始めに
始めに
今日は『Horizon Zero Dawn』についてレビューを書いていきます。ホライゾンシリーズ(1.2)の1です。
独創性 | 完成度 | 快適さ | ボリューム | フィクション | その他 | 判定 |
7 | 8 | 4 | 8 | 8 | 2 | 優(37) |
ゲームフィクションについて
あらすじ
文明を失った人類は、動物の姿の「機械」が蔓延る世界で、狩猟・採集を中心とした古代レベルの文明へと著しく後退し、呪術的な実践の中生きていました。
掟を破った異端者である養父を持つ少女アーロイは、ノラ族の土地では出生の謎のせいで「異端者」とされ、部族で虐げられていました。幼いアーロイは、自身の出自の謎を探ろうと思い立ち、ノラ族の義勇兵になるための通過儀礼に挑むことを決意します。
養父ロストから訓練を施され、アーロイは逞しく成長していきます。試練を受けたアーロイは合格するも、直後に謎の集団が部族を襲い、養父ロストは殺されてしまいます。
そしてアーロイは襲撃者を追い、また自身のルーツを明らかにするため旅立ちます。
圧倒的に美麗なグラフィック!しかし既視感も…
本作は圧倒的に美麗なフォトリアルで、自然や機械生命体を描写しています。機械の動きは本当に生物のような生々しい動きをします。ポストアポカリプスの世界観を彩る演出は圧巻で、その中を自由に歩き回れる感動があります。
けれども本作はどうにもキャメロン監督『アバター』と印象が被ったり、ゲームメカニクスにしてもストーリーにしても世界観にしても、ちょっと既視感(FFX.漫画『風の谷のナウシカ』)のあるデザインで、あんまり独創性を感じません。割とこのゲームは一時が万事そんな感じで、なんというか良くも悪くも優等生的なんですが、それゆえ秀でたならではの取り柄が戦闘以外に少ないことと、ちょこちょこある減点が目につき、ゲーム作品として弱いです。『トゥームレイダー』(2013)などと少し近いかもですが、あれよりはかなりマシかもです。
世界と自身のルーツを探るストーリー
本作はアーロイが自身のルーツと世界滅亡と再生の起源を探る物語になっています。少し漫画版『風の谷のナウシカ』などと似ているでしょうか。世界の謎を探るミステリー的な要素はなかなかよく練られているものの、キャラクターのデザインがちょっとベタで薄味なので印象に残らないです。
ゲームメカニクスについて
オープンワールド
本作は一応オープンワールドで、およそ3Dでデザインされた空間がシームレスに繋がっています。けれどもマップの規模や密度、サブイベント、隠し情報の探索といったオープンワールドに期待される要素はボリューム抑えめです。あとMGS5ほどではないですが、見えているだけで登れないエリアが多いです。
印象として、本作のメインの遊びはまず戦闘で、基本的にこの作品は『アンチャーテッド』シリーズ(1.2.3.4)のような、リニアなTPSにおけるマップと自由度がやや拡大したバージョンという印象です。『トゥームレイダー』のリブート三部作(1.2.3)、アンチャーテッド』の4やラスアス2の小規模な箱庭探索エリアをもっと拡大した感じです。なのでガッツリオープンワールドを期待すると多分物足りないと思います。
ブレワイが同年に発売され比較されましたが、かなりゲーム性が違います。『Marvel’s Spider-Man』のような、もっと小規模なステージで、スタイリッシュで奥深い戦闘が楽しめます。
戦闘
基本
本作はステルスと部位破壊を駆使しつつ豊富な武器をうまく使ってバラエティに富んだ機械獣と戦っていく、TPSとなっています。本作は敵のバリエーション、武器やステルスの選択などプレイヤーのアプローチが豊富で、戦闘がとにかく楽しいです。ステルス中もサイレントキルに加えてオーバーライドというハッキング攻撃ができるなど、アプローチが豊かです。
本作はまた攻撃の属性や敵の部位の概念があり、相手に優位に立ち回れる属性のデッキビルドや弱点部位の攻撃などを要求されます。『Dead Space 』(2023リメイク)と近く、豊富な武器種をうまく活用し敵の弱点をピンポイントに攻撃するのが肝要です。
その他のアプローチ
加えてストーリーにも絡むフォーカスという装備はコマンド入力で敵の情報を提供してくれます。行動ルートまで予測してくれるため、罠の設置などに役立ちます。
このゲームの最大の魅力と個性はやはり戦闘だと断言できます。
総評
オープンワールドTPSの佳作
オープンワールドTPSの佳作です。とはいえ探索要素は小ぶりで戦闘が中心です。
関連作品、関連おすすめ作品
・『マスエフェクト』シリーズ(1.2.3):文化人類学SF。
『ラストオブアス』シリーズ(1.2),『バイオハザード リベレーションズ2』,サイコブレイクシリーズ(1.2):資源のエコノミー要素のあるシューター。