始めに
『RoboCop: Rogue City』レビューを書いていきます。
独創性 | 完成度 | 快適さ | ボリューム | フィクション | その他 | 判定 |
6 | 8 | 4 | 6 | 8 | 0 | 良判定(34) |
- 高い原作再現度
- 独特のロボコップのユニットとしての性能
- やや大味な遊び
- あまり独自の遊びがない
ゲームフィクション
概要
映画『ロボコップ』を原作とします。『ロボコップ2』と『ロボコップ3』との間を繋ぐオリジナルストーリーです。
高い原作再現
全体的に原作再現のクオリティが高いです。
舞台のデトロイトも、映画の世界の雰囲気を巧みに捉えています。原作はレトロフューチャージャンルとされ、近未来世界を舞台としつつもオンタイムの風俗の生臭さを色濃く残し、キッチュなアナクロニズムが光るデザインでした。本作もビデオショップやゲームセンターなど、80年代的な風俗がよく描かれています。
なぜ今ロボコップなのか
なぜ今になって『ロボコップ』をゲーム化したのか疑問を抱きやすいですが、おそらくはシリーズ新作の企画が進行していることからそれと連動したものと思われます。
本作から入る人や、原作から入る人どっちもいるとは思いますが、双方が満足いく内容だと思っています。
FPSで描くロボコップ
私はFPSは嫌いで、基本的にキャラゲーなんて絶対にTPSでないといやなのですが、本作に限ってはFPSでないと難しかったかな、と思います。
なぜかというと全体的にもっさりしたくせの強い挙動をロボコップの視点からアクションにしているので、これをTPSで展開するのはハードル高そうに感じたからです。
ロボコップはめちゃくちゃ強いけど移動は鈍いので、ボス戦は立ち回りに工夫が要求されていきます。
ゲームメカニクス
戦闘
基本
FPSですが、原作再現により独自の魅力が生まれてます。
ロボコップは挙動が遅く、一般的なFPSのようにスピーディーなスライディングやカバーをできません。ジャンプやしゃがみすらもありません。他方で体力が多めに設定されており、雑魚の銃程度ではダメージがほぼ入りません。それを武器のオート9などで倒していきます。『バトルフィールド1』のキャンペーン「サヴォイアに栄光あれ!」の鋼鉄アーマーみたいな感じです。
他方でボス格のユニットは強力なので地道な戦いを強いられます。
遊びとしてはそこそこで、原作を踏まえたゴア演出が楽しいです。『Dead Space』(2023リメイク)やフォールアウトシリーズを連想します。
総評
全体的にはキャラゲーにありがちなところに落ち着いてる部分もあり、固有の遊びもある程度はあるものの深い戦略性を提供するには至らず、遊びの部分では既存の枠組みに収まる感じです。加えて、かゆいところに手が届い要素、標準装備であるべき要素がないところなど、細かい減点も目立ちます。
結局諸々の至らなさをカバーするのが原作愛なので、ファンでないと厳しいかもです。
デッキビルド
スキルボード
スキルポイントで解禁していくスキルボードは8種類の項目に分かれています。
雑魚戦を快適に爽快にしたり、ボスとの戦闘で役立てたりします。ただ自由度は低いです。
マザーボード
マザーボードはパーツを利用して回路をつなげ、アビリティーや付加効果を解放するものです。マザーボードは迷路みたいになっていて、かなり『Dead Space』(2023リメイク)に似たデザインです。
引き継ぎなし
成長要素が強いですが、驚くことに周回がありませんでした。一周したら満足な内容ではあるのですが、残念です。