始めに
『デビルメイクライ4』レビューを書いていきます。DMCシリーズ(1.2.3.4.5)の4です。
独創性 | 完成度 | 快適さ | ボリューム | フィクション | その他 | 判定 |
7 | 7 | 4 | 7 | 6 | 2 | 良(33) |
- ネロがいい初心者フォローになっている
- 難易度がカジュアル
- ダンテ操作がむずかしい
- 使い回しステージ
- クソエネミーキメラ
ゲームフィクションについて
あらすじ
とある大陸沿岸部に存在する街、城塞都市フォルトゥナ。この街には「魔剣教団」と呼ばれる信仰組織が存在します。彼らはかつて人間界を護るために戦ったとされる悪魔「スパーダ」を神とし、スパーダ以外の悪魔を排除することを第一の教義としており、「教団騎士」と呼ばれる独自の兵隊を持ちます。青年「ネロ」も悪魔を排除する使命を持つ教団騎士の一人でした。
教団の「魔剣祭」でフォルトゥナの民衆に説法をしていた教皇「サンクトゥス」が赤いコートの男に銃撃されます。ネロは民衆の避難が完了し、応援の騎士たちが到着するまでの時間稼ぎを自ら進んで受け、一人男に立ち向かいます。
バイオハザードから派生したシリーズ
本作は『バイオハザード4』のプロトタイプがベースになっていることが知られています。そのあたり『鬼武者』シリーズ(1.2.3.4)と印象が被ります。
全体的にゴシックな装いやクウォータービューの見下ろしがた固定カメラ(1.2.3.4)などの演出が共通しています。
スタイリッシュ
本シリーズ(1.2.3.4.5)はスタイリッシュアクションと言われ、全体的にジョン=ウー(『フェイス/オフ』)の香港ノワールや広江礼威作品からの影響が顕著で、スローモーションや二丁拳銃による演出が見えます。
ダサカッコいいというか、キッチュな外連みで魅せてくれます。
パッとしないストーリー
ストーリーは力を入れて作っているらしいのですが、バイオ8にも似てダンテが闇落ちするとは思えない(教団が悪かダンテが偽物の二択)のであまり冒頭もサプライズではなく、しかもネロとキリエのドラマがビジュアルも相まって岩明『寄生獣』の新一と里美そっくりです。終盤のセリフまで似ていました。
5もストーリーにはガッカリでした。
ゲームメカニクスについて
スタイリッシュアクション
本シリーズ(1.2.3.4.5)は基本的にはガードがなく、回避を主体に戦います。その点では『ベヨネッタ』シリーズ(1.2.3)と共通です。またアクションをほとんどキャンセルできるため、これもスピーディなアクションに拍車をかけます。
ダンテは近接武器と銃器を複数の中から1つずつ選んで同時に装備でき、それで攻撃できます。この仕様はシリーズで共通です。
近接武器は実質的には剣術と、格闘術の2種類です。銃器は無限でチャージもできます。
スタイルと新主人公のバリアブルアクション
本作では新主人公として、若き教団員「ネロ」が登場します。悪魔の右腕「デビルブリンガー」と、愛剣レッドクイーンが武器です。コンボに依存せず戦えるうえ、一発の威力が強いため、初心者向けのキャラクターです。壊れスキルも積んでいて初心者救済になってます。3からダンテの手数が増えすぎてとっつきにくくなったフォローだと思われます。
前作からスタイルのシステムが導入されたダンテでしたが、今作か、ミッション中に方向キーを押すと、いつでも好きなタイミングでスタイルを切り替えられるようになりました。
全体的にリソース不足
本作はシリーズ(1.2.3.4.5)のなかではあまり評判がよくないですが、それはもっぱらリソース不足に由来します。
本作はシリーズのなかでもステージの作りがいい加減かつ、使いまわしが酷いです。4までは固定カメラ戦闘なのですが、これも相まって謎解きや移動が直感的にできずにイライラさせられるのはシリーズ恒例でしたが、本作のステージは無駄に広く歩き回らされるうえ、ダンテ編はネロ編のマップを逆走するだけという手抜き具合です。
エネミーもキメラ(本体は無力だが雑魚ユニットに接触すると融合して強力なユニットになる)がクソモンスターなだけで、3よりは面倒な敵は減った一方で、とにかくエネミーのバリエーションが少なく、そのため同じ敵とばかり戦うことになり、キメラも結構な頻度で出てきます。
関連作品、関連おすすめ作品
・『アストラルチェイン』:豊富な戦闘のスタイル、アプローチ。