ほぼ何も進化してないのがクソだがギリ良作。『ガレリアの地下迷宮と魔女ノ旅団』レビュー

日本一ソフトウェア

始めに

『ガレリアの地下迷宮と魔女ノ旅団』レビューを書いていきます。地下迷宮シリーズ(1.2)の2です。

独創性完成度快適さボリュームフィクションその他判定
654861良(30)
  • デッキビルドがやや改善した
  • 戦闘テンポが改善
  • 前作の悪いところがそのまま

ゲームフィクション

あらすじ

 プレイヤーは、魔女マダム=マルタが所有する降霊灯(こうれいとう)に宿った魂として、ガレリア宮に眠る奇品(きひん)を探すため、大迷宮攻略を試みようとします。

規制の盲点を突くどぎついテクストによる描写

 パワポケシリーズがいい例ですが、CEROによる表現規制は映像に対するものが中心でテクストに対しては緩いので、その盲点を突く形で日本一ソフトウェアの作品はしばしば陰惨な暴力や性表現を作品に散りばめつつ、ランクBやCの扱いで済んでいました。

 本作も前作同様にえげつない暴力や下ネタをテクストで徹底的に展開するため好みは分かれそうです。深夜アニメとかとん○○○のお笑いみたいなノリで、徹底的に弱い女性や子供をセクハラや暴力、嫌がらせでいじめ抜いて笑いをとるみたいな展開が多いです。

シナリオについて

 フィクション部分は良くも悪くも前作通りです。テクストベースですが、シナリオは完成されています。ただトゥルーエンドみたいなのが隠しダンジョンクリア後なのと、一部伏線は解釈に委ねられていて、きちんと回収されません。それとやっぱり全編紙芝居に近いのは物足りないです。

 シナリオよりも、ゲーム性のほうがずっと問題です。

ゲームメカニクス

デッキビルド

ファセット

 パーティメンバーとなる人形兵の職業であるファセットは初期は6種類であり、魔女嘆願で増やせる6種類と合わせるとベースが12種類、また通常ファセットのマイナーチェンジ版(裏ファセット)が12種類、全24種類が設定されています。ほぼコンパチユニットが12種類ではありますが、とはいえだいぶ増えました。

 ファセットが覚えるスキルは魂移しをで全て引き継げ、スキル所持数の制限もなくなりました。固有スキルと初期選択スキルはレベル99で魂移しをした場合のみ引き継げます。
 一方でスキル自体にコストが設定され、規定のコスト内でセットするコスト制となりました。
 総コストはファセットのアニマクラリティによって決まり、アニマクラリティは魂移しによって増えます。

ドナム

 カヴンを組む際の結魂書を分解し、結魂書のドナムに対応するドナム奇書を生成することが出来るようになりました。
 これにより結魂書のドナム空きスロットに特定のドナムをセットできます。これにより、ドナムだけ結魂書に移せるようになり、戦略の幅が広がりました。

総評

 全体的にデッキビルドに関しては、前作よりやや改善した印象です。前作は抜きん出て強いファセット(マージナルメイズ)がいて、それと盾役ファセット(ピアフォートレス)がいれば、あとの物理職は状態異常要員でしかない、みたいな感じだったのが、本作では物理職にテコ入れがされて、どれも扱いやすくなっています。

 とはいえ、後述の物理ハメ戦法があり、結局のところいろんな要素があってもルールや育成の手間が複雑、煩雑になっただけで深い遊びにつながっていないという前作からの傾向は変わりませんファセットやら結魂書やら装備やら、とにかく要素が増えすぎて劣悪なUIも相まって管理が面倒です。

 正直、本作のデッキビルド、戦闘要素はあまり成功していると思わないので、3があったら変えてほしいです。探索要素は素晴らしいので。

戦闘

新要素

 リインフォース(RF)を用いた降霊灯スキルは種類が増え、見えないものを見えるようにする「シャインライト」、戦闘時行動速度を増やす「ヘイストフォース」や、行動順序とターゲットが分かる「タクティカルフォース」が追加されました。

 戦闘もより高速化できるモードが追加されました。これはありがたいです。

 ただゲームバランスの悪さやテンポの悪さは相変わらずです。

バランス

 与スタン値が高いスピードタイプのアタッカーでスタンを奪い、ドナム要員で大ダメージを与え完封する、というのが本作のセオリーです。なので結局マージナルメイズ詰め込んだアタッカーでドナム乱舞するのが安定だった前作とそう変わりません。
 ヘイストフォースで素早さを補いやすくなっているため、スタン値の高いアタッカーでスタンさせやすくなってます。

 要素の多さから煩雑かつ複雑になっているものの、結局前作と同じく、効率的なアプローチが限られ、遊びの深さにつながっていません。

総評

マイナーチェンジに成功できていない

 『ドラゴンズドグマ』シリーズ(1{DA}.2)などと近く、無印は独創的な要素があって、マイナーチェンジで化けそうなポテンシャルを秘めているものの調整不足でかなり遊びづらく、続編でテコ入れが期待されていたのに、ちょこちょこ要素が強化されつつも、根本的なシリーズの問題点には手付かずのまま放置されている感じです。

 リインフォースによる探索要素は画期的だっただけに、演出を強化して、戦闘とデッキビルド要素をもっと整理したら随分見違えそうです

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