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難解だが佳作。『ロマンシング サガ -ミンストレルソング- リマスター』レビュー

スクエニ
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始めに

『ロマンシング サガ -ミンストレルソング- リマスター』レビューを書いていきます。

独創性完成度快適さボリュームフィクションその他判定
884872優判定(37)
  • 独創的で完成度が高いゲーム性
  • 自由度の高さ
  • 難解というより癖が強くて直感的にわかりにくいシステム

ゲームフィクション

あらすじ

 「マルディアス」ではかつて、3柱の邪神が神々の王と人間に戦争を仕掛けました。邪神のうち、デスとシェラハは降伏したものの、サルーインはしませんでした。神々の王は10個の宝石をつくって人間の英雄に与え、英雄は命を犠牲にサルーインを封印します。

 それから1000年。封印されたサルーインは、復活の兆しを見せていました。

良作のリメイク

 サガシリーズは世界観が作品でまちまちですが、本作は中世ファンタジー風のロマサガのリメイクです。

 「フリーシナリオ」システムが設定されています。『オクトパストラベラー』シリーズ(1.2)に継承されている要素です。このためどの主人公が、どの順番で各イベントをプレイするか、どのような行動をとるかにより物語が変化します。

ゲームメカニクス

デッキビルド

スキル、クラス

 武器・術法・マップアビリティには技能の種類別に個別のスキルレベルが設定されています。ジュエルを修練所で消費してスキルレベルがアップします。

 習得したスキルのレベルと種類により特定の「クラス」を得ます。クラスに就くと、そのクラスがスキルを持つ武器や術系統のEP、LPの消費が減少し、「クラス特性」効果を得られます。クラスに対応するスキルを修練所でレベルアップさせると、クラスもレベルが上がります。クラス特性は、『SF2』のロール(役割)システムと同様です。

装備

 武器・防具は「素材」で改造できます。改造武器は宿屋でもEPが回復せず、鍛冶屋で同種の新素材を補強しなければいけません。
 武器は「適材」という特定素材で補強して使い込むと、グレードアップしていきます。また素材と装備の組み合わせでアイテムの名前が固有のものに変化します。
 また装備について、武器は性能寄りか強度寄りか、防具は物理防御寄りか術防御寄りが性能を改造できます。装備品改造で武器の「強度」を上げれば、EP消費を減らせますが、そのためにさ強度の高い素材により。攻撃性能を犠牲にする必要があります。

 武器の攻撃には、アタックモード、ディフェンスモード、トリックモードの3種類のモードがあり、基本状態の武器はアタックモードしか選べません。改造可能な武器はこれを変更でき、2か3つのモードを選べるスタイルにできますが、デフォルトのものより攻撃性能は劣ります。
 技には対応したモードがあり、同種のスタイルを含まない武器では閃く確率が下がります。

育成バランス

 育成は前述の通り、資金・ジュエルによるのですが、敵がバトルの回数に応じて強くなるため、戦闘回数を抑えつつ多くのイベントをこなすことが肝要になっています。

 FF8とも近いですが、こういう初心者が取り敢えず無策で戦闘数をこなすと詰む可能性がある成長デザインは、単純に失敗だと思っています。

探索

 スキルシステムを駆使した探索があります。『ゼノブレイド』シリーズ(1{DE}.クロス.2.3)のフィールドスキルみたいな感じです。
 シンボルエンカウントを「忍び足」や「ステルス」で躱せたりします。他にも障害物を「クライミング」「ジャンプ」で乗り越えたり、内容は多彩です。

戦闘

総評

 サガシリーズの戦闘はよく難解とか言われます。ただ本作に関してはそれほど難解ではないですが、わかりにくいです。

 本作の分かりにくさは、難解というよりは、一般的なデザインから逸脱したくせの強い要素が多いのに加えて、それに対するチュートリアルが不足している感じです。

BPとEP.LP

 BPとEPという行動リソース管理があります。

 BP(バトルポイント)は、戦闘開始時に一定の割合与えられ、ターン毎に設定値分回復します。戦闘開始時のBPは、最大値に対する割合がユニットごとに設定されてます。
 EPは『SF2』『アンサガ』にあった「武器の耐久度」と似ています。一部の技で武器のEPが消費され、なくなると使用不可能になります。
 武器を使わない体術・術法などは、EPの代わりにキャラのLP(0になるとキャラクターがパーティーから離脱。主人公ならゲームオーバー)を消費します。
 武器のEPは0になっても使用不能になるのみで、改造武器でなければ宿屋で回復します。

モード

 アタックモードでは威力が向上するものの、相手がディフェンスだと発揮せず、加撃発動率も0になります。ディフェンスモードでは防御力が向上するものの、相手がトリックだと発揮せず、加撃発動率も0になります。このような属性じゃんけんがあります。

 また別のモードに属する技を使用すると技の威力が低下します。
 術具としての性質をそなえる武器は、術法モードを選択できます。このモードでは習得している術から術具の系統に応じた術を使用できます。というよりは術を使用するときは術法モードしか選べない感じです。武器の固有術を使用する場合は例外です。

関連作品、関連おすすめ作品

・『オクトパストラベラー』シリーズ(1.2)『STAR OCEAN THE SECOND STORY R』『ライブアライブ』『スーパーマリオRPG』:新古典主義的RPG。

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