感動をありがとう。クソ要素もあるがなんだかんだで神ゲー。『龍が如く8』レビュー

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始めに

『龍が如く8』レビューを書いていきます。シリーズ(0,1[].2[極2].3.4.5.6.7.8.見参.維新.)の8です。

独創性完成度快適さボリュームフィクションその他判定
884983優(40)

ゲームフィクション

あらすじ

 前作から3年後の2022年。春日一番は荒川真澄の遺志を継ぐべく、ハローワークの契約社員となり、元極道の社会復帰に奔走していました。

 ある日、春日・足立宏一・難波悠・向田紗栄子の4人がサバイバーに集まって飲み会を行います。飲み会の後、春日は紗栄子をデートをに誘い、OKをもらいます。翌日、紗栄子とのデートはドラブルがありながらも上手くいくものの、その夜、春日は紗栄子にプロポーズします。紗栄子からは友達でいようと言われ、その後に春日が送ったメッセージも既読スルーされます。

 それから1年後の2023年。春日はハローワークの契約社員として日々仕事に勤しんでいました。しかし、契約終了を言い渡され、職を失います。その後に絡んできた動画配信者達から、1年前に自分が元極道に仕事を斡旋した件が「多々良チャンネル」という告発系動画チャンネルに取り上げられ、そこで春日一番は仕事の斡旋を見返りとして元極道を食い物にしているという事実無根の告発がされていたことが理由と知ります。

 突然ハローワークをクビになったのはこの動画が原因であり、さらに難波も突如職場をクビになり、足立も自身の会社を閉める羽目になってしまう。

W主人公だがその実…

 今作は春日一番と桐生一馬のW主人公となり、春日パートではハワイでの母親探しの旅が、桐生パートでは癌になったことをきっかけにエンディングノートを作ることで自身の人生を振り返っていく展開が描かれます。

 舞台は、前作からの伊勢佐木異人町と神室町に加え、シリーズ初の海外ステージとなるハワイ・ホノルルシティが登場します。

 ただW主人公ですが、桐生メインのストーリーです。

黒歴史6へのフォロー

 6のシナリオがあまりにひどくて、世間でも賛否両論というよりはほぼ否定的意見一色でした。シリーズのテーマである「ヤクザは他人を幸せにできない」すらエンディングで裏切るという、桐生サーガの完結編にあるまじき内容でした。

 公式としてはあれを黒歴史と明言できない一方で黒歴史なのは否定できないので、本作は「ヤクザは他人を幸せにできない」というテーマをうまく物語の中で展開し、そのシリーズでの活躍と人生に桐生が決着をつける内容になっています。

春日の扱いの悪さ

 一方で、本作は春日の扱いが悪いです。正直いてもいなくても話が割と成立するレベルです。

 7で因縁のある人物とのドラマがあらかた回収されてしまったこともあり、春日のパートのドラマは緩急に乏しいです。春日の物語は7で完結した印象もあるので、9は新主人公でもいいかもしれません。

ゲームメカニクス

戦闘

基本

「新ライブコマンドRPGバトル」と銘打ち、「7」から採用されているアクションとRPGコマンドシステムが融合したバトルを継承します。前作と比較し、キャラクターの移動が可能になったり、吹き飛ばし攻撃が強化されるなど、アクション性が進化しました。
桐生に関しては条件を満たすと一定時間「6」までと「7外伝」のアクションバトルに変化します。

前作の課題

 7は演出は楽しくその面では従来通りのヒートアクション風の戦闘だったものの、ゲームメカニクスのデザインとして優れているかというと、首を捻りました。7ではコマンド選択受付中も、つねに各ユニットが動き回っているのですが、うまくそれにタイミングを合わせて自動車などの地形ギミックや仲間ユニットのそばに攻撃で敵ユニットを吹っ飛ばして移動させられると、追加のダメージが入りました。またタイミングよくガードボタンを押すとジャストガードになってダメージが減少しました。

