クソゲーではないがまあまあひどい薄味。『戦国無双4-II』レビュー

コーエーテクモ
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始めに

始めに

『戦国無双4-II』のレビューを書いていきます。4(DX)の拡張版ではなく、番外編のような作品です。エンパ、『戦国無双 ~真田丸~』同様、4(DX)の派生作品です。

独創性完成度快適さボリュームフィクションその他判定
664652良(29)
  • 4のファンならまあ楽しい
  • 使い回しがひどい
  • ストーリーも薄味

ゲームフィクション

あらすじ

 『4』(DX)の番外編で、主人公武将13人の視点で新たな無双演武を展開します。
「新星の章」:井伊直政を主人公とし本多忠勝と共に、徳川家のために戦います。
「絆の章」:主人公・真田信之の弟・幸村や妻・稲姫との関係が描かれます。
「反逆の章」:松永久秀による織田信長への反逆のドラマです。
「理想の章」:豊臣秀吉の世のために働く石田三成の活躍です。
「忠節の章」:藤堂高虎が主人公。『4』(DX)では大谷吉継との関係が中心でしたが、浅井家滅亡後の幾多の主との関係を描きます。
「百花繚乱の章」:ガラシャの戦いを描きます。女武将を率いて戦います。

正直中途半端な番外編

 若干総評的な内容になってしまいますが、かなりイマイチな内容の作品です。4(DX)からゲームリソースをめちゃくちゃ使い回しているのに、データも引き継げないし、合戦のシチュエーションは被りまくっているというのがかなりがっかりです。ストーリーも追加ディスクでやるべき内容だと思いますし、4(DX)の方が全然よかったです。

とにかくコーエーテクモ特有の薄汚い守銭奴精神が垣間見え、データの互換性をあえて無くすことで作業量を増やしボリューム感を出している印象です。

ゲームメカニクスについて

アクションについて

 4では爽快感があり好評だった一方、雑魚狩りに有用すぎた神速アクションがナーフされ、神速攻撃の通る敵兵が縮小しました。これに関してはいいのですが、騎馬無双と呼ばれるゲージを消費して発動する4から強かったアクションがさらに強化され、雑魚狩りがこれ一択になり、バランスの悪さは変わらないのがなんとも言えないところです。5でも騎馬無双は壊れ性能です。ただそもそも無双シリーズにおいてそこまでゲームバランスは重視されていないでしょう。

 また、敵の攻撃にカウンターをコマンド入力で発動できるようになりました。これは好印象です。

 とはいえ大きな変化はありません。

育成、収集などのデッキビルド

 4と比べて明確に良くなったのは育成、収集のデッキビルド周りです。

『4』では武器についていた技能の一部が、武将ごとのスキルツリー形式になりました。武将ごとに技能盤というスキルツリーがあり、「兵法書」の消費で技能を解禁していきます。技能盤は12種類で、武将ごとにスタート地点も異なります。技能は成長効果が大きく育成が楽しくなりました。

『4』の携帯道具は廃止され、技能の一部が能動技能としてそれに代わりました。能動技能は武将間で共有されない、レベルの異なるものを同時所持できない代わりに、回数制限なく再利用できるようになっています。各キャラ固有の携帯道具に相当する家宝は「覚醒技能」に変更。

 武器、軍馬はそれぞれランダムドロップのものを合成するようになりました。『4』での武器は各種能力がレベル1から5、最大値や能力はランダムでしたが、今回から1~99まで細分化され、最大値も必ず99に固定された他、同じ属性武器同士を合成することで、合成素材となる武器のもっとも数値の高い技能が合成先に追加されるようになりました。武器のレベルが上がると能力も上昇し、合成の際同じ能力があるとレベルアップ時にボーナスがもらえます。これを繰り返すことにより全て数値99にすることも可能です。

育成、装備などデッキビルド要素だけは4より明確に上回っていて、5(無印)へと受け継がれます。

無限城復活、流浪演武廃止

 流浪演武(エディット武将のRPG)が廃止され、無限城が復活しました。本館モードではランダムミッションをこなしながら上層を目指します。別館モードはスコアを競うチャレンジモードです。完成度は低くはないですが、流浪演武がなくなったボリュームをカバーしきれているわけでもありません。

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