『アンチャーテッド 砂漠に眠るアトランティス』レビュー

ソニー
この記事は約6分で読めます。

始めに

『アンチャーテッド 砂漠に眠るアトランティス』レビューを書いていきます。

独創性完成度快適さボリュームフィクションその他判定
774672良(33)

ゲームフィクションについて

あらすじ

 主人公ネイサン=ドレイク(ネイト)は、自身が先祖と自称する海洋冒険家のフランシス=ドレイクも探した幻の古代都市「砂漠のアトランティス」を求め、相棒のサリーとともに冒険へと飛び立ちます。

 その旅を阻むのは、秘密結社を率いるマーロウとその側近のタルボット。ネイトたちは砂漠のアトランティスの秘密をめぐり、一大組織と戦います。

新古典主義的コンセプト

 本シリーズ(1.2.3.4)のコンセプトとして画期的だったのは、SW4や『インディ=ジョーンズ』シリーズ(1.2.3.4)が志向したアラン=ドワンなどの剣戟映画やシリアルの新古典主義的リブートのさらにパロディをビデオゲームで展開したことでした。SW4やインディはドワン流の剣戟映画における、超越主義・プラグマティズムのアメリカの精神を湛えた喜劇映画のムードや様式を踏まえつつ、そこにベトナム戦争を背景としたポストコロニアルな主題を盛り込み、帝国主義の中での空虚な戦争や対外領土拡張への意図を相対的に描きました。

 本シリーズ(1.2.3.4)はSWや『インディ=ジョーンズ』(1.2.3.4)のイズムを継承、ビデオゲームというゲームと映画、小説などとのハイブリッドなメディアにおいて、ゲームメカニクスとゲームフィクションの意味論のすり合わせの中で起こる、ゲームフィクションのデザインとしては不合理な描写に対して合理的な美的意図を与えます。例えば『バイオショック』、FF13、『バイオハザード ヴィレッジ』などと共通するでしょうか(『バイオハザード0』に関する記事も参考までに)。つまりゲームメカニクスの中でのルーティンワーク(大量に用意されたパルクール、銃撃戦、パズルなど)が有するゲームフィクションとしては不自然な描写に「ジャンルのお約束」という形で説明が与えられていると言えます。

 例えば『龍が如く』シリーズ(0,1[].2[極2].3.4.5.6.7.見参.維新)で言いますと、「栄養ドリンク」という表象はその現実世界における特性たる「健康管理に用途を持つ」という部分から、ゲームメカニクスにおいてはHP回復のユニットとして、ゲームフィクションにおいてはコンビニなどで売買されるドリンク製品としての意味づけを与えられています。けれどもよくよく考えると戦闘中に怪我をドリンクで瞬時に癒すというのはゲームフィクションの面から見ると非現実的で不合理なデザインに見えますし、実際よく揶揄の対象です。本シリーズはそうした矛盾に美的意図を与えています。

シリーズの変遷

 本シリーズ(1.2.3.4)の一作目である本作ははもともとSW4や『インディ=ジョーンズ』シリーズ(1.2.3.4)の源流たるアラン=ドワンの剣戟のようなスカスカな空気がなんとも言えない味わいを出していたのでした。2でややメロドラマ要素が強まり、3が捻った変化球のメロドラマ、4が最後の聖戦のようなファミリーメロドラマになっています。

評判の著しくない理由

 本作はシリーズ(1.2.3.4)の中でも評判が悪いです。なぜかというと本作は変に捻ったドラマが受け入れづらいからです。 

 印象として近いのはジョジョ六部の最初とか『NARUTO』の幻術みたいな感じで、夢オチ展開が多く、物語のテンポとベタな盛り上がりを削いでしまっていて、これがこの冒険活劇としてのシリーズ(1.2.3.4)にとっては致命的でした。また心理描写の比重が従来よりも増して、メロドラマテイストが強いです。

ゲームメカニクスについて

TPSアドベンチャー

 本作品はTPSアドベンチャーで、ジャンル的には3Dゼルダや『トゥームレイダー』シリーズのような感じです。シリーズを通して戦闘、パルクール、謎解きが4:3:3くらいのボリューム比な印象です。

 謎解きはシリーズを通して導線が丁寧で詰まりにくいです。ただ、それほど機知に富む仕掛けはありません。それと壁登りのパルクールはシリーズを通してボリュームが多いですが、アプローチが少なく一本道でやや退屈です。

戦闘は2のマイナーチェンジ

 本作はステルスが追加された2のマイナーチェンジで、大きな進化はありません。とはいえ格闘戦でカウンター攻撃ができるようになったのは好印象でした。

タイトルとURLをコピーしました