個人的にはアイスボーンのほうが好き。『モンスターハンターライズ:サンブレイク』レビュー

カプコン

始めに

『モンスターハンターライズ』レビューを書いていきます。ライズ込みの評価です。

独創性完成度快適さボリュームフィクションその他判定
85863優(38)
  • 過去最高のアクション
  • 武器バランスのよさ
  • ゲームバランス崩壊
  • マップがスカスカ
  • エンドコンテンツも水増しで薄味

ゲームフィクション

あらすじ

 カムラの里で暮らす主人公は、「猛き炎」として里の人々に親しまれています。

 ある日夢から覚めた際、幼馴染のヒノエとミノトが里長フゲンからの伝言を伝えに主人公のもとにきます。彼女らとフゲンの元に向かった主人公は、フゲンから近々、百竜夜行が起こると聞きます。百竜夜行とは、今から50年前にカムラの里を大勢のモンスターたちが襲撃した事件です。

 数日後、初の百竜夜行の防衛に成功した矢先、謎のモンスターが襲います。逃げ延びた後でフゲンにそのことを話すと、そのモンスターは「怨虎竜マガイマガド」といい、50年前の百竜夜行で多大な被害を出したモンスターでした。フゲンは主人公にマガイマガドの狩猟を依頼。

 無事にマガイマガドの狩猟を成し遂げた主人公でしたが…。

和風のモンハン

 本作はナンバリングではなくてXXのような派生作品で、他作品とは毛色が違っていて、和風のテイストを中心にしています。

 モンスターも妖怪としてのモチーフが設定されていて、演出やBGMもそれに沿うものとしてデザインされています。

 サンブレイクでは南蛮風の趣が取り入れられ、さながら戦国期の南蛮文化のような様式でもって、中世から近世のヨーロッパ的なデザインのもとでモンスターやストーリーが展開されていくデザインです。

ストーリーはワールドよりいい気がする

 サンブレイクよりアイスボーン派ですが、ストーリーはサンブレイクのほうがいいと思います。

 大まかな流れは、生態系に異変があって、元凶となるモンスターを特定して〜、みたいな感じで共通ですが、ライズとサンブレイクのほうがストーリーがベタに盛り上がるのと、ワールド受付嬢みたいな不快感を煽るキャラクターがいないです。キャラクターもライズ、サンブレイクのほうが印象に残ります。

グラフィックは退化

 グラフィックは仕方ないですが、大きくワールドから後退しました。

 全体的にオブジェクトが減っていて、デフォルメ化されているデザインです。

 ただワールド(IB)の生々しい感じよりちょっとアニメっぽいライズのほうが好きな人もいるかもしれません。

ゲームメカニクス

アクション

翔虫と入れ替え技

 新要素の翔蟲がワイヤーアクションとして追加されました。戦闘と移動、共通のアプローチです。新アクションはIBの「クラッチクロー」やXXの「狩技」と連続的な感じです。

 任意方向へ飛ばすことで空中へ飛ぶ「疾翔」、ふっとばされたとき納刀しながら体勢を立て直す「翔蟲受け身」、武器種ごとの攻撃や移動アクションの「 鉄蟲糸技 」など、さまざまなアクションが追加されています。

 「翔蟲受け身」はダウン中の無敵がなくなってしまうリスクは増えたものの、追撃のリスクを回避することができます。
 「疾翔け」で壁に飛びつくと、そのまま壁走り状態に移行します。ほぼ全ての壁で可能で、スタミナを大量に消費するものの、ブレワイみたいに見える場所はどこでも移動できます。
 翔蟲アクションリソースの翔蟲は常時2匹あって、使うごとにゲージ回復のインターバルがあります。使いどころを見極める必要があります。またフィールド上には野生の翔蟲もいて、収集することで一時的に翔蟲を3匹使えます。

 また武器種ごとに「 鉄蟲糸技 」などの特定のアクションを「入れ替え技」として変更でます。最初は武器ごとに1種類のみ使用で、3種類まで増えます。

 新アクションはクオリティが高く、戦闘のアプローチが増えていて、戦闘アクション面はシリーズ最高の完成度と言えます。翔蟲によるスピーディーでバラエティに富んだアクションを楽しめます。

操龍

 『モンスターハンター4』以降の「乗り」に代わって操竜が追加されました。大型モンスターを鉄蟲糸で絡め取り操るものです。
 今作では、鉄蟲糸技や空中攻撃、大型モンスターの同士討ち攻撃で「操竜蓄積値」が上昇、一定値に達すると大型モンスターは操竜待機状態となり、このときに操竜できます。
 操竜が発生するとハンターはモンスターの背に乗り、制限時間中に移動・弱攻撃・強攻撃・突進離脱・回避等の動作でモンスターを自由に操れます。

 最初は楽しいし要所要所の操竜はストーリー的に盛り上がるものの、乗りと同様拘束される期間が長くて次第に面倒になります。マルチでも、乗りとちがってDPSそれほどでもないため敬遠する傾向も強いです。
 

