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良ゲーだが劣化要素もあって微妙。『Horizon Forbidden West』(ホライゾンフォビドゥンウェスト)レビュー

ソニー
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始めに

 『Horizon Forbidden West』レビューを書いていきます。ホライゾンシリーズ(1.2)の2です。

独創性完成度快適さボリュームフィクションその他判定
674873優(35)
  • グラフィックは良くなった
  • 近接は良くなった
  • 前作から進化に乏しく、できなくなったことも多い
  • シナリオが蛇足

ゲームフィクション

あらすじ

 古えの科学者エリザベト=ソベックのクローンとして生まれ、カージャの民から救世主の英雄とされるアーロイは、ガイアのバックアップの捜索を行っていたものの、見つかりません。
 アーロイに、仲間ヴァールがかつての協力者サイレンスに訊くことを提案。そこでまずサイレンスから渡された槍を調べた結果、ハデスは完全に破壊されておらず、データが西へ送信されていたことが判明します。

 アーロイのもとにサイレンスからハデスから情報を手にしたこと、興味があるなら禁じられた西部へ来てほしいことを伝える通信が入ります。

圧倒的に美麗なグラフィック!しかし既視感も…

 本作は圧倒的に美麗なフォトリアルで、自然や機械生命体を描写しています。機械の動きは本当に生物のような生々しい動きをします。ポストアポカリプスの世界観を彩る演出は圧巻で、その中を自由に歩き回れる感動があります。前作から、さらにそのデザインに磨きがかかりました。

 けれども本作はどうにもキャメロン監督『アバター』と印象が被ったり、ゲームメカニクスにしてもストーリーにしても世界観にしても、ちょっと既視感(FFX.漫画『風の谷のナウシカ』)のあるデザインで、あんまり独創性を感じません。割とこのゲームは一時が万事そんな感じで、なんというか良くも悪くも優等生的なんですが、それゆえ秀でたならではの取り柄が戦闘以外に少ないことと、ちょこちょこある減点が目につき、ゲーム作品として弱いです。『トゥームレイダー』(2013)などと少し近いかもですが、あれよりはかなりマシかもです。

 また前作から進化したのもグラフィックくらいというのも残念です。

正直蛇足感はあるシナリオ

 正直、前作で世界観の謎がほぼ全部解決されてしまっていたため、全体的に本作のシナリオは蛇足感が強く、すでに終わったものに無理やり付け足した印象が強いです。

 また前作前提のストーリーなので、本作から遊ぶ人には厳しいです。前作と違って、特に本作では大きなサプライズもありません。

ゲームメカニクス

探索

オープンワールド

 本作は前作から一応オープンワールドで、およそ3Dでデザインされた空間がシームレスに繋がっています。けれどもマップの規模や密度、サブイベント、隠し情報の探索といったオープンワールドに期待される要素はボリューム抑えめです。あとMGS5ほどではないですが、見えているだけで登れないエリアが多いです。

 印象として、シリーズ(1.2)のメインの遊びはまず戦闘で、基本的にこのシリーズ(1.2)は『アンチャーテッド』シリーズ(1.2.3.4)のような、リニアなTPSにおけるマップと自由度がやや拡大したバージョンという感じです。『トゥームレイダー』のリブート三部作(1.2.3)、『アンチャーテッド』のラスアス2の小規模な箱庭探索エリアをもっと拡大した感じです。なのでガッツリオープンワールドを期待すると多分物足りないと思います。

個人的な懸念と期待

 正直、本作が出ると聞いて期待半分不安半分で、どちらかといえば不安の方が的中しました。

 期待というのはオープンワールドゲームとして飛躍を遂げることで、前作より移動とパルクールの自由度がそれこそブレワイや『アサクリオデッセイ』くらい増し、それが戦闘の魅力と有機的な連環を成してくれていたら(『アンチャーテッド』シリーズ[1.2.3.4]の4みたいに)素晴らしいゲームになるだろうなと感じました。しかし実際のところオープンワールドとしてはグラフィックが強化され、一部登れる壁ができただけで、大きな遊びの変化はありませんでした

 他方で不安というのは戦闘メインの作品なので、こういう作品でありがちなのは新要素をごちゃごちゃ詰め込んで煩雑になって、わかりにくいだけでしかも抜きん出て効率的アプローチもあるから、一部の要素が機能不全気味で立ち回りが単調な感じになる、というのですが実際それと近かったです

戦闘

新要素

 近接戦闘は前作では弱攻撃、強攻撃のみでしたが、スキル取得でコンボが使えるようになって、対人戦闘のアプローチが増えています。ここだけは前作から進化しています

 槍攻撃でエネルギーを溜め、溜まった状態で強攻撃を当て敵にエネルギーを移し、それを射抜く事で大ダメージを与えるレゾネーターブラストが追加されました。

 一方で、サイレントストライク弱体化、エネミーコール廃止、罠設置上限の設定、人型エネミーの兜(ヘッドショット対策)装着率強化、機械獣の特徴的な足音廃止、乗り物系以外のオーバーライドの時間制限、オーバーライド機械獣のヘイトコントロール能力低下など、前作のアプローチがナーフされています。

 賛否両論ある調整だと思うのですが、結構前作で出来ていたことが出来なくなっていたり、罠やサイレントストライク、オーバーライドあたりはかなり大幅にナーフされ使いにくくなっていたり、あまり前作から自由度やアプローチが拡大した印象がありません。全体的に戦闘周りは進化しているというよりは変化している(しかもあまりよくない方に)に過ぎない感じです。

デッキビルド

武器

 新武器として、爆発する槍を投擲する「スパイクスローワー」と、ブーメランのような「シュレッダーガントレット」が追加。

 スパイスクロワーは壊れ装備で、後半の大型獣はこれ一択に近いです。全体的に要素ばかり煩雑になっていて、スパイスクロワーとか長弓とか抜きん出て効率的なアプローチが猛威を振るってます

 前作で弓にしかなかった特殊アクションが各武器系統に設定されました。使用に「武器スタミナ」を消費します。複数修得した場合、コマンドで切り替えられます。

 ただ武器種にしても弱点属性にしても、要素がごちゃごちゃ増えて切替、管理、理解が手間になっただけで遊びの深さに繋がっていません

スキルツリー

 新スキルの勇義はゲージを溜めると発動します。発動時の効果はそれぞれ異なり、ひとつしかセットできません。

 勇義ゲージは機械獣を倒す、弱点攻撃、部位破壊で蓄積します。

総評

グラ以外は停滞している

 グラフィック以外は進化に乏しく、シリーズとしては停滞を感じます。

関連作品、関連おすすめ作品

・『マスエフェクト』シリーズ(1.2.3):文化人類学SF。

『ラストオブアス』シリーズ(1.2),『バイオハザード リベレーションズ2』,サイコブレイクシリーズ(1.2):資源のエコノミー要素のあるシューター。

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