始めに
『牧場物語 Welcome! ワンダフルライフ』レビューを書いていきます。
独創性 | 完成度 | 快適さ | ボリューム | フィクション | その他 | 判定 |
8 | 7 | 4 | 7 | 8 | 0 | 良判定(34) |

独創性を鑑みて35にするか悩みましたが、もやもやしたところも多くこの評価に
- 人生や子育ての大変さを描くという例を見ないシュミレーション
- 全体的にハイクオリティ
- 今となっては時代錯誤な結婚と育児強制要素
- 自由度に子育て、結婚という枷
ゲームフィクション
あらすじ
はじまりの章は主人公がパートナーと出会い、結婚するまでの物語。結婚しない場合はゲームオーバーです。
誕生の章では、主人公とパートナーに子供が生まれ、めぐみの章では子供が少年に、たわむれの章では子供が思春期・反抗期に、旅立ちの章では子供が青年、黄昏の章では子供が成人し、主人公も老齢となります。

人生を描く牧場物語のリメイク
牧場物語シリーズ自体が独特の内容を持つシリーズ作品ですが、本作はそんなシリーズのなかでもひときわクセが強く、異色作と言える作品のリメイクです。
本作は主人公の成長と老いるまでの人生を描くというなかなか例を見ないデザインになっています。恋愛アドベンチャー要素では子育ての要素が強調され、子供が乳児から大人になるまでが描かれていきます。全6章においてわすれ谷で30年に及ぶ物語になっています。シリーズの他作品と違い、1ヵ月は10日で、1年が40日なので、かなりのボリュームです。
子育てや夫婦生活は、長い年月の中で苦さを伴って描かれます。
年月の重み
本作は三十年という長いタイムスパンの演出が巧みです。架空の30年を共にしたプレイアブルキャラクターの人生の終幕までのシュミレーションは、プレイヤーに感動を与えます。
こうしたコンセプトのゲームがなかなかないため新鮮な感動があります。
ゲームメカニクス
探索
人を選ぶ要素。スローライフ?
シリーズ異色作なので、本作は人を選ぶところはあります。
まずそもそも結婚と子育てがほぼ強制に近く、明確なエンディングとしてのタイムリミットが制限されているため、この時点で合わない人は多いと思います。人生は人それぞれだし、子供を作らなかったり結婚しなかったりする人生も選択できてほしかったという思いは個人的にありますし、やはり時代錯誤なデザインの印象は拭えません。またこうしたデザインはスローライフのコンセプトとも合致しない印象です。
他方で性別はノンバイナリーも設定できるなど、原作からの進化も見られます。
子供
子供に複数のパラメーターがあり、様々な要因で変化し、それに応じて進路が決まります。
友好度は主人公との仲の良さで、低いと反抗期に喧嘩が起こりやすくなります。活力は機嫌の良さで、これも低いと反抗期に喧嘩が起こりやすくなります。やんちゃ度・内気度
は子供の性格に影響します。能力によって子どもの進路が変わっていきます。
恋愛アドベンチャーゲームで夫婦生活や子育ての苦労を描くという類を見ない内容で、ここは非常にドラマティックで面白いです。
エコノミー要素は質量ともに安定した内容
本シリーズは結構調整にムラがあって遊びづらい作品も多いですが、本作品はゲーム部分に関しては安定の仕上がりです。
いつも通り、エコノミー要素は鉱山採掘と農業シミュレーションからなりますが、遊びやすいです。サクナヒメと比べると、農業要素はもっとシンプルで、耕す、時節に合わせて種を蒔く、水をやるにそれぞれワンボタンアクションくらいで済みます。ビルダーズシリーズ(1.2)くらいの感じです。
関連作品、関連おすすめ作品
・『ドラえもん のび太の牧場物語 大自然の王国とみんなの家』:最近のおすすめ牧物
・『スターデューバレー』:牧物ライク。
・ライザのアトリエシリーズ(1.2.3):エコノミーとクラフトの魅力