始めに
『ゼルダ無双 厄災の黙示録』のレビューを書いていきます。
独創性 | 完成度 | 快適さ | ボリューム | フィクション | その他 | 判定 |
7 | 8 | 4 | 7 | 8 | 1 | 優(35) |
- ハイクオリティな無双
- キャラゲーに向いてない原作
- 神獣戦のクオリティ

ゲームフィクションについて
概要
『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』の100年前を描いた作品です。キャラクタービジュアルやグラフィックは『ブレス オブ ザ ワイルド』準拠です。ストーリーは『ブレス オブ ザ ワイルド』内で100年前に起こった「大厄災」をベースに、ifストーリーが展開されます。
前作と違い、お祭りゲーではなく、ブレワイのスピンオフです。
ifストーリー
本家無双シリーズでもifストーリーは見どころとなっていますが、本作もブレワイ本編から派生するifストーリーになってます。
ブレワイ本編はカースガノンに敗北したあとの戦いが描かれましたが、本作は本編の前日譚を展開しつつ、ifストーリーという要素によってバッドエンドを回避するという意匠が凝らされています。
このようなデザインは極めて好印象でした。
キャラゲーとしての弱さ
本作は面白いですが、キャラゲーとしては本家シリーズに劣ります。ゼルダと四人の英傑がプレイアブルキャラクターで、モーションとアクションのボリュームはしっかりしている一方、本家シリーズと比べるとキャラクターのボリュームが少なすぎます。そもそも元々ブレワイがストーリーやキャラクターに絡むイベントやアドベンチャー要素に重きを置くゲームではないので、キャラゲーとしての作りが弱いです。
結局、本家シリーズの作業感を中和しているのがキャラゲー要素なので、ここは痛いです。
グラフィック
グラフィックは本編から作り直した部分が多いそうですが、デザインは良好です。ハード的な制約がありつつも温かみと不気味さのあるグラフィックに仕上がっています。
とは言えやはりハードと無双ジャンルの相性が悪いのは事実で、フレームレートが低下しやすいです。
ゲームメカニクスについて
ステージデザイン
ステージは最初にブレワイのハイラルの地図が提示され、そこから各地のチャレンジに挑むことを繰り返すというエリア制に近いデザインです。
チャレンジにはメインストーリーのステージである「シナリオバトル」、サイドステージに相当する「バトルチャレンジ」、能力の強化や施設の開放ができる「ハイラルチャレンジ」があります。
オープンワールドでは無くなっていることなどには賛否が分かれるかもです。本家無双シリーズでも三国8(無印)ではオープンワールドを導入して失敗していましたが、このジャンルとの兼ね合いは難しそうです。
戦闘
基本は無双
弱攻撃と強攻撃のコンボによる一騎当千のアクションは本家無双シリーズと共通です。そこに加えてゼルダシリーズのエッセンスが追加されています。
前作よりの要素
前作から雑兵以外の敵のほとんどは特定の攻撃後に、「ウィークポイントゲージ」が一定時間表示されます。攻撃してこれを削り切ると「ウィークポイントスマッシュ」が発動し、敵の体力を減らせます。これはFE無双なんかとも共通です。
ウィークポイントゲージの表示時間は敵が行動不能な状況なら延長されます。空中コンボや必殺技だと、ウィークポイントゲージを削りやすいです。
戦闘における新たなアプローチ
全体的にカウンターのアプローチと、ウィークポイントのためのアプローチが増加しました。リモコンバクダン、属性ロッド、必殺技など、がウィークポイントを出させるアクションが増加しています。
Rボタンを押しながらABXYのいずれかでシーカーアイテム、L+ABXYで3種のロッドもしくは回復アイテムを使えます。シーカーアイテムは本編にあったリモコンバクダン、ビタロック、マグネキャッチ、アイスメーカーの四種です。シーカーアイテムには次の使用までにインターバルがあります。
Lボタンはファイア、アイス、エレキの3属性のロッドと回復アイテムであるりんごを使えます。
Bボタンは通常時は緊急回避、壁際などで使用するとパラセールで滑空できます。
敵の攻撃時にタイミングよく回避すると本編同様ジャスト回避が発動しラッシュが発動できます。『ベヨネッタ』シリーズ(1.2.3)のような感じです。
神獣戦
一部のマップでは神獣を操縦します。前作の魔獣ガノンプレイに近いです。
四神獣ごとに性能が異なり、射撃、防御行動、近接攻撃、必殺技である長時間ビームがそれぞれあります。
とはいえこのギミックにより要所要所が大味でワンパターンな別ゲー化してます。『ベヨネッタ』シリーズ(1.2.3)のデーモン=スレイブを思わせます。