始めに
『バルダーズ・ゲート3』レビューを書いていきます。
独創性 | 完成度 | 快適さ | ボリューム | フィクション | その他 | 判定 |
10 | 10 | 4 | 10 | 8 | 5 | 優上(47) |
- ほとんどのインタラクティブ性を売りにするゲームを過去の作品にした
- 圧倒的ボリュームとクオリティ
- やや日本人にはとっつきにくいデザイン
ゲームフィクション
あらすじ
本作の主人公となるのは、マインド=フレイヤーとも呼ばれる邪悪な種族「イリシッド」によって拉致され、脳内に幼生を植え付けられたキャラクターたちです。幼生は肉体と精神を蝕むものの、宿主に強大な力を与えてくれます。
キャラクター
世界に深く関わる「オリジンキャラクター」と、自分の分身となる「カスタムキャラクター」がいます。
オリジンキャラクターは、固有の背景が設定されているプレイアブルキャラクターです。7人にはそれぞれ専用の物語が用意されています。主人公に選ばなかったオリジンキャラクターの多くはNPCとして登場し、パーティーに加えられます。
「カスタムキャラクター」は種族、名前、外見、能力を設定できるプレイアブルキャラクターです。つまりアバター式の主人公です。
膨大なテクストの質と量
本作はテクストのボリュームとクオリティが圧倒的で、さながら『ウィッチャー3』などを思わせます。
これほどインタラクティブ性の強いゲームであれば、テクストのバリエーションやクオリティはそう要求できない気がしていましたが、圧倒的なゲームリソースです。
ゲームメカニクス
戦闘
全体的にSRPGテイストで、地形利用、移動が肝要なことから『龍が如く8』を連想します。
ターン制でターンが回ってきたキャラクターは「移動」「アクション」「ボーナス・アクション」などをリソースがなくなるまで使用できます。すべての行動が終了したら、コマンド入力でターン終了できます。
装備中の武器で攻撃する「利き手攻撃」「呪文」などはアクション、「ジャンプ」「突き飛ばし」「回復アイテムの使用」などは、ボーナス=アクションの括りです。アクションには消費コストがあり、使用するたびにリソースを消費します。
またフィールドの環境を活用できます。油の入った樽、水に濡れた地面、高所などは、いずれも、種々のアプローチから敵に大ダメージを与えられます。
アドベンチャー
自由度
この作品は、過去のインタラクティブ性を売りにするRPGやアドベンチャーゲームをすべて過去のものにすると言っても過言ではないくらいのインタラクティブ性に満ちています。エンディングも1万7000通りあるそうです。
原作D&Dのダイスロールシステムが全体に入っていて会話、行動、戦闘まで全てダイスによってランダムに分岐していきます。これによって甚大な量の分岐が展開されていきます。
イリシッド
「イリシッド」の選択肢を選ぶと、幼生からもたらされた力を使って相手の精神を操ることができます。成否判定の目標値が他のスキルよりも低く設定され成功しやすいものの、力を使い続けることによる弊害もあります。
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・『マスエフェクト』シリーズ(1.2.3):インタラクティブなスペースオペラ