良作。『DOOM』(2016)レビュー

ベセスダ・ソフトワークス
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始めに

『DOOM』(2016)についてレビューを書いていきます。

独創性完成度快適さボリュームフィクションその他判定
974671良(34)

ゲームフィクションについて

あらすじ

 西暦2145年。テラフォーミングされた火星は、「アージャントエネルギー」の供給元となっていました。地獄から資源を採集・精製している世界最大規模の企業「UAC」の火星施設では危険な研究や実験が日々繰り広げられていました。

 そんな中、UAC研究員のオリビア=ピアスの企みでデーモンが出現、火星施設はほぼ壊滅します。またオリビア博士は地球に資源を届ける施設「アージャントタワー」を利用し、地獄へと続く穴「ヘルポータル」を開いて、地獄の魔物を引き入れようとします。

 事態を重く見た施設の責任者サミュエル=ハイデン博士は、地獄の遺物である石棺に眠る殺戮者ドゥームスレイヤーを永い眠りから解放し、オリビア博士の計画を阻止しようとします。

 ドゥームスレイヤー(主人公)は「プラエトルスーツ」を纏いオリビア博士や無数のデーモンを殲滅するだけに留まらず、アージャントエネルギーすらも破壊し、ヘルポータルの閉鎖にも成功します。

ラブクラフト的コズミックホラー、ディック

 本作品はラブクラフトからの影響が顕著で、同様に異世界からの侵略者を描くコズミックホラーになっています。またフィリップ=K=ディック作品からの影響をも顕著に感じさせる神話的SFになっています。

非線形の語り

 本作はソウルシリーズ(1.2.3)と近く、焦点化がなされるドゥームスレイヤーの視点で得られる情報からプレイヤーが世界観、ストーリーについて補完していく内容になっています。人を選ぶでしょうが、世界観は魅力的です。

ゲームメカニクスについて

ストイックでハイスピードなFPS

 本作はFPSですが、移動が非常に高速です。また、一定時間攻撃を受けないとライフが自動回復するシステムがない一方、敵に一定のダメージを与えると「グローリーキル」という特殊な近接必殺攻撃が発動でき、グローリーキルで倒した敵からは確実にライフ回復アイテムを入手することが可能です。リロード、カバー要素もほぼないため、縦横無尽にエリアを駆け回り、攻撃的に立ち回ることがメインです。攻撃が回復を兼ねる点ではブラボを連想します。

 またグローリーキルの演出するバイオレンスはギアーズシリーズを連想します。

単調さも目立つ内容、大味なデッキビルド

 90年代FPSへの回帰として「カバーアクション」「リーン」「サイトの覗き込み」「リロード」を廃し、それがスピーディでアグレッシブなゲームプレイを提供してくれる一方で、アプローチが少ないということを意味するため、ゲームプレイの単調さを招いています。

 本作は武器MODパーツにデッキビルドの中心があります。特定地点で武器MODを手に入れることで強力なサブ攻撃が使用可能になるのですが、この性能にムラがあり、武器種によって強さの偏りが著しいです。

総評

温故知新の良作

 クラシックなシューターのイズムを再現しつつ新しい表現を展開しようとするコンセプトは一定の成功を見ています。一方で、そうする中で現在のゲームにあって当たり前のものを捨象しているため、やや単調なゲーム性にもつながっています。

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