良作。『仁王2 Complete Edition』レビュー!!

コーエーテクモ
この記事は約20分で読めます。

始めに

始めに

今日は『仁王2』についてレビューを書いていきます。前作のマイナーチェンジです。

独創性完成度快適さボリュームフィクションその他判定
8731073優判定(38)

ゲームフィクションについて

あらすじ

 1555年。人と妖怪の間に生まれた主人公・秀千代は、美濃の国に暮らしていました。ある日、秀千代は妖怪としての力を制御できなくなります。 そんな主人公を止めたのは「霊石」を売り歩く・藤吉郎でした。二人はコンビを組んで、やがて「秀吉」という名を主君の織田信長より与えられます。

伝奇ロマン。あっさり気味なドラマ。熱い演出。リプレイ性との両立

 この作品は伝奇ジャンルになっていて、深作欣二の映画(『里見八犬伝』)のような、外連味ある演出が楽しめます。

 ストーリーは全体的に説明不足、描写不足ではあるものの、周回前提の内容なのでこの程度でいいと個人的には思っています。『エースコンバット7 スカイズ=アンノウン』もそうですが、ラスアス2などが周回すると胃もたれするような演出なのと対照的に、BGMと演出が盛り上げる熱いシチュエーションはリプレイ性と両立されているので、ムービーなどの物語的な要素もこの程度の分量でいいのだと考えています。

そうはいえどもやっぱり説明不足

 リプレイ性と熱さを両立しているとはいえ、説明不足、描写不足は確かに欠点にもなっていて、無明などのキャラクターの掘り下げなどはもう少し頑張って欲しかったところです。全体的に設定倒れというか、キャラクターにしても設定にしても作るだけで満足してドラマに繋がらないみたいな要素が多いです。

ゲームメカニクスについて

フロムゲーオマージュ。ソウルライク。ハクスラ。デッキビルド

 システム的にはソウルシリーズ(1.2.3)の影響が顕著ですが、パクリとは呼ばせないという制作者の意気込みが伝わってくるかのような力の入った作り込みです。このシリーズのならでは特徴は、ズバリ『ディアブロ』シリーズ(1.2.3[EC].4)のようなハクスラ要素と自動生成ダンジョン要素、装備のデッキビルド要素です。

 「ハクスラ」とはランダムに敵やその他オブジェクトがドロップするアイテム、装備を収集するゲームメカニクスです。ランダムドロップの装備はシリーズがあり、そのシリーズで装備を統一するとステータスに補正値を得られます。そうして装備のデッキビルドを試みるのがこのゲームの肝です。

 またクリア後に奈落獄というステージが解放され、これは自動生成のダンジョンになっていて、さらに強力なボスや装備が現れます。調整不足、リソースの使い回しも目立ちますが、ブラボの聖杯ダンジョンよりは全然遊びやすいです。前作の無限獄から若干改善されています。ボスも同時二体とかはなくなりました。

戦闘(構え、武器種のバリアブルアクション)、気力管理、残心、カウンター、妖怪技。妖怪化

 このシリーズの戦闘の特徴として、構えと武器種の変更によるバリアブルアクションがあります。相手に合わせて構えを変更して立ち回ります。武器種はいずれも作り込まれ、深いです。とはいえ飛び抜けて仕込み棍棒が強く、斧など使いづらいものもありますが。構えは『Rise of the Ronin』に流派として継承されます。

 ソウルライクとして、気力ゲージの管理があります。気力が切れるとダウン状態になり、この時は組み打ちという強力な攻撃を決められてしまいます。よって相手の気力切れを狙いつつ、気力の管理が要求されます。また残心というシステムがそれに関連してあり、攻撃や回避の後、タイミングよくコマンド入力すると気力消費を抑えられます。ソウルシリーズ(1.2.3)と比べて、スピーディな戦闘が楽しめます。

 また『仁王2』では特技というカウンター技と妖怪技が追加されました。これは共に妖力ゲージを消費して発動します。今作は守護霊というユニットとそれに付ける妖怪の御霊のユニットがあります。守護霊に三系統あってそれぞれ固有の特技=カウンター技を持ち、相手が体を赤く発光させた後に発動する技に対してカウンターを決められます。また、妖怪技は強力で、エネミーユニットを倒すとドロップする御霊を守護霊にセットしてデッキを構築します。前作の九十九に当たる妖怪化が使い物にならないほど弱いため、心強い武器になっています。

理不尽で調整不足もあるが、爆速ロードがフォロー。とはいえ…

 この作品はマップのデザインがいい加減で、ボスも土蜘蛛、鎌鼬、ハヤブサ、利三など遅延と割り込みの多さが調整不足の敵もいますが、それをフォローするようなローディングの短さがあって、ストレスを感じさせません。

 とはいえ周回するとむしろノイズになる感じの劣悪なエリアのデザインは前作から全く改善されていないのでなんとかして欲しいところ。

『Complete Edition』

 コンプリートエディションはDLC3種類を組み入れた内容になっています。DLCは新武器と新エピソード三編、エンドコンテンツ奈落獄です。追加エピソードはシナリオはひどく、ボスも土蜘蛛などクソボスが多いですが、エンドコンテンツが大ボリュームなのでおすすめです。

総評

調整不足はあるものの深い遊びとボリューム

調整不足はあるものの、遊びやすくかつ深い遊びに満ちていて、ソウルのパクリなんて言わせないくらいの独自の魅力に満ちてます。

関連作品、関連お勧め作品

・『Wo Long: Fallen Dynasty』:シリーズの派生作品。

・『バイオハザード リベレーションズ アンベールドエディション』,『ボーダーランズ』シリーズ(1.2.3):ハクスラ

・『スター・ウォーズ ジェダイ:フォールン・オーダー』『Sifu』『Lies of P』:パリィ主体の他社ソウルライク

 

 

You cannot copy content of this page

タイトルとURLをコピーしました