始めに
『ロックマンX6』レビューを書いていきます。
独創性 | 完成度 | 快適さ | ボリューム | フィクション | その他 | 判定 |
7 | 5 | 3 | 7 | 5 | 0 | 良(27) |
- デッキビルドの自由度の高さ
- 一応遊べる
- 極端なステージ調整で遊びにくい
- ボスも強弱激しすぎる
ゲームフィクションについて
あらすじ
X5の「コロニー落下事件」から21日後。コロニーの地球衝突はゼロを犠牲に免れたものの、地球は荒れ果てました。
その後、地上のウイルス汚染が静まってきた頃、レプリロイドは地下に移った人類に代わり、地上再建に励んでいました。エックスもイレギュラーハンターとして、復旧作業に努めていました。
ある日、エックスのもとへ、エイリアからの緊急連絡が届きます。内容は、シグマとともに消滅したはずのイレギュラーが再び発生した、というもの。エックスは「ゼットセイバー」を手に、現場へ向かいます。
シリーズの特徴
本家ロックマンシリーズの未来の世界を舞台に、「レプリロイド」と呼ばれるロボット同士の戦いを描く作品です。主人公は、ロックマンシリーズのライト博士が封印したロボット「エックス」です。
本家とちがってシリアスな内容で、映画『ブレードランナー』の影響が顕著というか、割りとそのまんまです。
シリーズの迷走
Xシリーズ(1[無印,イレ].2.3.4.5.6.7.8)は4とか5から7まで長く迷走します。ストーリーもグダグダになっていきます。
MGSシリーズ(1.2.3.4.5)似てますが、シグマという黒幕の陰謀ネタでシリーズを引き伸ばすので、一個一個の作品で完結せずまとまりが悪くなり、しかもワンパターンなサスペンスになっていきます。
これなら本家ロックマンシリーズ(1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11)のほうが全然いいと思いました。
また6の後でXシリーズから派生した『ロックマンゼロ』シリーズ(1.2.3.4)が発売され、本家を乗り越えていきます。
死ぬ死ぬ詐欺
本作でシリーズ完結の予定だったのか、5のバッドが正史になってゼロが死んでいることになっているんですが、なんか実は生きていて、そのあとのシリーズにも普通に登場します。エックスがセイバーを継承する設定は熱いし『ロックマンゼロ』シリーズ(1.2.3.4)にもつながっていくだけに、なんか再登場してきて白けました。また
とはいえシリーズ(1[無印,イレ].2.3.4.5.6.7.8)が継続するならゼロが生きていて嬉しかったです。ただ登場が隠し要素なので、初心者には育成リソース分配のシビアさを助長します。
ゲームメカニクスについて
デッキビルド
パーツシステム
前作からパーツシステムが続投、強化され、デッキビルドの自由度が増しました。前作と違い、レスキュー(仲間NPCの救出)ですべてのパーツをそろえることが可能になりました。今作では特殊武器、必殺技を強化できるマスター系のパーツ、非常に強力なリミットパーツも加わりました。
ただ、レスキューはナイトメアウィルスと言うエネミーに接触される前に対象のNPCを救出する必要があるのですが、ナイトメア化するともう回収不能になるので、取り返しがつかないという厄介な仕様です。ぶっちゃけどうでもいいパーツも多いので、そこまでこれがマイナス要素でもないんですが、どうでも良くないパーツもたくさんあり、しかも入手しないことにはそれがわからないため深刻な問題でもあります。
またユニットごとに取捨選択を迫られてしまうため、どうしてもリソース分配のために育成の偏りがでてしまう問題はシリーズ(1[無印,イレ].2.3.4.5.6.7.8)の5.6.7で共通し、8で解消します。
デッキビルドデザインの魅力は8でその発展を見られるものの、シリーズ(1[無印,イレ].2.3.4.5.6.7.8)の中でもパーツによる育成の自由度は本作が随一で(8はパーツプログラムの最終強化段階が固定)、本作最大の魅力はここです。
アーマーシステム
またアーマーによるバリアブルアクションもシリーズ(1[無印,イレ].2.3.4.5.6.7.8)の5から継承してます。8ではアーマーシステムがさらに自由度を増し、あちらではアーマーパーツ単位でニュートラルアーマーに選択してセットできます。本作はアーマー単位のセットです。
とはいえ本作でもアーマーとパーツによる自由度の高いデッキビルドが展開されています。
ステージデザイン
本作は全体的に調整がピーキーというか、7と違って完全なクソゲーではないと思うんですが極端な調整が多く、遊びづらいです。ステージのデザインが凶悪な一方で、ボスは極端に強い/弱いボスが一部にいて、全体的な傾向としてはボスは弱くてゴリ押しでいける、みたいな調整です。
本作は即死トゲの多さと、デッキビルドのために優先して倒さないといけないナイトメアウィルスの厄介な挙動のせいで、イライラ要素が多いです。雑魚も硬いし強いです。ナイトメアウィルスは本体と敵弾が地形を無視し、撃破後に出現するコアを回収するor2回撃破しないと復活し、救助を求めているレプリロイドを死亡させる(こうなるとパーツがコンプリートできない)と言う凶悪なデザインです。
とにかく棘と凶悪なエネミーを大量に敷き詰めたステージが特徴で、遊んでいて疲れます。ダクソ2みたいなイライラステージまみれです。
ボス
ボスも調整が極端です。コマンダー=ヤンマークは「フォーメーション=ウワァー」(断末魔に由来)と言うあだ名でお馴染みですが、ゴリ押しで瞬殺できるし、負けるほうが難しいとまでは思いませんが、負けたことがありません。
基本的にボスは弱いですが、ゲイト、ミジニオン、ナイトメアマザーがクソボスです。自分はゲイトが一番嫌でしたが、他の2つもしんどいです。
ゲイトはこちらの攻撃が一切効かず、敵の撃つ球を攻撃して分裂させ、それをゲイトに当ててダメージとなります(=カウンターでしか攻撃できない)。球を破壊した時左右に3つで分裂するので被弾しやすい上、長時間球を撃たないこともあり、能動的な立ち回りが阻害されるので戦闘テンポが悪いです。ステージは足場が壁以外には6個の小さなブロックしか無く、踏み外せば即死。またゲイトは体力が少なくなるとブロックを破壊します。読んでいてわかるでしょうが本当に遊んでいてイライラします。ブラボのミコラーシュみたいな感じで一個一個が地味な嫌がらせめいた要素を大量に積んでいます。
インフィニティー=ミジニオンはダメージを受ける度に分裂し、偽者は攻撃のための泡(調整不足で凶悪性能)を吐き続けます。しかも生み出された偽者も本体も耐久力が高いです。ただ結局8ボスなので弱点武器などゴリ押しのためのアプローチがあるので、個人的にはゲイトよりマシ(少なくとも戦っていて楽しい)です。
ナイトメアマザーは2体セットで部屋を回転し、デビル系のように攻撃時にしかダメージを与えられないストロングタイプのクソボスです。属性攻撃も内容次第では回避不可能に近くなり、最も運要素が高いです。
関連作品、関連おすすめ作品
・『Cuphead』『Dead Cells』『Hollow Knight』『ブラッドステインド:リチュアル・オブ・ザ・ナイト』:横スクロールの名作。