サンブレイクからの要素

 全ての武器に鉄蟲糸技2種と入れ替え技1種を新たに追加しています。ライズの時には入れ替えに対応していなかったアクションや鉄蟲糸技が入れ替えられるようになっています。
 また戦闘中に入れ替え技のセットを切り替えられるアクション「疾替え」が追加。疾替えの書【朱】と疾替えの書【蒼】を入手し、それぞれに好きな入れ替え技をセットして、任意のタイミングで別のセットに変更できます。

 全体的にアクション部分はアイスボーンのような大きな変更はありません

デッキビルド

オトモガルク

 アイルーに続く新たなオトモとして「オトモガルク」が追加。オトモガルクは攻撃性能と機動力、移動能力に強みがあります。
 オトモガルクに騎乗したハンターはスタミナの消費なしに、高速で移動できます。騎乗したまま採取のほか、砥石・回復薬などのアイテムを使えます。この砥石とアイテム使用のフォローが強力で、他方でこのせいで砥石関係のスキルが死にスキルにもなっています。
 プレイヤーはアイルーとガルクのうち最大2体を好きな編成でクエストに連れていきます。

傀異錬成

 傀異クエストで入手した傀異素材を使った装備の特殊強化で、サンブレイクのエンドコンテンツです。MR装備のみ対応。
 武器の傀異錬成はまず武器の傀異スロットを開け、そこに攻撃力アップ、属性アップ、会心率アップなどの効果を取り付けます。『MHW』のカスタム強化とかなり似ています。錬成には傀異素材が必要です。
 防具の傀異錬成は「精気琥珀」という傀異討究クエストの報酬アイテムを消費してします。錬成結果は防御力や属性耐性の上下、新たなるスキルの追加、既存のスキルの強化/消失、スロットの追加/拡張となのですが、これがランダムで付与します。
 つまり防具はガチャです。マムのガチャとかもアイスボーンで評判悪かったですが、このガチャもなかなか苦行でうんざりします。

クエスト

新システムクエスト「百竜夜行」

百竜夜行がライズで新クエストとして追加。「タワーディフェンス」的なクエストです。大型モンスターの大規模襲来を「 翡葉 ヒヨウの砦」という特殊フィールドで迎撃します。

 普通のクエストと違って、さまざまなユニットをマップに配置して戦闘に協力させていきます。配置可能ユニットには制限があり、使いどころを見極めて設置していきます。
 新たに「ヌシ」という系統のモンスターが登場するのですが、百竜夜行では特定のモンスターが「ヌシ」としてラスボス的に出てきます。

 この百竜はつまらなくはないもののかなり微妙なクオリティで、それとモンハンの遊びとずれている印象もあって、評判も微妙だったらしくてサンブレイクで廃止されました。

サンブレイクからの傀異化モンスターと傀異調査クエスト

 傀異化モンスターはMRを解放した後に挑めるようになる特殊なモンスターです。キュリアに寄生され、外見が赤黒く変色している他、攻撃力と耐久力が通常個体よりも上昇しています。傀異化したモンスターの狩猟は、捕獲ができず討伐のみです。

 傀異化モンスターが怒り状態になることで体の各部位に「傀異核」という赤いエネルギーの塊が発生。この傀異核は攻撃で破壊でき、モンスターに肉質無視の固定ダメージが入ります。傀異核への攻撃も含めて傀異モンスターに十分なダメージを与えると「傀異鈍化」となり、傀異化の解除と同時にモンスターが長時間ダウン、逆にダメージが不十分だと一定時間を経た後に「傀異バースト」と呼ばれる大爆発を発動します。そのため、傀異化モンスター戦では、傀異バーストを発動させないためにDPS計算が重要です。

 傀異化モンスターを狩るには傀異クエスト、傀異討究クエストがあります。
 傀異クエストに登場するモンスターの狩猟や部位破壊を達成すると確率で傀異討究クエストが手に入る。このあたり『MHW(IB)』の調査クエストに近い感じです。
 傀異討究クエストではクエストにレベルが設定され、レベルが上がるごとにモンスターが強くなります。また、生成される度にクエスト条件がランダムで決定され、『MH4(G)』のギルドクエストみたいな感じです。
 傀異討究クエストで入手できる傀異素材は、特殊な強化に必要です。
 Lv300の傀異討究クエストをクリアするとモンスターの強さが強化された特別討究クエストが現れます。

探索

 ライズのマップは、とにかく広いだけでスカスカです。ハードの制約で仕方ないですが、探索が本当に退屈です。マップに点在する隠しアイテムがあってそれを拾う要素があるものの、ほとんど翔虫のチュートリアル的な感じなので、一回回収すると移動が本当に虚無です。

 ライズの場合、ガルクという犬にのった高速移動ができるものの、広いばかりのマップを駆け抜けるのが爽快感がなかったです。

 あとライズはマップの見える範囲どこでも翔虫で移動できるものの、ワールドのマップが生々しく密度の詰まってるのと違って、何もない場所ばかりで、移動の自由度の楽しさに乏しかったです。むしろ段差が増えて上り下りが億劫でした。

You cannot copy content of this page

タイトルとURLをコピーしました