始めに
『Days Gone』レビューを書いていきます。
独創性 | 完成度 | 快適さ | ボリューム | フィクション | その他 | 判定 |
6 | 7 | 4 | 8 | 8 | 1 | 良(34) |
- メロドラマの完成度
- オープンワールドとしてそこそこの質
- 固有の遊びやフィクション要素の希薄さ
ゲームフィクションについて
あらすじ
ある年、謎の疫病がパンデミックとなります。この疫病は、感染者を怪物フリーカーに変貌させ、至る所でフリーカーが人々を襲い、世界中が大混乱になりました。
主人公のディーコン=セントジョンは、妻サラと、バイカー仲間の相棒ブーザーと街からの脱出を図っていました。しかしブーザーが負傷し、さらにサラも重傷を負います。ディーコンは2人とともに救助ヘリで脱出しようとするも定員オーバーのため、ヘリにはサラ一人を乗せ、自身はブーザーと共にその場に残ります。
ポストアポカリプスもののゾンビホラー。ロメロゾンビだが、S=キング、『ウォーキング=デッド』路線でメロドラマ風
本作品はポストアポカリプスもののゾンビホラーです。ロメロ以降の、マシスン『地球最後の男』風の吸血鬼の設定をブードゥーゾンビに転用した、感染症で増殖するタイプのゾンビです。ジョージ=A=ロメロ(『ナイト=オブ=ザ=リビングデッド』)監督のゾンビ映画はニューシネマの影響が強く、ドライでシニカルなブラックジョークを特徴としており、それがアルバート=ピュン監督『プレジャー=プラネット』、サム=ライミ監督『死霊のはらわた』シリーズ(1.2.3)、スチュワート=ゴードン監督作品や、ゲームでは『デッドライジング』シリーズ(1.2.3.4.5)などへと継承されます。
ロメロ以降のゾンビ作品に『バイオハザード』シリーズがありますが、あれは黒沢清監督『スウィートホーム』ゲーム版が原型で、ドイツ表現主義風のゴシックホラーになっているのに対し、本作はマシスン『地球最後の男』風のポストアポカリプスもので西部劇のような荒野が舞台です。またキング『呪われた街』(吸血鬼ホラー)のような、ウェットでリアリズムベースのメロドラマが特徴で、『ウォーキング=デッド』シリーズに特に近いです。
メロドラマとしては良質
本作はラスアスシリーズ(1.2)くらいメロドラマ部分はしっかりした作りです。すごく捻った展開があるわけではないですが、キャラクターもプロットも豊かな陰影をたたえています。
とはいえ、本作固有の魅力には乏しいです。
ゲームメカニクスについて
オープンワールド×ゾンビ
本作はストーリーもそうですが、オープンワールドのデザインにしても、ほぼあらゆる要素が既視感のあるネタです。
ゾンビもの×オープンワールドも『ダイイングライト』シリーズ(1.2)がありますし、あちらはゾンビものにパルクールを取り入れるという斬新なギミックが取り入れられていた一方で、本作はそういう固有の要素がほぼありません。
とはいえエリアのボリュームもクオリティも完成度は高いですし、バイクをメンテナンスしながら荒野を駆ける感動もあります。リソースを収集しつつバイクを強化するのは楽しいです。
できることのバリエーションの少なさ
本作はシューターとしての基本はしっかりしているものの、サブクエストもバリエーションが少なく、できることが少ないので、どうしても『ファークライ』シリーズ(1.2.3.4.5.6.pr.nd)なんかと印象が被ってしまいます。
関連作品、関連おすすめ作品
『ラストオブアス』シリーズ(1.2),『バイオハザード リベレーションズ2』,サイコブレイクシリーズ(1.2):資源のエコノミー要素のホラーシューター。