始めに
『プレイグ テイル -イノセンス-』レビューを書いていきます。『プレイグテイル』シリーズ(1.2)の一作目です。
| 独創性 | 完成度 | 快適さ | ボリューム | フィクション | その他 | 判定 |
| 7 | 8 | 4 | 6 | 9 | 1 | 優(35) |
- ハイレベルなシナリオとグラフィック
- 独創的な世界観
- 遊びのレベルが低い
- あくまでストーリーメイン
ゲームフィクションについて
あらすじ
英仏百年戦争の時代、「黒死病」として恐れられた疫病が猛威を振るうフランス。主人公である15歳の少女アミシアは、騎士であり領主である父ローベルと、錬金術を修めた母ベアトリスのもとで平穏に暮らしていました。しかし幼い弟のユーゴだけは、子供部屋に隔離され、姉弟が会う機会は数えるほどしかありませんでした。
ある日突然、ユーゴを狙ってやって来た異端審問官の衛兵たちに襲われ、父ローベルは殺されます。母ベアトリスは、姉弟を屋敷の外まで連れ出し、ローレンシウスのもとへ行くようアミシアに言い残し、殺されます。なぜか地面がに陥没して兵士たちの追跡を妨げ、川に飛び込んだ2人はなんとか逃げ切ります。
フィクション部分は高水準
主人公のアミシアの視点を通じて、その成長と中世フランスを描画します。アミシアは、幼いユーゴに嫉妬を覚えつつユーゴを懸命に守ろうとします。アミシアの心理描写が丁寧で、バディの活躍を描く内容も相まってラスアスシリーズ(1.2)を連想します。
全体的にグラフィックや演出が高水準で、歴史物としての重厚さは十分です。
ネズミの恐怖
本作では、中世の黒死病や死の恐怖を「ネズミの大群というファンタジックな形で描いています。
本作のネズミは伝染病を運び、人間を食い殺すという狂暴な怪獣です。中世における病などのさまざまな脅威の象徴です。
ネズミや疫病を操る力『プリーマ=マキューラ』という呪いがあり、これをめぐる陰謀が描かれる、ファンタジックな内容です。
ネズミの弱点は火と光です。光がなくなれば食い殺されるので、うまくネズミを躱す必要があります。
ゲームメカニクスについて
TPSアドベンチャー
アミシア、ユーゴの未熟な2人なので「ステルス」がゲームプレイの肝です。
うまく物陰に隠れたり、陽動して排除するなどが必要です。避けられない戦闘は「スリングショット」を使い排除します。
また本作には多くの謎解き要素があり、仲間やアイテムで乗り切ります。
クラフト
フィールドにある素材でスリングや錬金術を強化できます。
錬金術を用いて火を操ったり、敵を眠らせたりできるので、戦闘や謎解きのアプローチになります。
遊びとしては物足りない
全体的に攻略の自由度とボリュームが抑えめで、アドベンチャーゲームとしての物語と演出、グラフィックに特化したデザインです。
なのでゲームのストーリーや雰囲気を重視する人や、本作の世界観が好きな人にはおすすめですが、ゲーム性は淡泊なつくりです。
遊びの内容もステルスにしても謎解きにしても既存の遊びの範疇を抜け出るものではありません。
関連作品、関連おすすめ作品
・『アランウェイク』シリーズ(1[re].2):光を用いたアドベンチャー。