 しかしこうしたギミックをとりいれたことにより、一回一回の戦闘が煩雑でテンポの悪いものになっていました。印象として『シャドウハーツ』シリーズ、『ブレイブリーデフォルト』シリーズ(1.second.)、『オクトパストラベラー』(2では改善)と近いです。攻撃動作の前後に移動を挟むため、戦闘に時間がかかります。またユニットが地形にはまってなかなか攻撃動作にうつれない(数秒後ワープするものの)ことすらままあります。しかも、7ではこのリアルタイムアクションによる追加ダメージなどは微々たるものなので、ジャストガード以外はほぼ形骸化しています。

マイナーチェンジ

 一方で、本作8では、キャラクターの移動が可能になったり、吹き飛ばし攻撃が強化されるなど、地形利用が有効なアプローチとして機能するようになりました

 また主人公以外の仲間に設定されている絆レベルが設定され、絆レベルが上がることにより控えメンバー時の経験値取得効率の上昇や転職できる職業の開放、「絆技」という連携技の習得ができ、これは前作から継承、マイナーチェンジされてます。この絆技や絆連携が有効なアプローチになり、リアルタイムの移動に戦略性が生まれました。

 環境利用や位置どりによる戦略性はSRPGのような趣があり、最近だと『バルダーズ=ゲート3』とやや重なります。

前作から残る課題

 しかし前作からあった、一回一回の戦闘が煩雑でテンポの悪い印象はなお拭えません。特に敵が固く、耐性が優秀なのは相変わらずのこと、序盤と中盤にかけての全体攻撃のアプローチも減っています。

 とはいえ基本システムは大きく改善されたので、マイナーチェンジでゲームテンポを改善すれば更に化けそうです。

育成

ゲームバランス

 前作もそうだったし、シリーズでは0とか維新もそうなのですが、とにかく育成周りのデザインが劣悪です。近いのは0で、育成のための効率なアプローチの偏りが著しいです。

 地下ダンジョンに通えるようになると、ゲームバランスが崩壊します。レベル上げも金策もダンジョン一択になっています。前作も似たような感じでしたが、このため脇道へ進んで鍛えるとヌルゲー化するのに、脇道を無視すると敵の異常な硬さに苦しみます。

 おそらく、ゲームボリュームを考えると、緻密な育成バランスのデザインは難しいのでしょうが、バランスの悪さは相変わらずです。

 ジョブとデッキビルド

7」のハローワークを踏襲したジョブシステムが継承されています。本作のジョブチェンジは、ハワイの旅行代理店「アロハッピーツアーズ」の本店と支店にある「アロハピルーム」で行います。

 本作は前作と変わって、ジョブ固有のスキルにおいて他のジョブでの扱いにおいて、極技継承として、指定の枠数の中から他のジョブから継承するジョブを選択します。これによってデッキビルドの戦略性と自由度が増しました。

アドベンチャー

ドンドコ島

 ゴミだらけの島「ドンドコ島」内に散らばるゴミをバットで壊して資源を集め、家具からキャバクラやコンビニなどの施設までDIYで作り、島を発展させるプレイスポットです。ゴミ処理企業「クリーンパイレーツ」を撃退して治安を守りつつ、島を一流リゾートに育て上げていきます。

 あつ森のパロディですが、まあまあ面白いです。ただなぜかどう森よりも牧物シリーズみたいなタイムリミットのシビアさで、とにかく一日が忙しいです。

スジモンバトル

 「スジモンバトル」が前作のスジモン要素に追加されました。

 街中でエンカウントする敵はスジモンとして捕まえることができ、進化や覚醒システムもあります。さらに「スジモンガチャ」というガチャが存在し、レア度の高いスジモンを手に入れられます。

 ポケモンのパロディでそこそこの完成度ですが、ゲーム性ではパロディの範疇を出るものではなくて、突き抜けた面白さはありません。

総評

調整不足は目立つものの、ボリュームが圧巻の神ゲー

 悪いところもかなり目立つし、戦闘もマイナーチェンジに成功しつつ、ゲームバランスの調整が大味だったり、減点要素が多いですが、それ以上にゲームのボリュームとクオリティは相変わらずやはり日本のメーカーのトップランカーであること、それに6ではなくて本作で桐生の物語を完結させてくれたことへの感動が大きく、シリーズファンとしては神ゲー評価です。

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