガスはちょっと原作、映画に触れていないとわかりずらかったりするかもしれないですが、まあ許容範囲でしょう。
本シリーズは『バック=トゥ=ザ=フューチャー』シリーズ(1.2.3)のようにロックカルチャーを背景としており、戦闘シーンでもBGMとしてロックの名曲が用いられますが、本作品はロックの負の側面とも言えるカルトとの戦いが描かれるという内容で、浦沢直樹『20世紀少年』や新井英樹『ザ=ワールド=イズ=マイン』を思わせます。ピーターも、メイガスによって母の死のトラウマに飲み込まれそうになり、また父親役として母を失った少女のトラウマを乗り越えさせようと奮闘するシーンは感動です。
オリジナル脚本としては非常に魅力的で、ゲーム性も相まって理想のFF15のような感じでした。ガーディアンズの成長と絆のストーリーは必見です。また、ガーディアンズのセリフ量が膨大で、細部までこだわり抜かれています。『アンチャーテッド』シリーズ(1.2.3.4)とも似て、道中の会話が探索を豊かにしてくれます。
分岐に関して
本作品は選択肢によって若干の分岐がある模様ですが、さして変化はなく、特定のシチュエーションを易化するくらいのものです。周回向けのゲームでは無いのですが、分岐に失敗した時にロードしてやり直そうとするとオートセーブされてしまっている場面があり、煩わしかったです。
ゲームメカニクスについて
TPSの戦闘、育成
本作は戦闘とアドベンチャー要素から構成されています。戦闘に関してはピーター=クイルを操作しつつ、時間経過で蓄積するゲージを消費して発動する仲間アビリティ(ピーターにもある)を発動したり、エレメントショット(引き寄せたり、凍らせたり)を駆使して遠距離の敵に対抗したり、ジャスト回避でベヨネッタシリーズ(1.2.3)のウィッチタイムのようになったりといったギミックがあります。FF15やTOAと雰囲気が近いでしょうか。また面白かったのは、ショットがチャージ切れ後、ボタン入力に成功するとチャージ回復までのインターバルを短くしつつ強力なショットを撃てるギミックで、爽快でした(『リターナル』に似ます)。
それとゲージが蓄積すると集合してナラティブチョイスで喝を入れることができ、成功すると能力アップの補正が多めに加算されます。またロックの名曲がBGMになるなど演出も楽しいです。
ただ、全体的にプレイヤーのアプローチが少なく、パリィとかも無いので立ち回りがワンパターンになっていきます。
クイルの銃は素材を集めて強化できるし、レベルアップのポイントで仲間のアビリティを解禁できます。ただ育成の自由度、量は低いです。
謎解き、探索、ナラティブチョイス、QTEは劣悪
本作のアドベンチャーパートでは、仲間NPCに固有の地形へのアプローチがあってそれを駆使して道を開拓していきます。導線は割合丁寧であまり迷ったところはなかったものの、考える余地が少ないのでパズルとしての魅力は希薄です。
先述の通り、ナラティブチョイスで若干のストーリー分岐があります。ただ大筋は変わらず、一部イベントが変更されるくらいのようです。
あと今どき、即死QTEが結構な頻度であるので頭にきます。しかも入力するボタンが指示からわかりにくいです。
佳作だが一歩足りない
このゲームは面白いのですが、どうしても一周するとお腹いっぱいになるし、リプレイすると戦闘の単調さが目に付くのと、このゲームならではの魅力がキャラクターの掛け合いとか演出部分にしか無いのが物足りないです。ジェダイシリーズ(1.2)などとこの辺り共通です。
ゲームとしては水準以上のTPSですが、例えば『Marvel’s Spider-Man』なら移動部分にこのゲームにしかない遊びとしての魅力がある一方、本作はゲーム部分で新鮮さが希薄です。アーカムシリーズ(AA.AC.AN)も箱庭探索の魅力があり、本作もレールプレイでありつつマップの作り込みは丁寧ですが、ゴッサムシティほど探索の魅力もありません。
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・『Hi-Fi RUSH』:音楽とバトルのアドベンチャー。