始めに
始めに
今日は『Hollow Knight』について感想を書いていきます。
独創性 | 完成度 | 快適さ | ボリューム | フィクション | その他 | 判定 |
8 | 8 | 4 | 8 | 8 | 2 | 優(38) |
ゲームフィクションについて
あらすじ
かつて栄華を極めた虫たちの王国ハロウネストはいまは閑散としています。主人公は王国の滅亡の歴史などを旅の過程で知り、自らの役目を果たしていきます。
ソウルライクのゴシックホラー
本作は『ダークソウル』シリーズ(1.2.3)などのソウルライクといえる作品と思われ、ストーリーの語り口などその共通性が見られます。断片的なテクストを解釈し、ストーリーの構造化を図っていきます。普通にプレイしていてもなんだかよく理解できない内容ですが、それでもティム=バートン監督のフィルム(『バットマン』)のように、表現主義(『ガリガリ博士』)とアメコミタッチを合わせたような、キュートでペーソスあるゴシックな世界観が魅力的です。
精神世界のホラー(ラブクラフト、ヴィーネ)
本作はソウル作品では『Bloodborne』に特に似ていて、古き神ラディアンスの光による洗脳による支配がハロウネストの没落に大きく関わっているという設定はラブクラフトのクトゥルフ神話を彷彿とさせます。アーサー=マッケンから示唆を受けたラブクラフトのコズミックホラーは、古き神と精神世界のホラー、異次元(並行世界)ホラーとしての特徴がありますが、『Hollow Knight』もそうしたモチーフに彩られています。
こだわり抜かれたエフェクト、SE
本作はサイドビュー式の「メトロイドヴァニア」ジャンルとして、ゲームメカニクス部分で画期的なデザインがあるというのでもないのですが、『ニーア レプリカント』『鬼武者』シリーズ(1.2.3.4)と一緒で戦闘部分のエフェクトやSEといった演出の斬新さと完成度の高さが、本作の作品としての豊かさに厚みをもたらしています。敵を攻撃した時のエフェクトやSEが独特かつ派手で完成度が高く、それが本作を佳作たらしめています。
ゲームメカニクスについて
メトロイドヴァニア、アドベンチャー
本作は所謂メトロイドヴァニアと呼ばれるサイドビュー式の横スクロールアクションです。メトロイドヴァニアというと単なる横スクロールアクションにとどまらない、エリアの隠し情報の探索要素を含むものを指す場合が多いですが、本作もアドベンチャー要素が強いです。似たようなインディーズの名作だと『Dead Cells』と特に近く、『Cuphead』と比べるともっと探索要素が高いです。難易度はこの三つのうち、一番低いですがそれでも上位のボスはやりごたえがあります。一番遊びのデザインとして斬新なのが『Dead Cells』で、演出の完成度は『Cuphead』、ついで『Hollow Knight』です。探索要素やボリュームは本作が一番あります。
値段は安い割にイベントも多く探索がとても楽しいです。サブストーリーもかなりあります。
デッキビルド(チャーム、キャスト)
本作の戦闘は剣による攻撃がメインです。フラグを経ると奥義などが使えるようになってアプローチも増えます。あと付け替え可能な魔法技があります。基本の攻撃は剣の簡単なコンボで、敵のモーションをよく見てタイミングを測り、ちくちく攻撃を当てていくソウルシリーズらしい立ち回りが求められます。
本作はチャームと呼ばれる装備があり、これの組み合わせでデッキビルドを図るのがとても楽しいです。チャームはそれぞれ性能のバリエーションが豊かで、さまざまなビルドが楽しめます。
総評
走攻守揃ったメトロイドヴァニアの佳作。
走攻守揃ったメトロイドヴァニアの佳作で、コスパが最高のゲームです。抜きん出て独創的なゲーム性があるわけではないですが、完成度は高いです。
関連作品、関連おすすめ作品
・『スター・ウォーズ ジェダイ:フォールン・オーダー』『Wo Long: Fallen Dynasty(ウォーロン フォールン ダイナスティ)』『Sifu』『ウォーロン』『Lies of P』パリィ主体のソウルライク