始めに
始めに
『ライトニング リターンズ ファイナルファンタジーⅩⅢ』はⅩⅢ三部作(1.2.3)完結編です。世評も高い本作品の感想を書いていきます。
独創性 | 完成度 | 快適さ | ボリューム | フィクション | その他 | 判定 |
8 | 7 | 4 | 7 | 5 | 2 | 良判定(33) |
- システムの完成度
- 独創的な戦闘
- メインキャラの掘り下げが足らない
- 前作ありきのシナリオ
ゲームフィクション
前作とのつながり
本作品は『ファイナルファンタジーⅩⅢ』三部作(1.2.3)最終作です。ただ三部作(1.2.3)とは言いつつ、『ファイナルファンタジーⅩⅢ』で物語は一応の完結を見せたのち、ⅩⅢ-2と本作品が一続きの物語として展開されているような感じです。二作目は本作前提の内容なので、後味の悪いエンディングとなっており『ペルソナ2』の罪と罰と似ています。
あらすじ
前作でクリスタルとなり眠りについていた主人公・ライトニングが再び目を覚まします。世界は崩壊に向かいつつあり、神・ブーニベルゼから魂の救済者としてライトニングは使命を預かります。タイムリミットは13日。ライトニングは何を成すのでしょうか。ブーニベルゼとは、正義の側にあるのでしょうか。
ライトニングサーガ完結
三部作(1.2.3)の最終章で、主人公・ライトニングの物語はここに完結を見せます。本作品でライトニングは各地を回りながら人々の願いをこなしたり、かつての仲間や仇敵との関係に決着をつけます。少し説明不足、描写不足な印象もありますが、過去作のキャラクターとのエピソードはなかなか盛り上がりを見せます。運命や神の定める不正義な秩序に争うライトニングの生き方が見どころです。
ゲームメカニクス
戦闘
とうとう完成されたⅩⅢシリーズのATB。スタイルチェンジ(バリアブルアクション、スキルデザイン)。ノックアウト
本作品ⅩⅢシリーズのATB(アクティブタイムバトルシステム)の到達点です。ⅩⅢは一回の戦闘に時間と労力がかかりすぎる、ⅩⅢ-2は敵が弱すぎてシステムが形骸化しているということによって芳しい評価を得られませんでしたが、本作は歯ごたえがありつつテンポの良い戦闘を楽しめます。この作品は三つのスタイルをセットすることができ、一つのスタイルに四つのスキルを割り振りデッキを構築します。戦闘中に三つのスタイルを切り替えながら戦っていきますが、それぞれのスタイルごとにATGがあり、これを消費することでスキルを行えるので、ゲージ管理が重要となります。
また従来の「ブレイク」に似た「ノックアウト」システムがあります。敵にはノックアウトゲージがあり、これを蓄積させるとノックアウトし、被ダメージにプラス補正がかかります。ノックアウトゲージは特定アクション後の攻撃、連続攻撃、弱点攻撃などで蓄積させられます。7R、FF16、『オクトパストラベラー』シリーズ(1.2)に近いです。
ジャストガード。GPアクション
攻撃のジャストガード(ガードはスキルを割り振る)に成功するとダメージがゼロになるなど、アクション性が強いです。ただ、一部の敵のモーションはエフェクトやモーションが派手なために、カウンターのタイミングを測りにくいのが璧に瑕です。『スーパーマリオRPG』(2023リメイク)と似て、少し直感的な操作が難しいです。
またGPというポイントがあり、消費で戦闘中やフィールドで強力なスキルを発動できます。戦闘中に使える「オーバークロック」(一定時間敵のアクションのスピードに超マイナス補正、ATB消費なし、 ATBは回復、プレイヤーのアクションの高速化)は強力で、初心者救済になっています。TAのCP、ルフランのレインフォースのような、探索と戦闘共通のリソースです。
箱庭探索アドベンチャー。形骸化したタイムリミットシステム
今作品はレールプレイングと揶揄されたⅩⅢと対照的に、小規模な四つの箱庭ステージで各地の人々の願いを叶えて救い、それによって世界終焉までのリミットの日数を延ばすことができます。箱庭探索には世界終焉までのタイムリミットが設けられ、リアルタイムで進行していきます。なんとなく『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面』や『龍が如く』シリーズ(0,1[極].2[極2].3.4.5.6.7.見参.維新)を連想する人が多いでしょうが、それらと比べるとステージの作り込みは甘いと言わざるをえません。
そもそもGPを消費して発動するクロノスタシス(一定時間、タイムリミットのカウント停止)があるため、タイムリミットはほぼ形骸化しています。詰み防止のため、世界の終焉を迎えてしまっても能力、アイテムを引き継いでリスタートできます。けれども印象的なエピソードも多く、荒い作りでもなかなか楽しいのは事実です。ただそれよりサッズとかメインキャラを掘り下げて欲しかったです。
総評
三部作の終幕にふさわしい作品。
本作品はATBのシステムの完成形としてよくデザインされています。アドベンチャー要素、シナリオの水準はぼちぼちですが、悪くはないです。
こんな人におすすめ
・『ファイナルファンタジーⅩⅢ』のバトルシステム、世界観が好き。ライトニングが好き。
・骨太のARPGを遊びたい
関連作品、関連おすすめ作品
・『龍が如く8』『スーパーマリオRPG』(2023):アクションとコマンドRPGフュージョン
コメント