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全然良作だが迷走も感じる。『アサシン クリード ヴァルハラ』レビュー、評価、感想

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始めに

 『アサシン クリード ヴァルハラ』レビューを書いていきます。オープンワールドのシリーズ(Or.OD.Va)です。

独創性完成度快適さボリュームフィクションその他判定
774971優(36)
  • レベル補正の緩和
  • ボリュームとクオリティの高さ
  • 前作から微妙な変化、調整はあるものの進化は乏しい

ゲームフィクション

あらすじ

 9世紀。ヴァイキング「エイヴォル」となり戦士団を率いて、ノルウェーからイングランドを目指します。ヴァルハラに迎え入れられるため、定住地を築き、敵地を征服していきます。

 ヴァイキング時代のイングランドは、諸侯や王国が争い、混沌としています。

賛否両論のオープンワールドRPGだが好印象

 世間的にはオープンワールドRPGシリーズ(Or.OD.Va)は古参中心に不評ですが、個人的には肯定的に捉えています。シリーズらしさが損なわれたとしばしば言われるのですが、そもそもこのシリーズの独自の魅力は歴史劇、時代劇ジャンルの中でもっぱらロケーションのグラフィック周りの完成度の中にあって、その中で大味なステルス、戦闘、パルクールを楽しむ作品であって、そもそも元々ゲーム性の部分において固有の特徴的要素はあまりなかった気がしますし、基本アクションもある程度は継承されている印象です。

 とはいえ『ファークライ』シリーズ(1.2.3.4.5.6.pr.nd)のような従来あったお手軽な魅力は損なわれている印象なのでミラージュみたいな路線と分けたらいいかもと思います。

前作よりテンポ悪いシナリオ

 シリーズ(Or.OD.Va)はシリーズの前作より劣ります。なぜならオリジンには「復讐」、オデッセイは「姉弟探し」「家族との対決」という物語をドライブする強いモチベーションがあったのに対して、本作は主人公に特に強い具体的なモチベーションがない(兄を支える、自分のグループに尽くすみたいな抽象的な動機があるのみ)ので、漫然とあちこち回って問題を解決したり同盟を結んだりしている印象が強いです。そのため作業感が強いです。

ゲームメカニクス

全体的な傾向

 シリーズ(Or.OD.Va)のオリジンからオデッセイでの展開は明確に進化と言えましたが、オデッセイから本作は、ほとんど進化していません。進化というよりはただ変化している感じで、前はできたこと(全壁登り、ハクスラ、海戦)ができなくなっていたり別のデザインになっていたり、前からできたこと(レベル、征服戦争、拠点の船運営)が名前を変えてほとんど同じもの(戦闘力、襲撃、拠点開発)になっていたり、前はA(戦闘など)だったものがA +αになっておらずそれと並列のBになっていたり、進化というよりは賛否両論ありうる調整がちょこちょこなされている感じで、オリジンからオデッセイのようなグレードアップはグラフィックくらいしか感じません。

デッキビルド

装備

 シリーズ(Or.OD.Va)前作のハクスラ装備と異なり、各武器や防具が固有のものになりました。オリジンもハクスラ要素は希薄で、装備にレベルやレアリティの要素があるくらいでしたが、本作はさらにハクスラ要素を撤廃しました。

 装備はすべて固有のものになっていて、それをずっと強化してつかう感じです。ソウルシリーズ(1.2.3)なんかと近いです。

育成

 シリーズ(Or.OD.Va)の前二作品では主人公キャラや装備にレベルがありましたが、今作ではレベルは(一応)なくなり、「スキルポイント」によるスキルツリーの拡大、スキル獲得で上昇する戦闘力(レベルに等しい)という形に変更されました。

 ただ実質的にはレベル制に近いので、各エリアに推奨戦闘力があることなどからレベル上げは必要になっているのですが、たしかにレベル補正は緩和されています。これによって暗殺が格上にも成功しやすくなり、強敵の暗殺には与ダメージを増やすゲージアクションが追加されています。探索手順の自由度も増しました。

 またアビリティの習得方法がスキルポイント消費ではなくアイテム消費になりました。当該アビリティを習得できる「知識の書」を入手してアビリティを獲得します。他方、習得アビリティ割り振り以外で発動するパッシブアビリティは従来通りのスキルポイントを消費しての獲得です。

戦闘

 オリジンから『ダークソウル』シリーズ(1.2.3)と近かったところ、さらにソウルライクになりました。

 主人公、敵ユニットに「スタミナゲージ」があり、攻撃や回避で一定数スタミナが減少します。敵のスタミナを0にするとスタン状態になり、そこから強力な攻撃に繋げられます。

アドベンチャー要素

拠点

 オデッセイの船にかわって定住地システムが設定されています。任意の地点村を作成、素材を消費して施設を拡充していきます。

 前作から進化しているというより、ただ船から拠点に変化した感じです。拠点は前作の征服戦争にあたる襲撃で拡張していきます。

襲撃

 襲撃で、拠点をアップグレードさせていきます。イギリスの定住地や河川を襲撃、物資や原材料を手に入れます。要するに征服戦争のバリエーションチェンジです。

 ただ征服戦争と違って、雇っている仲間NPCたちと戦うので『シャドウオブウォー』みたいな感じです。

ミニゲーム

 主なミニゲームはオーログ(Orlog)と酒の早飲みです。深い遊びはないですが、演出は楽しくヴァイキングの雰囲気を盛り上げています。

関連作品、関連おすすめ作品

・『プレイグテイル』シリーズ(1.2),『キングダムカム=デリバランス』:重厚な歴史劇

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