始めに
始めに
『バットマン アーカム=ナイト』についてレビューを書いていきます。
独創性 | 完成度 | 快適さ | ボリューム | フィクション | その他 | 判定 |
8 | 7 | 4 | 7 | 8 | 2 | 優(36) |
- シリーズの集大成
- グラフィックの進化
- モービルゴリ押し
ゲームフィクションについて
あらすじ
『バットマン アーカム=シティ』にて宿敵ジョーカーは命を落とします。世間では「バットマンがジョーカーを殺害した」と認識されており、その後のバットマンは犯罪者に対する苛烈さが増し、バットマンはゴッサムの人々から危険視されます。
「アーカム=シティ」の一件から9か月後。『バットマン アーカム=アサイラム』以降消息がわからなくなっていたスケアクロウがゴッサムに現れ、市内に恐怖ガスを散布すると予告します。市内は大パニックに陥り、スケアクロウは住民の逃げ出したゴッサムを占拠します。ゴッサムでは、スケアクロウと手を組んだペンギンやトゥーフェイス、リドラー、ハーレークインなどのスーパーヴィラン達も暗躍、バットマンは、最新型のバットモービルを駆ってスケアクロウ達との戦いに挑みます。
そんな中、「アーカム=ナイト」と名乗る謎のスーパーヴィランがゴッサムに現れ、スケアクロウと手を組んでバットマン打倒に乗り出します。

バットマンの集大成たるシリーズ
アーカムシリーズ(AA.AC.AN)はバットマンのコミックやティム=バートン監督『バットマン』『バットマン リターンズ』、クリストファー=ノーランの『ダークナイト』三部作(1.2.3)など、関連作品のさまざまなエッセンスを抽出しつつ、バランスの良いバットマンの世界観をデザインしています。
ベースは松竹大船調風のノーラン版のようにも見えますが、ハードでシリアス一辺倒なノーラン版には欠けている、バートン版にある人工的な世界の醸す独特の不気味で愛嬌のあるムードが演出されてもいます。
ジョーカーの扱い
本作は過去の経緯から、死んだジョーカーにバットマンの自我が乗っ取られそうになっており、うちなるジョーカーとの戦いが本作のシナリオの中心になっています。至るところで精神世界でバットマンを嘲笑いに現れるジョーカーですが、人によってはちょっと口説く感じるかもしれません。中の人繋がりでFF15のアーデンみたいです。
ゲームメカニクスについて
フリーフローコンバット、ステルス、モービルバトル
シリーズ伝統のフリーフローコンバットは健在です。『Marvel’s Spider-Man』に真似されましたが、全体的に本作はステルス要素も含めて『Marvel’s Spider-Man』に似ています。基本的にはボタン連打で攻撃し、攻撃されそうになるとマーカーにそれが示され、その攻撃のバリエーションに合わせて、カウンターや回避など適切なアプローチを選んでいきます。通常の攻撃が通らない敵にはガジェットなどを通した攻撃で防御を崩していきます。
本作品はステルス要素が強まり、ワイヤーや煙幕、撹乱機などガジェットを駆使して、敵を孤立させたり混乱させたりしつつ、物陰からじわじわと敵を減らしていくのが楽しいです。『アンチャーテッド』シリーズ(2.3.4)のステルスと比べても、武器のバリエーションや空間の上下の奥行きの広さがあって、勝るとも劣らないカジュアルで爽快なステルスを楽しませてくれます。
一方で、バットモービルという乗り物のバトルモードを駆使して戦う戦闘は、数種類の弾薬、弾薬リソースを使い分け、敵の攻撃を回避しつつ弱点を狙撃するシューティングゲームになっていて、これがかなり単調です。
アドベンチャー要素。バットモービル
本作は移動や探索ツールとしてバットモービルが追加され、これはどちらかというと否定的な意見が目立ちます。本作のバットモービルは任意の場所で呼び出せ、これまで空中においてはワイヤー、グライダーなど豊富な移動手段のあったバットマンに地上の足が加わったことは嬉しい反面、小回りが利かず、壊せないオブジェクトにしょっちゅう引っ掛かります。
また、ビルの屋上などにもいちいちワイヤーウィンチを使うギミックのためにモービルを呼び出さないといけない場面がままあり、探索のテンポを落としています。
関連作品、関連おすすめ作品
・『スリーピングドッグス 香港秘密警察』:フリーフローコンバット。
・『Marvel’s Spider-Man』『グラヴィティデイズ』シリーズ(1.2):飛行が織りなす箱庭探索の魅力。