始めに
エスコン7では、ミッション9においてタブロイドの無線のシーンで前後が繋がらないところがあります。取り乱したタブロイドの「俺達は何かをさせられている だが何を」というセリフのあと、「任務は危険だが、目隠しで地雷原を走らされるような無謀さはない」というタブロイドのセリフがあって、前後が繋がりません。なぜなのか考察してみます。


考察
エスコン7の傾向
本作は、制作が難航していて一度完成したものをブラッシュアップしたらしく、ゲームリソースをそこから古い設定のものも流用しているであろうことが見受けられます。
よく本作の矛盾で言われるのはコゼット王女がミサイルを喰らったのに生きていたシーンで、普通に考えれば、これで生存があり得ない一方で、本作においてエイプリルと並ぶメインキャラがあんなギャグみたいな死に方で意味もなくフェードアウトをするとも思えません。ただ、これも元々別のシチュエーションだったゲームリソースにコゼットの声を後からつけて、コゼットの生死不明を演出しようとしたなら、理屈としては意味が通ります。
タブロイドの件のセリフも、同様の背景を推察できます。
もともとタブロイドとフルバンドは同じキャラだった説
自分は、もともとタブロイドとフルバンドは同一のキャラクターで、タブロイドはもともとフルバンドのような小心者の性格だった、セリフのミスはその名残という説を提唱しておきます。
この説の根拠は、ミッション5冒頭のムービーでエイプリルが懲罰舞台の面子に対して、「操縦の腕は良いが手癖の悪いやつ」「根性がないくせに政治犯気取りのやつ」「博打しか頭にないやつ」という三人を紹介をしていますが、最初のはカウントですが、2つ目のは政治犯=タブロイドの説明としては違和感を抱くためです。
タブロイドに根性がないという描写は序盤からまったくなく、ミッション6やミッション7でも、敵前逃亡する仲間がいる一方で戦場に残り勇敢に戦い続けます。むしろ正義感が強くかなり勇敢で根性があります。
またエイプリルの三番目のセリフにあるのはハイローラーですが、ハイローラーは懲罰部隊の中でも一番早くフェードアウトするため、カウント、タブロイドといった終盤まで残る面子と並べるのはやや不自然です。ここで思うのはハイローラーはもともと後半〜終盤まで残る予定だったのではないか、ということです。
おそらく、基本的に懲罰部隊の面子のトリガーへの当たりが強い中で、初期からトリガーに好意的なハイローラー、中盤から好意的になっていくタブロイド、後半から相棒になるカウント、という流れがあったところ、何らかの事情でハイローラーが早めにフェードアウトすることになり、そのかわりにタブロイドを最初からトリガーに好意的でタフなタブロイド、臆病でしだいにトリガーを信頼するフルバンドに分離させたのではないか、というのが個人的な推理です。タブロイドの前後が繋がらないセリフは、タブロイドがもともとフルバンド風のキャラクターだった名残りで残ったミスではないか、と解釈しています。
フルバンドは政治犯、タブロイドは情報屋の陰謀論者で、やや設定が被っているのもその名残な気がします。またフルバンドが唐突に殺されるのも後付キャラクターだったからな気がします。
関連作品、関連おすすめ作品
・『ファークライ5』:空戦要素。