始めに
『SCARLET NEXUS』レビューを書いていきます。
| 独創性 | 完成度 | 快適さ | ボリューム | フィクション | その他 | 判定 |
| 6 | 6 | 4 | 6 | 7 | 4 | 良(33) |
- 全体的にそこそこ
- 共闘を感じる演出
- 浅く単調な遊び
- 低予算な雰囲気
ゲームフィクションについて
あらすじ
はるか昔。空より異形の生命体「怪異」が出現し、人間を含む生物の脳を捕食しました。人類は人が誰でも生まれながらに持つ超感覚「脳力」を基盤として発達した科学技術により、世界は大規模ネットワークを介し、あらゆるものが連結されていきました。
こうして脳科学が発展した世界、ニューヒムカにおいて怪異に対抗するために組織されたのが、怪異討伐軍(怪伐軍)です。怪伐軍は強力な「超脳力」を持つ超脳力者の集団で、唯一彼らだけが怪異を殲滅する力を持ちます。怪伐軍は英雄であり、スターでした。
このような時代が長く続き、怪異はもはや日常の延長線上に存在する災害となっていました。今年も怪伐軍に新入隊員がやってきます。

カサネとユイトのシナリオ
全体的に『アストラルチェイン』に似ている本作ですが、あれと同様に本作も主人公を二人から選択します。ただ本作は二人の主人公のシナリオがそれぞれ異なっています。とはいえ大まかな流れは変わらない感じで、両方のストーリーをこなさないと物語の全貌がわからない感じで、水増し気味です。
キャラゲーとしてはシナリオやキャラクターの魅力などは及第点です。
紙芝居
本作はほぼ全編が紙芝居で、ムービーはほとんどありません。全体的に低予算な雰囲気がありますが、かなり強気の価格設定です。

ゲームメカニクスについて
戦闘
SAS
戦闘における主人公の超脳力は「念力」です。念力には、時間経過と通常攻撃で回復するゲージを用います。敵のブレイクゲージを大きく削れます。怪異の体内には急所「赫」が存在し。ブレイクゲージを削り切ると念力によるブレインクラッシュで一撃で倒せます。
またこれ以外にもSASにより、仲間の超脳力を一時的に借りて戦えます。
発火、複製、瞬間移動など、さまざまな能力を仲間ユニットから拝借し、環境や敵に合わせて使い分けます。
SASによる戦闘はカットイン演出も完成度が高く、キャラゲーとしての魅力に繋がっていて好印象です。
できることが少ない
ただ本作はできることが少ないです。シンプルで爽快な戦闘ではありますが、攻略の自由度やアクションのバリエーションも希薄で、一周したら満足の内容です。『アストラルチェイン』のパクリとか言われますが、広く浅くなデザインで悪いところもプラチナゲーです。それに『アストラルチェイン』には遠く及ばないです。
全体的に深い遊びがないので、中盤から飽きやすいです。
デッキビルド
絆
脳でやり取りするブレインメッセージや、アジト内での会話により、キャラクターごとのエピソードが発生します。それによって絆を形成します。
キャラクターと交流することで絆値が上昇し、絆値が一定値を超えると絆レベルがアップし、SAS接続能力が向上し、サポートも得られます。
ブレインマップ
レベルアップで獲得したポイントを割り振り、ブレインマップというスキルツリーで能力を拡張できます。パラメータ、バトルアクションなどの拡張ができます。
このブレインマップなのですが、スキルツリーによる成長の演出のために、とにかく序盤の主人公のアクションが少なくされています。そのせいで序盤が特に単調な立ち回りを強いられます。
総評
定価の価値はないものの遊べる
正直定価で買う価値はないものの、セールで2000円前後ならコスパはいい方になると思います。『アストラルチェイン』にもない魅力はありますが、ただ完成度はずっと落ちます。
関連作品、関連おすすめ作品
・『Control』:超能力による戦闘。





