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神ゲー『エースコンバット7 スカイズ・アンノウン』レビュー

バンナム
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始めに

『エースコンバット7 スカイズ・アンノウン』についてレビューを書いていきます。

独創性完成度快適さボリュームフィクションその他判定
894874優(40)
  • ゲームバランスとステージデザインが神
  • 熱いシチュエーション
  • 初心者殺し要素が多すぎる
  • 無線に情報を詰めすぎ

ゲームフィクションについて

あらすじ

 1999年の小惑星ユリシーズの破片落下による難民問題で2003年にユージア大陸で戦争が発生、敗戦国となったユージア大陸最大の国家エルジア共和国は王政復古し、エルジア王国へと国号を変えます。

 2010年の環太平洋戦争後、オーシア大陸最大の国家オーシア連邦は、ユージア大陸復興の基盤として自国主導の下国際軌道エレベーターを建設。軌道エレベーター防衛用に開発された2機の「アーセナルバード」による防空圏の構築に加えて、ユージア大陸各地に駐留するIUN国際停戦監視軍(IUN-PKF)の構成戦力としてオーシア軍を派遣していました。
 エルジアはこれらをオーシアによる搾取と見なして対立を深め、2019年5月15日にオーシアに宣戦を布告、「第二次大陸戦争(灯台戦争)」が勃発します。オーシア軍に対してエルジア軍は大量の自律型無人機や接収したアーセナルバードで応戦し、オーシア軍を始めとするIUN-PKF部隊はユージア大陸南東部へと追いやられます。無人機を用いたクリーンな攻撃で民間人を巻き込まないエルジア軍に対し、オーシア軍は民間区域への誤爆を繰り返し、国際世論もエルジア側に傾きます。 

 一方、IUN-PKFに所属するオーシア軍戦闘機パイロットである主人公「トリガー」はビンセント=ハーリング元大統領を殺害した容疑を着せられ、懲罰部隊の第444航空基地へ送られます。そこではエイプリル=ミード、通称スクラップクイーンと呼ばれる整備士の女性と出会い、彼女はトリガーに複雑な感情を抱いていきます。

エイプリルのモノローグ

難解だが魅力的なストーリー、キャラクター

 本作のストーリーは、ややわかりにくいです。まず4,5を踏まえた内容なので、新規ユーザーには若干とっつきづらいです。

 あとアーマードコアシリーズみたいに断片的な情報で考察を強いるみたいな傾向もややあるシリーズですが、本作はそれが特に顕著です。加えて情報が無線で提供されるため、アクションをこなしている中で会話に集中できず、流れてしまいがちです。特に「ラストホープ」というエピソードなどそれがひどいです。

 それと多分、制作過程で設定や展開が変遷したところ、古いゲームリソースを使いまわしたと思しきシーンがあって、前後が繋がらない場面があります。

 とはいえストーンヘンジ、アーセナルバード戦など、要所要所で盛り上がるシリーズの魅力は相変わらずで、アーセナルバード最終戦の演出は鳥肌です。キャラクターもやや描写不足ですが、バンドック、クラウンなど出番の少ないキャラも個性的に描かれています。架空戦記ものとして世界観のデザインも魅力的です。

共闘感の希薄さ、一部キャラの扱い、分岐なしはシナリオ上の欠点か

 周回する上でノイズにならず、熱いパートも多いストーリーで好意的に見ていますが、とは言え課題も多くあります。

 まず本作はゲーム部分において共闘感が薄く、仲間が戦闘にほぼ協力してくれません。それ自体は別に欠点と思わない(ゲームメカニクスデザインとして不合理ではないし、スコア稼ぎも安定しやすい)ですが、テーマと不整合だと言わざるを得ない印象もあります。本作の大まかな流れとして、主人公トリガーに影響されてチームがまとまり、カウントなどのキャラクターが成長していく内容ですが、仲間が戦闘に協力しないので、その成長を実感しづらいです。特にそれが著しいのが終盤のトンネル飛行で、仲間がトンネル飛行に付き合うだけで何もしてくれない(一応攻撃を庇ったことになっているものの、ただついてきて撃墜されただけにも見える)ので、何のために来たのかわからずシュールです。それとシナリオの内容として「新/旧世代」「AI無人機/人間」みたいな図式があって、無秩序な戦争の混乱をもたらす新しい技術たる無人機に対して否定的評価が与えられつつ、新しい若い世代が受け継ぐ平和と自由への意志が肯定されているのですが、人間の若者、仲間が全く役に立たないので、その図式に説得力がないです。

 それとエピソード単位だと負けイベ気味(殺人容疑を着せられる、エースパイロットを倒せないで仲間が無駄死に)だったり含みのある終わり方だったり後味の悪い話が多いです。

 また無線で話が進みすぎて死んだことにすら気づけなかったメインキャラクターがいて、何とも言えない気持ちになりました。全体的に扱いの悪くて微妙な流れでフェードアウトするキャラクターが多く、勿体ないなと思います。ラスアス2とこのあたり近いです。

 それとエースパイロットとの最終決戦が物資の収奪ミッションを妨害してくるときなので、シチュエーション的に燃えないです。シリーズの準恒例だったルート分岐もあってほしかったです。

ゲームメカニクスについて

ステージとデッキビルド

ステージ

 本作品は初心者からは評判が悪い作品ですが、シリーズファンやコアゲーマーには評判がいいです。各ステージのデザインが計算され尽くされていて、遊べば遊ぶほど発見があります。ソウルシリーズ(1.2.3)と同等かそれ以上に完成されたレベルデザインです

 一方で初心者キラーになってしまっている印象があり、とにかく初見殺しや不親切な要素が目立ちます。なので一週クリアすれば満足、みたいな遊び方の人からの満足度は低いと思われます。初見殺しと言ってもバイオ6サイコブレイク1みたいに意地の悪いブービートラップみたいなものではなく、ステージの内容を構造的に把握して適切な機体とパーツ、兵装のデッキビルドを構築し、戦略的に立ち回らないとSランク(初心者ならノーマル以上でクリア)が難しい、みたいな感じです。成長が実感しやすく、頑張れば下手でもエースでSランクが可能です。

デッキビルド

 ただスキルツリーの仕様だけは本当に意地悪で、機体と兵装をBP消費で開拓していくのですが、攻略サイトを参照にしないと有用なもの(パーツは説明で有用なものがわかりやすくビルドの幅も狭いですが、兵装と機体性能は特徴が分かりにくい)がどれなのか初心者には全くわかりません。初見殺しなステージと相まって、初心者がイライラしてしまいやすいのもわかります。

 おすすめはDLCで強機体(ADFなど)を購入し、一通りステージをクリアして金策、練習をした後でDLC機体を使わずにトライする方法です。イージーに難易度を設定してもステージのデザイン(天候など)にほぼ変更ないため初心者でも難しいですが、DLCの機体は大きなアドバンテージになってくれます。

関連作品、関連おすすめ作品

・『ファークライ5』:空戦要素。

 

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