始めに
『Dead Space (2023)』レビューを書いていきます。
独創性 | 完成度 | 快適さ | ボリューム | フィクション | その他 | 判定 |
7 | 8 | 4 | 7 | 8 | 3 | 優判定(37) |
- グラがパワーアップ
- 元々高い完成度のアドベンチャー
- あまり独創的な遊びはない
- 新要素も少ない
ゲームフィクション
あらすじ
26世紀。システムエンジニアのアイザック=クラークは通信が途絶した惑星イージスⅦを採掘していたプラネット=クラッカー「USG Ishimura」に向かったレスキューチームの一員でした。
彼らの船はドックの際に損傷し、乗員が石村を脱出しようとする間にアイザックは乗船していた恋人のニコルを探し船内を探索します。船は寄生体のネクロモーフで溢れており、アイザックはそれらと戦います。
レトロフューチャー
ジョンストン監督『ロケッティア』のようなスーツが有名ですが、本作はレトロフューチャー的なビジュアルが印象的です。似たジャンルの『バイオショック』シリーズシリーズ(1.2.in)とは探索要素でも重なります。
寄生虫ホラー
本作は『エイリアン』シリーズ(1.2.3.4)や『バイオハザード4』(RE:4)のような、寄生体との戦いを描くホラーになっています。
全体的にバイオレンスに満ちたグロテスクな世界観が展開されていきます。似たような『DOOM』(2016)とかよりもっと生々しくグロテスクで、人を選ぶとは思います。
パニックホラー
本作はリドリー=ストット監督『エイリアン』のような、孤立した宇宙船内での混乱を描くパニックホラーになっています。暗い船内で響く足音や悲鳴、うめき声などは恐怖を演出してくれていて、その辺りも『エイリアン』と重なります。
それとタルコフスキー監督『惑星ソラリス』の影響も感じ、精神的ホラーの側面も強いです。地球外のアーティファクト「Marker(マーカー)」は永続的な電磁場を放出し、それを信仰するカルト「Unitology(ユニトロジー)」が起こっています。
大きな変化はないものの、グラフィックは向上
すでに原作からして完成度が高かったところ、特に新しい追加要素はなく、他方でグラフィックの飛躍的な向上など、丁寧なリメイクになってます。
これに伴って作品の魅力であるゴア表現も強化されています。

ゲームメカニクス
戦闘
部位破壊
本作の敵「ネクロモーフ」は死体に寄生して変化、支配して行動し、新たな「寄生先」を作ろうとしています。
ネクロモーフへの攻撃で効果的なのは特定の身体の部位をピンポイントに狙って切断、破壊することです。出現する敵の弱点部位に合わせて狙って切断することで、有利に立ち回れます。とはいえ、一般的なシューターとそう遊び心地は変わりません。
印象としてホライゾンシリーズ(1.2)とやや近いデザインで、豊富な武器種とデッキビルドのアプローチを前提に、対象の弱点部位を見極めて立ち回るのが肝要です。
デッキビルド
主人公のアイザックはエンジニアであり、銃などではなく主に工具を武器とします。プライマリとセカンダリ(工具・武器のモード)でパフォーマンスが変わります。
装備はPowerNodeリソースをワークベンチで消費し、強化できます。武器だけではなくRIGやモジュールの強化もできます。
回路(スキルツリー)は装備品ごとに異なり、強化にも特定の箇所にNodeを埋めないと発揮されないというデザインです。スタート地点から通じるようにnodeを配置して、装備を強化していきます。
探索
大きな物体を動かすキネシス、対象の時間を遅くするステイシスを使って行う謎解きが
あります。全体的に『バイオショック』シリーズシリーズ(1.2.in)に似てます。
ロケーションのデザインはしっかりしている一方で、一回遊ぶと十分な感じでリプレイ性には乏しいです。
総評
丁寧なリメイクだが驚きに乏しい
丁寧なリメイクですが、RE:4のように革新的なギミックを積んでいるわけではなく、グラフィック中心の刷新で、遊びの部分では驚きに乏しいです。元々原作からそんな感じでしたが、ラディカルな暴力表現を展開しつつも、ゲーム自体は癖や個性があまりなく、既視感の漂う優等生な感じです。
関連作品、関連おすすめ作品
・『RoboCop: Rogue City』:ゴア表現。レトロフューチャー。