始めに
『戦場のフーガ』レビューを書いていきます。シリーズ(1.2)の1です。
| 独創性 | 完成度 | 快適さ | ボリューム | フィクション | その他 | 判定 |
| 8 | 8 | 3 | 7 | 8 | 1 | 優(35) |
- 独創的で完成度が高いシステム
- グラフィックも素晴らしい
- 倫理的にキツくて痛いシナリオ
ゲームフィクションについて
あらすじ
平和な国ガスコにある「プチ・モナ村」にはヒツウシという家畜を祖父母と一緒に育てながら暮らしているマルト・マジパンとその妹メイ・マジパンたちが住んでいました。
ある日、ベルマン帝国がこの国に侵攻、マルトたちの家族を含めた大人が捕虜として連れ去られます。残されたマルトたちはラジオの女性の声に導かれ、戦車タラニスを見つけます。マルトたちはそれに乗ってベルマン帝国に立ち向かうことを決めます。
シナリオは演出は細やかなものの、全体的にキツイ
本作はサイバーコネクトツーの開発です。このメーカーは昔からレベル5みたいな感じで、グラフィックや演出周りの開発力は圧倒的なんですが、シナリオとかゲーム性はいまいち、みたいなのが多かったのでした。
本作はゲーム性に関しては期待以上で、コアゲーマー向けの攻めたデザインのRPGみたいなのは苦手かもしれないと思っていたので、驚きました。
他方でシナリオは、ちょっと粗が目立つというか、王道すぎて退屈というよりは一部のテイルズ作品とか深夜アニメみたいな感じで、全体的に倫理的に気持ち悪かったりもやもやする展開があって引っかかる部分が多く、そのためにベタな盛り上がりにも欠いていて、しかもシナリオも矛盾が多い、みたいな感じです。このメーカーの作品はこういう感じのは多いです。
とはいえグラフィック周りはよく描かれています。
ゲームメカニクスについて
戦闘
ターンのデザイン
戦闘システムはタイムラインバトルです。戦闘画面上に行動順が表示され、スキルや特定のアクションは行動順に影響します。このため行動順を考えながら、コマンドを選ぶ必要があります。ターンのデザインは『ライブアライブ』(2023)なんかと似ています。
敵であるベルマン帝国の戦闘車両には弱点があり、弱点武装を特定回数当てるとターンの回りを遅くできます。
デッキビルド
主人公たちの戦車タラニスには3つの砲台があり、低威力で命中率が高く、空中の敵に特効の「マシンガン」、命中率と威力がバランスタイプの「グレネード」、装填に時間が掛かり当たりにくいものの、高威力の「キャノン」をセットできます。各砲台には担当となる子供達がおり、子供達のステータスと担当する砲台の攻撃力でタラニスのステータスが決まります。
砲台にはサポートとして子供を1人配置でき、なので砲台につき2人ずつの子供を配置できます。組み合わせで様々なステータス効果があります。
敵を撃破するとタラニスを強化するパーツを落とすので、強化できます。
子供ユニット
子供達にはSPをリソースとする「スキル」があり、戦略的に運用することが必要です。
戦闘で砲手とサポートにキャラは親愛度が上昇し、一定レベルで必殺技が使用できます。必殺技は使用可能な組み合わせで戦闘するとゲージが溜まり、maxで使用できます。章をクリアするまでキープする事も可能です。
インターミッションで連絡ノートを達成するとそのキャラは絶好調となり、戦闘でテンションゲージが最大になると、次のインターミッションまでの間、強力なパッシブが5ターン発動する「ヒーローモード」となります。
インターンミッションパート
各章に3回ずつインターンミッションパートがあり、行動力(AP)を消費して強化が行えます。
素材で砲台を強化したり、子供達の親愛度を上げる絆イベント、食材を消費してパラメーター補正を得る料理システムなど、できることはいろいろあります。
連絡ノートには、各キャラのお願い事があって、達成でそのキャラは絶好調になります。
パーツで、装備や施設を強化でき、レベルが上がると必要パーツのランクがあがり、成功率も下がります。
探索パート
遺跡のモンスターと戦闘、トラップを回避しつつ宝箱を獲得する探索パートがあります。
このパートのみアクションで、鍵を入手して宝箱を回収します。戦闘、障害物破壊には蒸気銃が必要で、使える弾は規定数分だけなので、リソース配分の戦略性があります。


