クソゲー気味で鉱山ゲー。『ドラえもん のび太の牧場物語』レビュー

マーベラス
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始めに

『ドラえもん のび太の牧場物語』レビューを書いていきます。

独創性完成度快適さボリュームフィクションその他判定
753771良判定(31)

ゲームフィクション

あらすじ

 夏休みの自由研究をしていたのび太は、空き地で謎の種を発見、これを育てます。のび太と仲間たちが見守る中、種は成長して大樹となり、タイムホールが現れのび太たちは大樹と中に吸い込まれます

 目覚めると大樹をシンボルとする「シーゼンタウン」にいました。少年・ランチと出会い、のび太たちは町の人々を助けつつ、帰還する方法を探します。

キャラゲーとして豊かな仕上がりのアドベンチャー

 牧物シリーズやルンファクシリーズ(1.2.3.4[S].5)は、作業ゲーとキャラゲーのアドベンチャーという要素の魅力が根幹ですが、本作はとにかくキャラゲーとしての魅力がしっかりしていて、演出もリッチで豊かです。

 シナリオ自体はすごく伏線があったりするわけではないものの、イベントや原作キャラ、オリジナルキャラの見せ方が充実しています。劇場版ドラえもんを鑑賞しているかのような感動です。

 グラフィックもあたたかみのある細やかなデザインで、癒やされます。続編もここは共通です。とはいえ本作はシステム面は調整不足です。

ゲームメカニクス

エコノミー

スローライフという名の忙しいエコノミー(収集、農業シミュレーション)

 『牧場物語』シリーズといえば、似たような雰囲気の『どうぶつの森』シリーズ(無印,おい,街へ.とびだせ,あつ)と比べると遥かに忙しく、毎日動き通しになることが知られています。まるで都会の喧騒に疲れて田舎へ逃れてくる、もやしどもをわからせようとするかのようです。プレイヤーは毎日朝から挨拶まわりや農業に精を出し、それがすんだら鉱山に入ってボロボロになるまで探索…というのを過労死寸前まで主人公を追い込みながら毎日続けます。

 どういうことかと言いますと、実際のところ本シリーズも『どうぶつの森』シリーズ(無印,おい,街へ.とびだせ,あつ)同様、こなさないとゲームオーバーになるようなノルマはないため、何もせず漫然と生活していてもいいのですが、増築やアイテム収集、イベントの回収など、何か目的を持ってゲームにコミットしようとすると、たちまちやるべきことが芋づる式に増えていき、それに一日や一年といったリアルタイムで進行するタイムスパンの短さ、時限イベントなどの存在があって、毎日のスケジュールが過密です。

 なので本シリーズを遊ぶ場合は、初心者はそうした部分を踏まえて自分のニーズに合っているか考える必要があります。しかも本作はゲームバランスが悪く、特に鉱山ゲーです。

バランス

 本作はとにかく要求される金、資材などのリソースが多過ぎるため、このせいで設備や資源に投資した資金を回収することすらままならず、ある意味リアルなスローライフを体現しています。普通に農業をやっていても全然儲かりません。

 金策の必要性とアプローチの少なさから、体力以外にほとんど資本のいらない鉱山労働が金策の最適解になってしまっています。このせいで牧場物語というより炭鉱物語になっています。シリーズではミネラルタウン(再会)も結構鉱山ゲーで、鉱山のボリュームがありえない規模になっていましたが、ただここまでシリーズの中でも鉱山一強で劣悪なバランスの作品はなかなかないです。

 このシリーズは作業ゲーなのですが、作業のバランス調整に失敗しています。続編で改善するのでそちらをおすすめです。

総評

アドベンチャー要素はいいものの、作業ゲーとして

 キャラゲー、アドベンチャーゲーと作業ゲーてしての魅力が作品の二輪の根幹ですが、作業ゲーとしてのデザインが劣悪です。

関連作品、関連おすすめ作品

・『ドラえもん のび太の牧場物語 大自然の王国とみんなの家』:最近のおすすめ牧物

・『スターデューバレー』:牧物ライク。

・ライザのアトリエシリーズ(1.2.3):エコノミーとクラフトの魅力

 

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