始めに
始めに
『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』についてレビューを書いていきます。リメイク版はPS2、DS両方ハイレベルです。
独創性 | 完成度 | 快適さ | ボリューム | フィクション | その他 | 判定 |
8 | 8 | 4 | 8 | 8 | 4 | 優(40) |
- 完成度の高いシナリオとゲーム性
- 独創的な年代記としての物語
- 仲間モンスターがバランスブレイカー
ゲームフィクションについて
あらすじ
主人公は父・パパスと共に、サンタローズの村を訪れます。そこで幼馴染のビアンカと再会し、彼女とベビーパンサーを助けます。彼女と別れた後、ラインハットにてヘンリー王子誘拐事件が発生し救出に向かうが、ゲマによりパパスが殺され主人公はヘンリーと共に光の教団の奴隷になります。
ドラマティックなハイファンタジー
DQシリーズといえばFFが2.4.6.7とファンタジーとして先鋭的なジャンルへと進展していったのとは対照的に、あくまでもトマス=マロリー的な中世騎士道物語ベースのハイファンタジー路線を維持し続けるシリーズとして知られています。けれどもそんな中でもさまざまな挑戦を試みてきたシリーズであります。
DQ4はドラマティックなメロドラマとしての特徴を前面に押し出し、単なる勧善懲悪では割り切れない悲劇的な悪役を描きました。本作もメロドラマとしての特性を強化し、そこがファンから歓迎されたものでした。本作の挑戦は、なんといってもその親子3代にわたって展開される勇者の血筋をめぐる冒険のストーリーです。本作においては父パパスも息子である主人公も、勇者の血筋を引く存在ではありません。二人が勇者を探し求めるドラマが展開されていきます。ジョジョシリーズ(1.2.3.4.5.6.7.8)のように、正義の意志が受け継がれていくドラマが見どころです。
本作はまた、主人公を固定したまま、親子三代にわたる冒険を展開するための工夫が目をひきます。プレイヤーの分身である主人公は一人のまま、息子との共闘も描くのが印象的です。
9のような例外をはらみつつ、DQシリーズはメロドラマ重視のハイファンタジーとして展開されていきます。
ゲームメカニクスについて
仲間モンスター
本作のシステム的な特徴は、なんといっても仲間モンスターシステムでしょう。物語中盤に主人公は、魔物をてなづけ従える「モンスター使い」の素質が開花し、戦闘で倒した特定のモンスターを一定の確率で仲間にすることが可能になります。仲間になったモンスターはパーティの一員として歩行グラフィック付きで連れ歩くことができます。
このシステムによってメガテンシリーズ(真1.真2.真3[HD].真4.真4F)やポケットモンスターシリーズのような、モンスターユニット収集とデッキビルドの魅力が生まれました。ポケットモンスターシリーズのように、個体値のような概念があるわけではなく種によってパラメーターがほぼ一定(基準値周辺)であるため、ハクスラ的な魅力があるわけではないしまた種族間の強さの偏りが著しいものの、楽しいシステムです。
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