良作。『ドラゴンクエストヒーローズII 双子の王と予言の終わり』レビュー

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始めに

 『ドラゴンクエストヒーローズII 双子の王と予言の終わり』についてレビューを書いていきます。

独創性完成度快適さボリュームフィクションその他判定
774773優(35)
  • 箱庭のクオリティ
  • カジュアルで遊びやすい
  • ボス戦が退屈
  • マルチ前提の調整
  • キャラゲーとしての偏り

ゲームフィクションについて

あらすじ

 物語の舞台は、1000年に渡る長い平和が続いていた七つの王国。1000年前に起こった大戦争ののち、二度と国同士で戦争を起こさず平和を守っていました。
 オレンカにある士官学校に留学中であったラゼルと彼のいとこであるテレシアは互いに再会を喜び合うも、オレンカの友好国であるはずのジャイワール軍に襲撃されます。二人は宗主国ゼビオンの女戦士オルネーゼに救われ、オレンカ王と話し合った結果、ジャイワール軍との和解の道を探るためにゼビオンへと向かいます。
 ゼビオン王との謁見の末、ゼビオン王は戦争が起こらないよう盟主として力を貸すことを約束。争いの原因を明らかにするべく、ラゼル達はジャイワールに向かい、ジャイワールの王子ツェザールと再会。ツェザールは父ジャイワール王の仇を討つべく、オレンカに侵攻した事を明かすも、戦いの末にオレンカ王の無実が証明され、ツェザールは今回の件について反省し仲間になります。

シナリオはぼちぼちだが偏りが…

 本作品もDQシリーズ特有の温かみのある王道のストーリーは健在で、タイトルや中の人などから勘のいい人なら黒幕や最後の展開までわかってしまうでしょうが、それでも魅力的な内容です。

 それはいいのですが、お祭りゲーであるのにも関わらずシリーズからの出演キャラクターが異様に偏っていて、ほとんどが4からの出演です。前作からそうですが。

ゲームメカニクス

デッキビルド

 前作同様、本作も無双シリーズがベースで、シンプルかつ爽快感あふれるアクションが楽しめます。

 今作はデッキビルド要素にさまざまなバリエーションが加えられました。今作では主人公の2人が拠点の町で転職が可能になっています。各職業に独立したレベルが設定されているものの、それぞれの職に他の職でも効果を発揮するパッシブスキルがあるため、転職を繰り返すことでステータスの強化が可能になっています。職業毎に2から5つまでの武器が装備変更可能で、基本職以外にも条件を満たすことで転職可能になる上級職もあります。『ファイアーエムブレム無双 風花雪月』とやや似たデザインです。

 熟練度は武器にとっての経験値で、敵を攻撃すると熟練度が溜まっていき、そのキャラクターが新たな特技やパーティ全体にバフを与える「パーティスキル」を取得できます。 ただこの存在のせいで作業量が増えてしまっています。

戦闘

 前作と同じくモンスターを倒した際にコインになることがあり、仲間として召喚が可能です。 今作では新しく「ヘンシン」タイプのコインが登場し、一定時間モンスターへ変身して専用のスキルを使用して攻撃できるようになります。

アクションやビルドの幅は拡大しつつ、ステージデザインは…

 本作は無双シリーズにしてはかなりクリアの難易度が高いです。その理由として「大渓谷」に典型的なように、マルチ前提の分業を必要とするステージが多く、ソロだと仲間のAIが馬鹿なため、まともに活躍してくれないのです。

 それとラスボスを筆頭にボスが異様に強くて固く、ボス戦はTOAコードヴェインのようになります。ボスも硬いばかりで単調なのであまり面白くないですし、そもそもこれが無双作品に期待されるデザインかというとかなり微妙です。

フィールド探索について

 前作では拠点からステージへと直接移動していましたが、今作では次の町までフィールドを移動するパートも用意されています。かなりの広さがあり、探索要素が増したことでDQらしさが出ています。
 ただ、フィールド探索は敵と接近すると戦闘状態になりルーラなど一部のコマンドが使えない戦闘モードになるため、探索がしづらくなっています。移動のために敵から逃げたり弱い敵を捌いたりせざるを得ないシチュエーションが多いです。

とはいえ三国無双8の惨状を思うと、無双とアドベンチャー要素のバランス調整に成功していて好印象です。

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