良作。『バットマン アーカム・アサイラム』レビュー

ワーナーブラザーズ

始めに

 『バットマン アーカム・アサイラム』レビューを書いていきます。

独創性完成度快適さボリュームフィクションその他判定
884690優(35)
  • 遊びもキャラゲーとしても完成度が高い
  • マップの作り込み
  • 後のシリーズと違ってオープンワールドではない

ゲームフィクションについて

あらすじ

 ゴッサム・シティを守るバットマンは凶悪犯ジョーカーを捕縛し、凶悪犯を収容する精神病院アーカム・アサイラムへ連行します。 

 大人しいジョーカーに違和感を覚えるバットマン。アーカムへと連行されたジョーカーは逃亡、部下のハーレー=クィンとアーカムを占拠し、凶悪犯たちを次々と解放、人質を得て立てこもります。

バットマンの集大成たるシリーズ

 アーカムシリーズ(AA.AC.AN)はバットマンのコミックやティム=バートン監督『バットマン』『バットマン リターンズ』、クリストファー=ノーランの『ダークナイト』三部作(1.2.3)など、関連作品のさまざまなエッセンスを抽出しつつ、バランスの良いバットマンの世界観をデザインしています。

 ベースは松竹大船調風のノーラン版のようにも見えますが、ハードでシリアス一辺倒なノーラン版には欠けている、バートン版にある人工的な世界の醸す独特の不気味で愛嬌のあるムードが演出されてもいます。

ロケーションの作り込み

 本作は治療矯正施設であるアーカム=アサイラムが舞台です。ドイツ表現主義の作品(『カリガリ博士』)などを連想させる、人工的な世界の醸す独特の雰囲気が印象的です。

 クトゥルフが元ネタですが、独特のおどろおどろしいムードが出てます。

ゲームメカニクス

戦闘

 シリーズ伝統のフリーフローコンバットを確立しました。『Marvel’s Spider-Man』に真似されましたが、全体的に本作はステルス要素も含めて『Marvel’s Spider-Man』に似ています。基本的にはボタン連打で攻撃し、攻撃されそうになるとマーカーにそれが示され、その攻撃のバリエーションに合わせて、カウンターや回避など適切なアプローチを選んでいきます。

 ステルス要素もあり、スニーキングによる敵の制圧も重要になり得ます。

 とはいえ、本作はまだシリーズのなかではアプローチに乏しいです。ボス含めて敵もバリエーションが少ないです。

アドベンチャー

 アーカム=アサイラムがマップになります。バットマンの武器となる諸々のガジェットをアプローチとして探索を展開していきます。

 後続の作品よりはマップの規模が小さいです。また探索モードと呼ばれる地形無視してNPCの位置や状態を確認できるモードが強すぎて、ナーフされていきます。

関連作品、関連おすすめ作品

・『スリーピングドッグス 香港秘密警察』:フリーフローコンバット。

・『Marvel’s Spider-Man』『グラヴィティデイズ』シリーズ(1.2):飛行が織りなす箱庭探索の魅力。

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