PR

良作だが課題も多い。『トライアングルストラテジー』レビュー、評価、感想

スクエニ
記事内に広告が含まれています。

始めに

『トライアングルストラテジー』レビューを書いていきます。

独創性完成度快適さボリュームフィクションその他判定
783792優判定(36)
  • 全体的にハイセンス、ハイクオリティ
  • ストーリーが優れている
  • 周回前提なのに周回のノイズが多い。共通パートの多さなど
  • 育成の自由度の低さが周回のモチベダウン

ゲームフィクション

あらすじ

 三大国による戦乱の地「ノゼリア」。
 塩と鉄をめぐり「塩鉄大戦」が勃発した過去のあるこの大陸では、塩の利権を持つ「聖ハイサンド大教国」、鉄の国「エスフロスト公国」、森の国「グリンブルク王国」の三国が覇を争いつつ、均衡が保たれていましたが…

グラフィック

 今作のグラフィックは『オクトパストラベラー』シリーズ(1.2)と同様に「HD-2D」を採用し、ドット絵のタッチを活かしつつも、3D的な奥行きを演出しています。
 『STAR OCEAN THE SECOND STORY R』とも重なりますが、ビジュアルでの完成度が高いです。

途中で4つのルートに分岐

 本作はマルチシナリオ、マルチエンディングで、「信念の天秤」での投票結果によりシナリオが様々な方向に分岐していく。ルートは4種類で、3つそれぞれの信念(「Moral」「Benefit」「Freedom」)ルートと、1つの真エンドになっています。この辺りは『タクティクスオウガ』(リボーン)へのオマージュが見えます。

 分岐は17話で、4つの選択肢からどれを選ぶかでEDが分岐します。2周目からは隠しパラメーターだった信念パラメータの現在値、信念の上昇条件、仲間加入に必要な信念の値が開示され、任意のルートに進みやすい感じです。
 ただルート分岐までも長い上にそこに至るまでの細かい分岐もすぐ共通ルートに入るため、周回で胃もたれしやすいです。

三国の闘争と3つの信念

 タイトルのトライアングルとは分岐をなす三つの信念と、中心となる三国を主に指しています。

 塩の利権を奪いあう三国の戦略がリアリスティックに展開され、架空戦記ものとしての完成度が高いです。

全体的にアンバランスな印象

 本作のストーリーは完成度が高いですが、とはいえ周回前提にも関わらずテクスト量がかなり多いため、胃もたれしやすいです。

 ストーリーパートに割かれる時間がかなり長く、好みが分かれそうです。

ゲームメカニクス

戦闘

基本

 高さと向きがある、クォータービューの3Dマップです。 地形や障害物などをアプローチとしていくなど、『タクティクスオウガ』(リボーン),『ファイナルファンタジータクティクス』の影響が大きいです。
 非ターン制で、素早さ順に敵味方が行動します。
 アビリティ使用には、規定数のTPが必要です。TPは1ターンに1ずつ自然回復、またそれ以外の回復手段があります。

その他要素

 メニューから「切札」が発動できます。同マップ内で、一種類一度のみ使用可能です。「切札ポイント」が残っている限り、好きなタイミングで何種類でも使えます。 切札ポイントはマップをクリアすると全快する。

デッキビルド

育成要素

 コマンドアビリティやパッシブスキルは、レベル上げ、鍛冶屋でのゴールドと素材アイテム消費、クラスアップなどで習得します。装備品はアクセサリー二つのみ、武器はデフォルトの装備を鍛えるデザインです。

 このため、育成におけるデッキビルドの自由度が希薄で、これが結構大きな欠点になっています。なぜなら本作は周回前提の作りであって、その周回を豊かにし得たのがデッキビルドの自由度に由来する攻略の自由度であったからです。実際風花雪月ではそれがかなり周回を楽しくしてくれていました。

 本作は育成の自由度が低いため、周回のモチベーションがアドベンチャー要素におよそ集中してしまいます

ユニット

 仲間は総勢30人(パーティーはだいたい10人くらい)で、使い所のないキャラクターはいません。このおかげでパーティーのデッキビルドには高い自由度があります。
 たしかに強い、弱いキャラもいるのですが、使い所はちゃんと誰にもあるので、編成次第で活躍できます。

探索

インタラクティブ性

 「信念の天秤」は初期キャラ7人の投票で選択を決める多数決で、本作の物語のインタラクティブ性をになっています。 投票の前の説得で、仲間の意見が変わります。
 ここで信念パラメータが説得可能性を左右します。信念パラメータは1周目では隠されてます。また信念以外にも情報の提示も説得に影響します。

 ただよく言われますが分岐しても共通パートが大半です。

総評

完成度は高いものの、欠点も多い

 全体的にハイセンス、ハイクオリティですが、とにかく周回前提なのに周回を楽しむための戦略やインタラクティブ性の自由度にはやや欠いている印象です。『オクトパストラベラー』シリーズ(1.2)の1に近く、高水準でありつつもわかりやすい改善点を残している印象です。

関連作品、関連おすすめ作品

・『オクトパストラベラー』シリーズ(1.2)『STAR OCEAN THE SECOND STORY R』『ライブアライブ』『スーパーマリオRPG』:新古典主義的RPG。

You cannot copy content of this page

タイトルとURLをコピーしました