始めに
始めに
今日は名作『ヒットマン』(2016)について語っていきたいと思います。大好きな作品です。リブート三部作(1.2.3)の1です。
独創性 | 完成度 | 快適さ | ボリューム | フィクション | その他 | 判定 |
8 | 9 | 4 | 7 | 7 | 5 | 優(40) |
- 高い完成度のマップ
- 豊富なアプローチと自由度の高さ
- ステージ数は少ない
ゲームフィクションについて
あらすじ
1999年、中部ヨーロッパの某山地。ICAは「47」と名乗る男をエージェント候補として迎えます。彼は暗殺者としての適正を示しますが、経歴や出自が全く分からず、試験の最高責任者であるエリック・ソーダースは採用を渋ります。そこでソーダースは不合格となるように調整した最終試験を課しますが、これすら乗り越えてしまいます。
ストーリーは飾り程度
ストーリーはチャプターの合間のムービーで若干展開されるくらいで、ほとんど飾りのようなものです。設定自体は007など、よくあるスパイもののような感じで、さして新鮮さは感じず、続きを気にならせる要素はありません。
真のドラマは箱庭に宿る
この作品の真のフィクションとしての妙味はメインストーリーよりも、各ステージの中に無数に組み込まれたイベントの数々にあるといっていいでしょう。とにかく異常な作り込みで、他の追随を許しません。遊ぶたびに新しい発見があります。
ゲームフィクション
箱庭探索アドベンチャー、アプローチ
このゲームを特徴づけるのは、圧倒的なまでの箱庭ステージの作り込みです。エリアはプロローグからエピソード5まで一つづつあり、それぞれがシームレスに繋がった空間としてデザインされた箱庭となっています。一つ一つの箱庭空間のデザインが本当に圧倒的で、無数のイベントに満ちています。
暗殺ターゲットを含めた箱庭の中のほとんどのNPCは、タイムスケジュールに従って移動します。またNPCのタイムスケジュールは特定のフラグを満たすことでパターンを変更することができ、それによってターゲットの殺害のためにプレイヤーに有利に働かせることができます。
箱庭にはとにかく無限の攻略手順があるのですが、「アプローチ」という誘導があるため、「チャレンジ」を達成するための主なプレイヤーの行動パターン、手順が示されることになります。「アプローチ」に従いつつ、箱庭の隠し情報、NPCのタイムスケジュールを調査し尽くし、自分なりの攻略手順をデザインするところにゲームの滋味があります。
ステルス、変装
この作品はメタルギアソリッドシリーズ(1.2.3.4.5)のようなステルスゲームで、特定の場所にいたり特定のアクションをとった場面を武装NPCやその他NPCに発見されずにターゲットを暗殺する必要があります。
また変装を使うことができ、特定のNPCを倒すなどすると、コスチュームを身につけられ、侵入してもNPCに怪しまれないエリアが変化したりします。ただし変装中に不法侵入していなくても、一部のNPCはこちらの変装を見破ってきます。また一度変装を見破られた後、そのコスチュームでは変装がバレてしまいます。
またステルスゲームとしてはメタルギアソリッドシリーズ(1.2.3.4.5)よりもアクション要素は低めで、攻略手順のデザインなど、パズル的な要素の方が強いです。
豊富なチャレンジ、難易度、コントラクト、ボーナスミッション、エスカレーション
このゲームにはまた、さまざまなチャレンジや難易度が用意されており、プレイヤーを飽きさせません。難易度やチャレンジのための縛りによって、ステージの攻略手順は激変します。
また、コントラクトというプレイヤーがデザインして配信するステージも用意されているほか、ボーナスミッション、エスカレーションなど、アレンジが加えられたステージで遊ぶこともできます。
総評
緻密にデザインされた箱庭における無数の攻略手順
圧倒的な完成度を誇る箱庭探索ゲームです。おすすめ。
関連作品、関連おすすめ作品
・『バイオハザードRE:2』:圧倒的な作り込みの箱庭
・『ディスオナード』シリーズ(1.2):豊富なアプローチを持つ箱庭。
・北野武監督『アウトレイジ』シリーズ(1.2.3):仕事人フォロワー