始めに
『ASSASSIN’S CREED SYNDICATE』(アサシンクリードシンジケート)レビューを書いていきます。
独創性 | 完成度 | 快適さ | ボリューム | フィクション | その他 | 判定 |
7 | 7 | 4 | 6 | 8 | 1 | 良判定(34) |
- 圧倒的なマップ
- アクションもそこそこ
- やることがやっぱり単調
ゲームフィクション
あらすじ
1868年、イギリスは産業革命により発展します。資本主義と大英帝国の栄華は「テンプル騎士団」に権力と富を与えました。
そんななかロンドンの貧困や子どもの権利侵害といった問題は社会に影をさし、凶悪事件が発生していました。
アサシン教団の双子のアサシン、姉のエヴィーと弟ジェイコブは亡父の遺志を継ぎ、ジョージ=ウェストハウスの指示でテンプル騎士団からエデンのかけらを奪おうとします。
しかしロンドンの惨状を目の当たりにした二人はインド支部のヘンリー=グリーンと合流、ロンドンの解放を目指します。テンプル騎士団の私兵「ブライターズ」のに憤るジェイコブは正義のギャング「ルークス」を結成。「ルークス」はロンドンを支配するテンプル騎士スターリックと対峙します。

シリーズ初の複数主人公
シリーズ初となるダブル主人公を採用、メニュー画面で任意に切り替えられます。スキルの修得状況以外は大体共有です。ユニティやオデッセイなど、姉弟やそれに準ずるキャラクターの相剋はしばしばシリーズで描かれますが、本作はそれぞれ正義に篤い主人公がすれ違いつつも共闘していく感じで、ベタながらドラマティックです。
エヴィー=フライは姉。堅物ですが、弟に似て優しい性格です。ジェイコブ以上にアサシンの教義に忠実です。全体的に姉の方が、ローグやユニティで描かれてきたアサシン教団の極端な教条主義に影響されており、他方で組織の目的と実際の人々の困窮に悩む、みたいな立ち位置です。
ジェイコブ=フライは弟。エヴィーと比較すると柔軟な思考です。姉エヴィーの教団とグリーンへの執心を批判します。
リディア=フライは3人目の主人公でジェイコブの孫娘です。第一次世界大戦編に登場し、ウィンストン=チャーチルに協力します。
歴史劇としての魅力
本作はチャールズ=ディケンズ(『荒涼館』『ディヴィッド=コッパーフィールド』)など、ヴィクトリア朝を代表する実在の人物が出てくる、伝記風の歴史劇になっています。ユニティはあまり歴史上のキャラクターが本筋に絡まなかったので、嬉しい変化です。
こうした、歴史上のキャラクターとオリジナルキャラクターの競合は、シェイクスピアからスコット、大デュマと継承されていった歴史劇のデザインで、その手の作品が好きな人にもおすすめです。
ゲームメカニクス
デッキビルド
新装備
近接武器は仕込み杖、ククリナイフ、ブラスナックルの三系統の武器です。
本作では銃器はほぼ多連装式です。アサシンブレードが暗殺用の固定装備です。またリボルバー拳銃、投げナイフなどサブウェポンもあります。
装備品は素材と資金を消費して制作します。設計図が必要で、ミッションなどで入手します。アップグレードのリソースは資金に一元化されました。
特技
特定のアクションを行い、回数が一定に達すると能力が強化されます。前作の信心ポイントに近いです。
前作から、育成要素が追加され、RPGシリーズ(Or.OD.Va)に繋がっていきます。
スキル
前作はスキル制度導入により、初期ユニットが弱くアクションの解禁も遅く、スキルポイントの獲得方法が少ないというレベルデザインの欠陥を抱えていました。しかし軒並み改善しました。
XPを1000貯めるごとにスキルポイントを1得るデザインになっていて、レベルも上げやすくなっています。初期ユニットも強いです。
探索
ロープランチャーは新たな移動手段で、建物にロープを撃って高速移動できます。またジップライン移動により、ロンドンの街中を移動出来ます。ジップライン中、真下の敵にエアアサシンをしたり、藁束にイーグルダイブできます。
アーカムシリーズ(AA.AC.AN)のワイヤーアクションみたいな感じです。
関連作品、関連おすすめ作品
・『プレイグテイル』シリーズ(1.2),『キングダムカム=デリバランス』:重厚な歴史劇