安定の良作。『ゼノブレイド2』レビュー

任天堂
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始めに

『ゼノブレイド2』レビューを書いていきます。

独創性完成度快適さボリュームフィクションその他判定
784871優(35)

ゲームフィクションについて

あらすじ

 天空にそびえ立つ「世界樹」を中心に広がる雲海の世界「アルスト」。アルストができる遥かな昔、人々は創生の「神」と共に暮らしていました。天空に築かれた豊穣の大地を人は「楽園」と呼んでいました。

 ある日、人々は楽園を追われ、アルストに移ります。アルストに移った人々は、過酷な環境のなか、短命でした。神は「巨神獣(アルス)」を遣わし、人々を救います。僅かに生き残った人は巨神獣へと移ります。

 こうして「アルスト」は誕生し、人々は巨神獣に国を築きます。しかし巨神獣は老齢に達し、寿命を迎えた巨神獣は雲海へと沈みます。そこで起こった混乱が、世界にひずみを生みました。

 主人公のレックスは、雲海から遺物を引き揚げるサルベージを行う「サルベージャー」の少年。楽園につながる痕跡を探しサルベージャーになり、小型の巨神獣「じっちゃん」の背中で暮らしています。

 秘密結社「イーラ」に古代の沈没船の物資を回収する依頼をされたレックスは、船内で「天の聖杯」と呼ばれる亜種生命体「ブレイド」の少女ホムラを発見。レックスは、ホムラの前の剣に触ろうとしたものの、「イーラ」の首魁シンに殺されます。

 死んだはずのレックスは、気が付くと草原に立っていて、そこにホムラがいました。ホムラはレックスに自身の命の半分を分け与える代わりに共に楽園へと連れていくことを頼み、レックスも聞き入れます。

グラフィック

 『ゼノギアス』や『ゼノサーガ EP1』の頃と同様、アニメ調のグラフィックに戻りました。
 全体的に本作から作風が変化していきます。根本的には王道の冒険譚から、深夜アニメ風のテイストに変遷していき、さながらアトリエシリーズを思わせます。

兵頭一歩のテイスト?

 本作から兵頭一歩がシナリオに参加しており、作風がかなり変化しました。よく深夜アニメっぽくなったと言われますが、実際そう思います。3はもっとそれが顕著です。

 1とかクロスは健全で少年漫画風だったので、変な感じがします。とはいえ根本は王道の冒険譚テイストも残っています。

ゲームメカニクスについて

戦闘

前作からの要素

 このシリーズ(1{DE}.クロス.2.3)はFF12(ZA)と似てMMORPGの影響が顕著です。FF12(ZA)と共通するのはエンカウントの空間デザイン、ヘイトコントロールの重要性です。ただ、リアルタイムのコマンド入力、連携という特定アクションの重要性など、異なるギミックもあります。FF12(ZA)のガンビットのような、NPCのアルゴリズムをデザインする要素はなく、2ではAIのアホさが目に付きます。

 フィールド上を敵がうろついてます。リアルタイム戦闘で、通常攻撃など一部の要素は自動化されています。メンバーから3人を選んでパーティーを組みますが、戦闘中以外ならメンバーは入れ替えられます。そのうちプレイヤーが操作するのは1人で、残りの2人はAIオートで行動します。

 ヘイトが最も多く蓄積されたメンバーを敵は攻撃目標にします。ヘイトが一番高くなっているキャラには赤い印がつきます。背後や側面はダメージが入りやすいです。このようなことがあってヘイト管理と位置取りがシリーズの重要な要素です。

 パーティーゲージという連携技ゲージがあります。最大3ゲージを全消費してチェインアタックを発動できます。本作ではブレイドというユニットの必殺技による攻撃になってます。シリーズ(1{DE}.クロス.2.3)通してチェインアタックは強いです。

新要素。ブレイドとドライバーユニット

 本作では、コンボのデザインがより複雑になっています

 本作ではドライバーとブレイドというユニットがあります。どのブレイドも8つの属性と攻撃、防御、回復の3つのロールのどれかを持ちます。属性じゃんけんが本作では重要になります。シリーズ(1{DE}.クロス.2.3)の3になると、さらにユニットのクラスによるデッキビルドのバリエーションが増えます。

 ドライバーは「ドライバーアーツ」を使います。ドライバーアーツはドライバーやセットしたブレイドの武器によって依存します。ブレイドにはドライバーを支援する「ブレイドアーツ」とドライバーに代わり攻撃する「必殺技」があります。

それぞれのユニットのコンボ

 ブレイドアーツは各ブレイドが自動で発動し、必殺技はプレーヤーがAボタンを押すと発動し、キズナアクションに成功するとダメージが上昇します。必殺技を使用せずドライバーアーツを使っていると、必殺技のレベルが1→2→3と上昇していき、よりダメージが上昇するうえ、ブレイドコンボが発動できます。
 ドライバーアーツや必殺技は繋げるとコンボが発生し、様々な効果が発生します。ドライバーコンボはブレイク→ダウン→ライジング→スマッシュという流れを繋げます。

 ブレイドコンボは必殺技レベル1→2→3の順で発動すると発生し、最後まで繋げると使用した必殺技の組み合わせによって敵が繰り出す状態異常を無効化し、「属性玉」というチェインアタックで使うものが現れます。ドライバーコンボ中にブレイドコンボをすると強力な「フュージョンコンボ」となります。
 

 面白いですが、前作プラスアルファのデザインなので、本作からだと理解が難しいです。シリーズ(1{DE}.クロス.2.3)の3になると、よりシステムが複雑化します。

探索

総評

 このシリーズ(1{DE}.クロス.2.3)は探索要素のボリュームとクオリティが高いです。

 本作では「巨神獣」がフィールドとなり、複数の巨神獣を渡っていきます。巨神獣によってそれぞれ環境や景色は異なります。巨神獣の外に広がる雲海に満ち干きがあり、時間によって移動可能なエリアが異なります。

 ビジュアル的にも(テクスチャはやや低クオリティですが)魅力的で、本作はさながらセミオープンワールドというか、各エリアがオープンワールドのようなデザインになっていて、視界に入るところは概ね移動できます。

フィールドスキル

 クロスから探索のアプローチにフィールドスキルが追加されました。これは特定の地形に対してのアプローチです。ミンサガ(リマスター)のマップスキルみたいな感じです。
 フィールドスキルはエンゲージされているブレイドの分しか反映されず、メニューでいちいち付け替えるのが面倒です。

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・『オクトパストラベラー』シリーズ(1.2)『STAR OCEAN THE SECOND STORY R』『ライブアライブ』『スーパーマリオRPG』:新古典主義的RPG。

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